ひかりTVビデオざんまいプランで10月に見た映画一覧(27本)
月額2625円のビデオざんまいプランで、一か月間になるべくたくさん見て、レンタルした場合に比べて、映画一本あたりが安い感を得るために、毎月、視聴本数を記録している俺。
しかし10月度は、スタートダッシュが遅れた。9月の最後に見た某映画が、おそろしくハズレで、ショックが大きかったのだ。月間映画鑑賞数の記録更新を目指す、こんな企画なんか、もうやらない!もうやだ!と、すねてしまうほど、9月の最後の映画はひどかった。俺がそんなこと思うなんて…いかにひどかったかが、うかがい知れる。
終わってみれば、10月度は、過去最高数、27本だった。では、相変わらず、一記事がものすごく長くなるけど、見た順で、まいります。
(3)復讐するは我にあり
題名だけ、有名なので知ってたが、見たのは初めて。1979年今村昌平監督、緒形拳主演。脇役、端役に至るまでものすごい豪華キャスト。エンドロールに目を凝らし、撮影に原一男がいた!
緒形拳は不世出の役者だ。父親役の三國連太郎もだ。彼らとの濡れ場を、堂々演じる、倍賞美津子、小川真由美は堂々のエロシチズムに満ち溢れ、語の真なる意味にて官能的。
(4)蔵の中
横溝正史原作のいい題材で、中尾彬に吉行和子、そして、ヒロインである、おしのお姉さんは、演技が冴えててよかったのに、主人公の少年の棒読みっぷりのせいで退屈な作品になってしまった。
ほいで、インモラルな、おしの美少女を演じている女優さん、松原留美子さんって、聞いたことあるような?それにしても無言なのに、よく演技されてるなあと感心。ただ時々、カットによっては顔がオッサンに見えるなと。パタリロ系のほっぺただからかな?と思っており…
いつものように、見終わってから、ネットで検索。そしたら、そそそ、そしたら!松原留美子さんって、ニューハーフだったとわかって、えええー!
(5)痴人の愛
ド変態作家・谷崎潤一郎のアレの映画化。1967年。俺の生まれる前の映画だが、ものすごくエロい。
ひかりTVのビデオオンデマンドには、作品ごとに、「HV」とか「5.1ch」などの、内容を表すしるしが付いてるんだが、「15禁」「12禁」のしるしも当然、ある。でも「痴人の愛」はこんなにエロいのに、無印。昔の作品だろーが、なんだろーが、このエロさはハンパではない。なのに無印。エエのか、ひかりTVw
ヒロイン・ナオミの服装が、丁度いまの流行と同じふうで、ガーリーですてきすてき。ナオミの飼い主のおっさんは、年齢設定31歳。現代の31歳はこんなに老けてない。
ナオミのボーイフレンド役で、田村正和が出演。この頃から、田村正和は完全に喋り方が田村正和なのに笑った。
「ンンンー、ナオミさんはー、ンンー、いまごろどこにンンー」みたいなな。
ところで、タイトルの「痴人」とは、もちろん、ナオミの飼い主である、男のほうである。
(6)サムサッカー
なんちゅうエエ映画なのやぁあああー!なんちゅう思いがけない出会いなのやぁあああー!
主役の少年はじめ、脇役の充実ぶり!脚本と映像美のシンプルさ。完璧と言っていい。
17歳のあどけなさの残る少年、ジャスティンは、指をしゃぶる癖の抜けない内気な子。家族構成は、看護婦のお母さん、小学生の弟、職業不明のガタイのいいお父さん。そのお父さんが登場した瞬間、叫んだ俺。
お、おおお、おまえは「フルメタル・ジャケット」の、ほほえみデブやないか!ほほえみデブやないか!ほほえみデブやないかぁあー!
ほほえみデブと劇中で対決する、ちゅーても、町内運動会でライバルちゅうだけやが、で、そのライバルは、少年のかかりつけ歯医者さんである、キアヌ・リーブス!
俺の中でキアヌ・リーブスは、「リトル・ブッダ」におけるお釈迦様なのやー。キアヌは、お釈迦様役が俺内で至極強烈だったので、「スピード」見ても、「サムサッカー」見ても、おしゃかさま、お元気でしたかーな俺。
主人公も、ほほえみデブも、奥さんも、しっかり者の弟も、おしゃかさまの歯医者さんも、みんな等身大に描いてあるので、美しかった。
(7)デンジャラス・ビューティー
爽快でした!サンドラ・ブロックの美容変身+精神的変身。ミスコン司会者のウィリアム・シャトナーのはまり役ったら!シャトナーって日本における岡田真澄的存在だったのねん。
期待を一個も裏切らない、お約束的痛快娯楽映画。全編、お約束な進行で、それが痛快なのさ。笑って最後には涙して。いいよいいよ。まさにこれこそ、ミス・アメリカだ。アメリカン・ビューティーだ。
FBI捜査官のサンドラ・ブロックは、ダサい容姿をプロジェクト美容で大変身させ、ミス・アメリカ大会に参加。地金がお下品なサンドラは、ミスコン会場で「友」を、「師弟愛」を、人間として大事なものを学んでゆく。
俺はストレスを感じると、おできをひっかいてしまう悪癖があるので、おできが悪化していたわけだが、「デンジャラス・ビューティー」見ている間は、爽快で、悪癖が出なかった。これぞ美容映画だねえ。
明日の仕事もがんばろうって、素直な気持ちにさせてくれる、素直ないい映画だよ。ビバ!アメリカ。
(8)デンジャラス・ビューティー2
2と付くとヘタレになるの法則、この映画では見受けられず。おもしろかったよ!
すっかり美形キャラになってしまった、いや、なってないか、そんなサンドラ・ブロックの無骨だった頃の後継者キャラである、黒人女性刑事も、たいそういい味出してます。
(9)悪夢探偵
もうすぐ配信終了というので、お気に入り(ひかりTV内のクリップ機能)に入れてあったが、あらすじと配役見ただけで、ただようハズレ感が…実際見て、ああ、予感が当たったよ。
俺は自室で映画見る際にも、映画館で見る時に近く、集中して見ようとする。ほかごとしながら見たりしない。そんな俺が、ほかごとし始めたら、ハズレなわけだが、「悪夢探偵」は開始早々、足に乾燥防止クリームぬりはじめたわ。
女主人公の女刑事さんは、どう割り引いて見てもミスキャスト。セリフがしゃべれていない。松田龍平さんも今作では凡庸にすぎた。
「悪夢探偵」と呼ばれるべき主人公がぜんぜん主人公をやってない。と言うのは、視聴者が松田龍平さんにぜんぜん感情移入できないまま進行するからだ。
視聴者目線に一番近い役割のはずの女主人公は、セリフのロレツが回っておらず、彼女のセリフを聞いただけで、物語そっちのけで、「ああ、この女優さん下手だわ。」な、批評者目線になってしまう。そうなってしまったらおしまい。劇映画は演劇なのだから、当たり前だが、視聴者を冷めさせたら、その時点で終了だ。
監督が、脚本・美術・撮影と何から何まで手がけ、気合が入りまくりなのが、気の毒になるほど。演者の選定・指導も監督の仕事なのはゆうまでもない。特撮に凝れば凝るほど、出演者=人間の力量不足が目立ってしまう結果に。
以前、外国製子供向けアニメの端役の、吹き替えに、局アナが挑戦したというニュースで、吹替え版の監督が、その局アナにこう言った。
「子供は最も辛辣な批評者である。ああ、この役者下手だと思った瞬間、もう映画を見てくれなくなる。飽きて、走り回る。」
チョイ役で二言三言だけの演者にも、むろん、この姿勢が求められる。それが演劇だ。
「悪夢探偵」を見ながら、クリームぬったり、ケータイいじったりし始めた俺は、この吹き替え版監督の言葉を思い出していた。
(余談だが、そんな高尚なポリシーを持っている監督さんが、局アナを声優に起用しなければならない、日本の吹替え現場のかかえる“大人の事情”にも立腹するよ。)
(10)9デイズ
これは、映画館で予告編を見た記憶がある。チェスのシーンだった。アンソニー・ホプキンスのおさえた演技はよかったが、おさえすぎの感もあった。黒人の主人公、クリス・ロックは生き生きしててグー。
感情を表さないホプキンスと、下町ッ子のクリス・ロックの性格を対比させ、コンビの仕事を描いているスパイ劇。ホプキンスにハードなアクションさせてるのがなんだか勿体無い気がした。意外に、頭脳派だったクリス・ロックの頭脳戦を、もっと見たかった。
俺がカーアクション自体をあんまり好きでないからかもしれんが、この映画においても、カーアクションが過多。食傷気味。市井の民だった黒人主人公は、CIAのお歴々よりもずっと頭脳が優れていた点がストーリーの肝なんだから、そこをもっと描くべき。
(11)ハンニバル・ライジング
「9デイズ」から、ホプキンスつながりで、ハンニバル・レクター先生ご生誕の巻を見るの巻。
リトアニアのご領主さまの令息として、お城に住んでたハンニバル君は、戦争さえなければ何不自由ない暮らしをしていただろうに。戦時の描写は熾烈を極め、リトアニアが、ソ連とドイツの間でいかに災禍に見舞われたかを訴えている。
この戦争描写は、撮影技法、時代考証が卓越しており、こんだけでも見る価値がある。
ソ連の収容所=かつての自分の城から逃亡したハンニバル君は、フランスに住んでる親戚の日本人女性未亡人を尋ね、意気投合。このジャポネマダームの日本文化考証が、突っ込みどころ満載だが、まあいいや。
戦時中にひどい目にあったハンニバル青年は、戦後、復讐のため連続殺人鬼になってゆくわけだが、いかにレクター先生が犯罪の天才と言えど、ポンポン殺してゆく手際がよすぎ、上手くいきすぎて、けっこう突っ込める。
目と目がはなれているジャポネマダームとの恋愛関係は、視聴者にとってもレクター先生本人にとっても、もうどうでもよくなり、戦争犯罪人は戦後もいい具合に悪党になっており、レクター先生やっちゃって下さいな心理に俺もなり。
ハンニバル君を容疑者として追うフランスのおまわりさんは、登場するだけ無駄足で、どうでもいい存在になってゆき、めでたく、天才犯罪者レクター先生がご生誕され、めでたしめでたしなお話しだった。
(12)忠臣蔵
1958年(昭和33年)、大石内蔵助は長谷川一夫。豪華絢爛なキャストが、みんな若すぎて、誰がどの役やってんか、モラトリアム世代の俺には見分け不可能。
若すぎて、誰が誰だか、わからんのよー!
だもんで、どこに誰が出てくるか、勝新太郎が出てるはずなんだけど、だれ?どこ?てな具合に、探しながら見るのも楽しい。そしてこれは、完璧な時代劇である。
贅をこらしたセット。彩り美しい衣装。とにかく「しつらえ」がすごい。圧巻。お金かけて手間隙かけて、肝心な時代考証もしっかりしてて。
何より見事なのは、時代劇を演ずる役者さんたちの、立ち居振る舞いだ。
この時代の大俳優、大女優さんたちは、「格」が違う。違いすぎる。浅野内匠頭の正室、瑶泉院さまの涙声、「大石、ゆるしてたもー!」のノーブルな凄みは、いったいなんだ。
そんな瑶泉院さまは、山本富士子さん。吉良サイドの女スパイに、京マチ子さん。吉良邸の絵図面渡す町娘は、若尾文子さん。大石の奥さんは淡島千景さん。大女優とは、彼女らのことを言う。
美輪明宏が、さいきんの時代劇なんて、衣装は考証がめちゃくちゃ、お作法はグダグダで、見るに耐えないと言っていたのが、よく理解できた。この「忠臣蔵」見ちゃったら、さいきんの大河ドラマは、おままごとだってな。所作が違う、所作が!
映画「忠臣蔵」は、映画の要素のすべてを駆使して、日本人の清廉潔白さを、我々に教えてくれる傑作である。
(13)バベル
みんなバカ。バカすぎる。なんでそんな愚かなことばかりするんだ!なんで後先考えずに、大事な人たちを、命の危機にさらすんだ。もうバカばっかりで、見てて憤懣やるかたない思いになる。
辛い、辛い、辛いことばかりが起こってゆく。原因は、「バベル」=言語の相違、なのではない。どいつもこいつも、愚かだからだ。
「バベル」は、人の生来の愚かしさを描いていくが、いくらなんでも、愚かすぎて、俺様プンスカ。特に、モロッコのヤギ飼い少年。思春期特有のバカさかげん。次に、メキシコ人の子守。一見聡明に見えるブラピも、不仲になった奥さんを、モロッコ旅行に連れてくなんてさ。「こんなところイヤだわ」って、嫌がってるのに、無理じいしてさ。
バカばっかしの登場人物中、聾唖の少女、菊地凜子さんだけは、たいした事件もおこさず。聾唖の世界と、耳が聞こえる世界との断絶を描く一エピソードではあるが、映画全体のハラハラ感には、そんなに役に立ってない。
みんなバカだぁー!ムカムカしてきて、誰か、冷静でマトモな人はおらんのかと見れば、モロッコの通訳の家にいたお婆さん。大怪我したブラピの奥さんをなだめるため、麻薬のタバコを吸わせてくれた。彼女ができる=彼女しかできなかった、怪我人への優しさだ。
そして怪我人のために働いたモロッコ現地通訳の男性と、ブラピは、別れの際、がっしと抱き合う。ありがとうと!お金を通訳に渡そうとして、頑なに断った通訳さん。彼の精錬さにうたれた。救われた。
つまり「バベル」のテーマは、人とは愚かで、愚かさで人を傷つけ、愚かさで死にまで至らしめるが、それは言語の違いのせいではなく、人類共通の「愚かさ」なのだと。それと同時に、やるせないほどの「優しさ」を持つのだと。
(14)スタンド・バイ・ミー
ものすごく恥ずかしいけど、告白しよう。俺、この映画ちゃんと見た事なかったのよ。本日、初めてちゃんと見た。けだし名画。名作と呼ばれている作品は、ほんま、ちゃんと見とかんと、自分が損するね。
リバー・フェニックス、ああ、こんなにいい役者だったのに、将来を嘱望されていたのに、本当に惜しい人を亡くしたなあ。
主人公の少年は、どっかで見た顔やなーと思ってたら、おまえはスタトレTNGの、クラッシャー代理少尉やないか!ウィル・ウィートンだ。
小学生4人をいじめる、高校生ふうの不良チームのリーダーも、こいつどっかで見た顔やなあと思ってたら、お、おおお、おまえは、「こんな事に巻き込んでしまって、本当にすまなかったと思っている」のキーファー・サザーランドやないかー!
コリー・フェルドマンは俺内でおなじみ。「13日の金曜日」の続編のどれかの、吹替え版で、コリー・フェルドマンが演じた少年の声を、浪川大輔クンがあてていたのだ。収録レポ番組があって、当時小学生の子役だったナミダイが紹介されていたんだ。ちっちゃい体に、でっかいヘッドフォンを、両手でしっかとかかえ、一生懸命、演技していた浪川少年を、「まだ小さいのに、えらい子やなあ。」と思い、ながめていた。俺はナミダイより年上やからな。
(15)デビル
IRA活動家のブラッド・ピットと、彼の正体を知らずに潜伏ホームステイさせ、テロの巻き添えをくらうアメリカ警官のハリソン・フォード。二人の自然な態度が物語の悲劇性を際立たせる。
ブラッド・ピットは役柄に合わせて、おさえた演技をしていて良。ハリソン・フォードは演技のできない人だが、今作ではそんなフォードの自然体で役柄に合っていて良。
見てて興奮もしないが退屈もしない。悲劇にひきこまれた。邦題が内容を表しておらず、惜しい。
(16)青いドレスの女
一応、真面目な工員だった黒人独身青年が、リストラを契機に闇社会に入ってゆくテーマなのに、青年が「持ち家」なのが痛い。関係者全員が、いちいち青年のおうちに集合するんだもの。居場所特定されすぎ。
(17)天河伝説殺人事件
角川映画の悪い部分、「凝りすぎ」を凝縮した出来だった。加藤武さんに、「よぅし、わかったー!」って、横溝正史映画のモノマネさせるとは、なんちゅう薄い発想だ。公開当時、鳴り物入りで宣伝したものの、鳴かず飛ばずだったのがうなずける。
この映画には、映画にいちばん必要な「なにか」が欠けている。それは説得力だ。脚本の雰囲気がバラバラ、ちぐはぐ。美声の日下武史さんだけが救い。
(18)君よ憤怒の河を渉れ
俺、途中まで「これは真面目な映画なのだろうなあ」と思いながら見ちゃってたよ!
高倉健が北海道で、ヒグマ=きぐるみの退治をやったあたりから、「おや?おやおやおや?」
そして高倉健が、北海道の牧場ヌシ(大滝秀治)から、セスナ機を借りて本土に飛んでゆくにいたり、ようやく、「この映画は、荒唐無稽アクションだったのかー!」って、気がついた。
セスナ機以降、ありえんし!マジありえんし!の連投。新宿の街に北海道産の騎馬隊がパケランパケラン表れたシーンでは絶句したわ。アスファルトでころんだお馬さんがいた。
馬がかわいそうです。
逃亡者・高倉健を追う刑事に、原田芳雄。若い部下が大和田伸也。この二人は演技力があって安心して見てられます。しかし…
しかし、みんなの上司は、日本映画界の重鎮にして、演技力がハリソン・フォード並みの大根なことで俺内では有名な池部良。
そもそも高倉健のことを、俺は男として好みではない上に、今作では、ぶっきらぼうを通り越した、フヌケにしか見えない。
「君よ憤怒の河を渉れ」は1976年作。筋立ては、米国製名TVドラマ「逃亡者」のオマージュ(パクリともゆう)であり、政治家による犯罪者のロボトミー施療は、「時計じかけのオレンジ」のオマージュ(もろパクリともゆう)でした。
いやあ…笑った…高倉健さんのアホの子のフリもすごかったし、中野良子さんの無意味なおっぱいドアップにも爆笑しました。音楽が、輪にかけてすごかったです。深刻な死亡シーンに、♪チャンチャカリンリン、なんだそのポップな曲は!w爆笑です。
俺が真面目に見つめたのは、二点。高倉健が逃亡中に倍賞美津子さんに、法で裁く側と、裁かれる側について告解するシーン。そして、中野良子さんのハイセンスなファッションです。彼女の服装は極めてオシャレで、素敵でした。
(19)閉ざされた森
89分の短い尺に、ギッチリ詰め込まれたストーリーは、スピーディで変化に富み、満足感グッドネス。こーゆーおもしろい映画見せてもらうと、今日の終わりがいいものになる。
ジョン・トラボルタ主演。「サタデー・ナイト・フィーバー」以降、出演作に恵まれなかった彼が、中年になって、色々な役柄を演じ分けるいい役者さんになってくれて嬉しい。
(20)エリン・ブロコビッチ
訴訟映画が好きな俺。ジュリア・ロバーツの力量とチャーミングさに、圧倒された。ヒロインは無学な子持ちワーキングプアだったが、法律事務所に押しかけ就職。義侠心と聡明さから公害訴訟を勝ち取る。
この映画は、懸命に働くことの偉大さを訴えている。ジュリア・ロバーツの前向きな、ひたむきな、笑顔を見、周囲の人々への親切な、慈愛に満ちた対応を見、俺のいけない点を猛省させられた。
明日も仕事だ。エリンのように、みんなに笑顔を向け、自分の意見を言い、頑張って、頑張って、頑張って、働こうと思った。素晴らしい映画だ。ありがとう!
ありがとう、ジュリア・ロバーツ。真のチャーミングさとは、彼女のように、人々に幸福を与える。
(21)17歳のカルテ
大好きなウィノナ・ライダーが、アンジェリーナ・ジョリーと競演。テーマは境界性人格障害の少女。原作者が語り部でヒロイン。これは見るっきゃない。
ヒロインを演じたウィノナ・ライダー。入院前と退院時とでは、はっきりと人格の変化が。瞳の輝きでそれを表現した彼女の演技は美しい。境界例患者の特徴=「凡庸さ」も、同じ病気の経験者である彼女でなければ、このように熾烈には表現できなかった。
「凡庸さ」を、「熾烈に」表現できること。これぞ女優よ!
境界性人格障害の患者は、どこにでもおり、俺の中にもいる。境界例の只中で苦しんでいる当人を、はたから見ると、至極、凡庸なのである。当人は、自分を特殊だと思っているのだがね…実は気がついてもいるのだがね…自分が凡庸なのだって。認めたくなくて、苦悩するんだよね…
映画は、ウィノナ・ライダーが、病気を治し、退院するところで終わるが、精神病棟のボス、アンジェリーナ・ジョリー(けつ下唇)は、たぶん治癒することなく、生涯を終えたのだろう。
ウィノナ・ライダーは、ましろき象牙のような肌に、漆黒の短髪。この、白さと黒さの対比は、まさに白雪姫。そして、瞳は灰緑色。
病棟の清貧のなかにあって、大理石でできた妖精像のように、かたく、聳え立つかのような、白い体躯。まっすぐな真っ黒な眉。男のように地味な服ばかり着て、黒っぽい服からのぞく肌は、真珠のようだ。それが、女の虚ろな心を映し出す。これを「美」という。
「聖戦士ダンバイン」の実写化があれば、ガラリアさんの役は彼女がいいと、前々から思ってたんだぞ。
(22)コンスタンティン
あらすじ読んで既に、ハズレ臭がプンプンしたが、もうすぐ配信終了だし、主演がおしゃかさまだし、見てみた。
…なんだこの禁煙啓蒙映画は?
おしゃかさまは、「マトリックス」以降、あのヘンテコな中腰体操が、大のお気に入りになったらしい。
(23)小さき勇者たち―ガメラ―
昭和ガメラ、平成ガメラの正統な後継だ。子供たちの懸命な生き様、大人たちの思いやりが、美しい。ガメラに守護された昭和世代のお父さん。平成の子供たちは、こんどは、そんなガメラを、自分たちで守護しようとします。時代考証が必要な二世代の生活描写が、丁寧に描かれており、純映画として、しっかり作ってあります。
そして、怪獣映画としてのワクワク感はバッチリ!
今回のガメラの敵怪獣は、エリマキトカゲがモデルとおぼしき、ジーダスたん。ナイスなふたりのバトル会場は、大ナゴヤシチー、JR名駅前です!最高です!
俺は怪獣映画が、好きだ好きだ、好きだぞー!