ひかりTVビデオざんまいプランで2011年4月に見た作品は18本

(1)ザ・クリーナー消された殺人(2007)米

配役や美術はよろしいんだが、冒頭から、「謎」のたたみかけも、よろしいんだが、見始めに感じた、そんなワクワク感、「どうなるんだろう？」感が、早くも、再生開始40分時点で、失速してしまった。

なにせ、登場人物が少なすぎるのだ。だから、「謎」の目星がつくのも、早かったというわけだ。
しかし、謎解きよりも、演者の役作りや、作りこまれたインテリアなどには、心惹かれるものがある。

(2)テキサス・チェーンソー(2003)米

俺はこういう、スプラッタな、ホラー映画を、よくチョイスする。
なんでか？リアル仕事の、ストレス発散のためだ。怖い映画を見て、心臓が凍るようなキモチになれたら、浮世の憂さが、晴れるからだ。
ただ俺は、唯物論者ゆえに、「オバケ」には、さほど恐怖を感じない。俺がいちばん怖いのは、生きた人間だ。それが、気の狂った殺人鬼であれば、なおさら怖い。

「テキサス・チェーンソー」は、アメリカン・ホラーのお約束に、忠実に従っている。
コワイキモチになりたいときー。定番中の定番として、この映画は、オススメだ。仲間といっしょに、おおぜいで見るなら、
「こいつ、死亡フラグ立ったよなーッ！」と、突っ込みながら、ワイワイ見よう。
そんなチミたちの中で、いちばん、はしゃいでる男が、最初に死ぬ。

(3)フライトプラン(2005)米

不美人だが、頭のいい女優、ジョディ・フォスター主演。

航空機という密室で、幼い娘が失踪する。とうぜん、狂ったように、娘を探し出そうと叫び、走り、訴える母親。しかし、母親は、機長に、こう言い渡される。

あなたの娘さんは、最初っから、搭乗しておりません。離陸直前に、病院でお亡くなりになったと、知らせてきましたよ？…ウン、わかります、わかります。かわいいお子さんを、あなたは亡くされたのですものね。呆然自失になられて、とうぜんですとも。あなたは、娘さんと一緒に、飛行機に乗ったんだと、そう思い込みたかったんですよ…

(4)羅生門(1950)日

黒澤明監督。

世界でいちばんの、映画は、なんですか。

こう問われたら、悩む。「時計じかけのオレンジ」、かもしれない。溝口健二作品の中から、選びたいかも、しれない。
俺は、クロサワを、別格扱いしない。神聖化された色眼鏡で見られたら、クロサワが失望するだろう。

しかし、「羅生門」は、別格だ。前にも、後にも、ない。「羅生門」は、映画のあらゆる要素…脚本、構成、撮影美術、役者の演技力。どれをとっても、世界一、史上一だ。

見る者によって、この映画の「謎」の解釈は、多様なのだろうな。俺は何度も「羅生門」、見たけど、今回、見直して、こう感じた。
京マチ子（まだ、あどけない少女妻なのに、鬼神がごとき演技力なのにも、改めて、おでれえた）の訴えも、ミシマの供述も、森雅之さんの感じたことも、志村喬の目撃談も、
すべてが「真実」なのだろうな、って。