新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

ひかりTVビデオざんまいプランで9月に見た映画一覧(25本)

俺のひかりTV映画記事、一か月分を一記事にしているが、あまりにも、長い。作品ごとに、記事も分けたほうが、読者さんには読みやすく、検索しやすいだろう。だが、俺自身は、月間で何本見たのか、見た順番はどうだったのかを整理したいので、9月分も、このスタイルでお送りします。

文章は、ツイッターと、はてブに書いたものの再編集です。

(1)シーズ・ソー・ラブリー

シーズ・ソー・ラブリー [DVD]

ジョン・カサヴェテスの遺作と呼んでいいだろう。さすが!実子ニック・カサヴェテスが、故人である父ジョン・カサヴェテスの脚本を監督した。主演のショーン・ペンと、劇中でも実生活でもショーンの妻であったロビン・ライト・ペンの熱演も素晴らしい。男が女を本当に愛するとは、どういうことなのかを、こうまで真摯に描くことができるのは、カサヴェテス親子ならではである。

(2)ナイン・シガレッツ

ナイン・シガレッツ [DVD]

これはGJだ監督!グッドセレクトだ俺!メキシコ映画。スタイリッシュでスピーディ。緻密な生活描写。笑って笑ってスリリング。
主人公はメキシコ青年で、男前なハッカーなんだが、使ってるパソコンがソニーなのな。取引相手のロシア人のノートパソコンも、バイオなのな。

登場人物が、誰も彼も魅力的。男はオットコマエ。女は度胸すわった美丈夫。後半に登場するおまわりさんは、声優の杉山紀彰さんにそっくりで、キュートよ。

(3)ハチ公物語

ハチ公物語 [DVD]

休日の二日間をかけて、ひかりTVで自分内邦画大会。

まずは「ハチ公物語」。ガラマニ県が誇る、神山征二郎監督作品だ。リチャード・ギアのハチ公を映画館で見てきた直後だったので、「神山版に忠実に洋画化したんだなあ」と、改めて感心した。

神山作品の、絵作りのなんとうまいことか。この神山カメラワークを洋画化できる監督は、確かに「ショコラ」の監督でないとあかんかったやろーなー。両人とも、叙情的かつ、やりすぎない。

急逝した先生の棺おけに、ハチが泣くシーンと、ラストシーンで涙、ぽたぽた。いい映画に出会えて乾杯!

(4)日本の黒い夏・冤罪

日本の黒い夏 [冤enzai罪] [DVD]

人生を映画にかけてきた名監督・熊井啓。冤罪事件の真実を突く、この探究心。熱意にうたれる。松本サリン事件の描写を、映画の最後に持ってくる、クライマックス。事件当夜の描写には、胸がつぶれる。悲しみと恐怖で慄然とし、ふるえて泣いた。

熊井監督、たくさんの、優れた映画をありがとう御座います。「ひかりごけ」では、ミクニ=トラウマになりましたぞ。

(5)金環蝕

金環蝕 [DVD]

やべえ、くそおもしれえ。と、ひざを叩きながら見た。伏線の貼り方が、さすが。前半で自己紹介程度に出た峰岸徹三國連太郎が、中盤出なくなって、あんな豪華出演者が、もう活躍しないのかな?と思っていると、後半大活躍。

モデルになった史実のほうを知らないので、この人どうなるの?と最後までドキドキしたって塩梅だ。当時も豪華キャストだったろうが、今見ると、当たり前だが、豪華すぎてマブシイほど。

(6)燃ゆるとき

燃ゆるとき [DVD]

アミーゴ!邦画大会、締めは「燃ゆるとき」。佐田啓二のクローン・中井貴一主演。ラーメン会社のアメリカ工場。ハートフルでドキドキする秀作だったよ。見てよかった。劇中に登場した「レモン味のカップめん」、商品名「チキンアンドレモン」。あれは美味しそうだった!

クローンといえば。「日本の黒い夏・冤罪」で、冤罪被害者を演じた寺尾聡。続けて見た「金環蝕」の主役は、クローンの元、宇野重吉で、クローンクローン感いっぱいでしたわ。

「金環蝕」には三國連太郎も出てて、現在の佐藤浩市タソとかぶって見えたなー。この親子はクローンちゅうほどは似てないが。

浩市タソは、悪役全盛期のミクニを、すごーく意識してるなーと思った。芹沢鴨の役を親子とも演じたしな。はっきりゆって、そっくりだったもん、鴨。意識しすぎるなよ浩市!と思ってた。

美味しんぼ」での親子競演も見ものだったよなー。発表記者会見でのミクニと浩市タソは、役そのもののギスギス感で。キミらホンモノやな!

緒形さんちも、クローン顔ではないが、直人はかなりお父さんを意識してるね。でも直人の場合、父を心底、尊敬していることを隠さないで、影響を受けながら、独自の芸風を作ろうとしてると感じるね。

(7)ニューオーリンズ・トライアル/陪審評決

ニューオーリンズ・トライアル/陪審評決 プレミアム・エディション [DVD]

陪審員陪審コンサルタントが買収したり恐喝したり。社会性に富み、名優たちの競演も楽しめて、アクション撮影、サスペンス描写、絵作りも秀逸。日本の裁判員制度を考える上でも、たんにおもしろい映画を見たい人にも、オヌヌメ

(8)呪怨

呪怨 [DVD]

(9)THE JUON 呪怨

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション [DVD]

呪怨」の劇場版、続けて米国版「THE JUON/呪怨」を視聴。米国版の方がよい。日本の劇場版呪怨では、登場人物が、死ぬばっか。怖いけど飽きてくる。米国版では、ヒロインが首尾一貫して敵と戦う、ストーリー性が高くなっている。

コドモと母親のオバケの見せ方は、非常に怖いのだけども、どうだ怖いだろう感がありすぎて、あざとさを感じた。まあ監督は、そこは確信犯でやってるのだけど。

この映画の、最大の萌えポイントは、もちろん黒猫。黒猫が虐待されるシーンがあったらどうしようと、ハラハラしていた。多少あった…映画だと思えば耐えられる描写だったが、黒猫だけは助かってほしかった。

虐待されていない黒猫の登場シーンはどれも安心して見られるかわいさ。黒猫さえ元気そうなら、人間キャラがどうなっていようと、さほど気にならない俺。

呪怨」日本劇場版の終盤で、ヒロインのベッドの周囲に15匹ぐらいの黒猫だらけシーンでは、ヒロインは恐怖で「キャー!」ゆうとったが、見ている俺は

むしろヘブン状態やがな。

(10)サスペクト・ゼロ

サスペクト・ゼロ [DVD]

すごく怖かった。途中から結末が予想できたけど、怖かったよ。「呪怨」より、こっちの方がずっと怖かった。劇中で鉛筆画がたくさん描かれるのだけれども、その絵が、めっさ上手い。画家さんはステッドラーの鉛筆を愛用してたよ。

劇中に登場する画家さんも絵が上手いのだが、映画の「絵」=撮影も、非常に上手い。四六時中、妄想と現実が交錯する映画なので、画面構成が「基本に忠実」なんですな。どのカットも、絵画としての構図が完璧。空想の異常性が生きている。

(11)タクシードライバー

タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]

ものすごく恥ずかしいけど告白する。俺、この映画、この歳になって初めて見たの。あー恥ずかしい。20代で見とくべきやった。デニーロとジョディ・フォスターの若いこと。

ファミレスで朝食とるシーンで、少女はカリカリに焼いたトーストに、赤紫色のジャムをこってりぬり、食うのかと思いきや、ジャムの上に砂糖を真っ白になるまでかけて、二枚サンドにしてから、食った。アメリカ人は、そんなだから中年以降、樽化するんだよ!とそこに突っ込むわし。

(12)シックス・センス

シックス・センス コレクターズ・エディション [DVD]

ネタばれをバラしてはいけないことで有名なこの映画を、恥ずかしながら初視聴。ネタばれは書かないから、エブリバデー安心してね。

悲しいお話しだったね。主要登場人物は、心の優しい人ばかりだ。優しいから、みんなは、苦しんでるんだね。

(13)ディスクロージャー

ディスクロージャー [DVD]

地上波で何回か見たけど、改めて見直して、文字通り見直した。カーク・ダグラスの劣化クローンことマイケル・ダグラスと、サカナ系人類ことデミ・ムーア。このブサイクコンビが主演のサスペンスだ。

カーク・ダグラスの熱烈ファンである俺の目には、ムスコダグラスは、ブサイクで、特段演技力に秀でているわけでもない、「劣化クローン」に見えるわけだが、よく考えたら、パパダグラスもたいして演技派ではなかったよな。

でもなー、50代の頃のカーク・ダグラスは、「なぜそんなB級映画に出るんだ…」とドン引きするほどの仕事選ばない状態にもかかわらず、ものっそい、オットコマエやったのや〜。

でもなー、パパほど男前でもなく、技巧が際立つ演技派でもない、マイケル・ダグラスは、「ディスクロージャー」の主人公のような、生真面目で、いい意味で凡庸で、だまされやすい男の役が、よーく似合ってた。

サカナ系人類こと、不美人の自覚がないバカセレブこと、エラ呼吸部門金獅子賞こと、デミ・ムーアも、「ディスクロージャー」での、強欲な、能無しな、悪質な女の役が、非常に合ってた。そうだよデミ。あんたはこういうかたき役が似合う顔なんだよ。聖女役よりもずっと!

そうだよデミ。「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」でも、悪役やってたね。そうだよデミ。あんたは、ただきれいなだけのヒロイン路線よりも、個性の強い役の方が似合うんだよ。ずっといいよ!

デミ、デミ、ゆうとるとさいが、デミグラスソースみたいやな。

(14)ブラック・ダリア

ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組 [DVD]

実在の事件のほうは、殺人事件サイト等で知っていたので、興味しんしん宅間伸で見たのだが… 映画のこれは…ウーンウーン。開始早々、はずしたな、とわかった。

(15)テイキング・ライブス

テイキング・ライブス ディレクターズカット 特別版 [DVD]

あんま期待せずに再生し始めたとたん、オォッ、これはいい!最後までドキドキ。いんやぁ〜この映画、秀作だわー!ナイス出会い!

はるかカナダが舞台の推理サスペンス。いい。超いい。出演してる役者さん全員を見直した。 モントリール警察の役に立たたなさにイライラして、それが楽しい。おまえらガラマニ県警かとゆーぐらい、グダグダの捜査、ダラダラの警備。

ヒロインのアンジェリーナ・ジョリーの顔がすごいことに。いいなあ、こういう不美人女優、好きだ。けつあごは珍しくないが、この人は、世にも珍しい「けつ下唇」なのだ。すんごいブサイク。だがビーチクは好みだ。

えっ、ジャン・ユーグ・アングラード出てたの?あのフランス系の役立たず刑事?とゆーぐらい存在感がない。ジャン・ユーグ・アングラードちゅうたら、「王妃マルゴ」の、マルゴのお兄さん王やがな。あのオットコマエが。オーラ消して脇に徹するとは、役者魂だのう。

このように、脇役までビッグ俳優で固めてあり、筋立ては、役者さんたちみんなの良さを引き出している。ただ容疑者になりうるキャラたちが、大物俳優すぎて、「あれこの人、見たことある顔だねー?」ぐらいの認識(=俺)で見た方が感動する。

ひかりTVのあらすじと出演者だけ読んで、あんま期待してなかったのね。期待裏切られて、最初から終わりまでぐいぐい惹きこまれて、よかったわああ。おかげでいい夜になった、ありがとう!けつ下唇ばんざい。

(16)ソードフィッシュ

ソードフィッシュ 特別版 [DVD]

トラボルタは、いい役者さんになったなあ。脚本には、グーなところもあるけど、余計なアクションシーンが多いのがいけない。アクションのためのアクションには全然、心躍らない。そもそも主テーマが軽い。特殊撮影もさしてほめられたものじゃない。

前半部の主人公ハッカーと、刑事の海岸ころがり落ちアクションは、完全にいらんシーン。ハッカーとトラボルタ二人のカーアクションもいらん。アクションシーンはクライマックスの銀行シーンだけにしぼり、他は人物描写とハッキング描写にしぼればよかった。

全体的にはいい線いってるだけに、余計なアクションが多いのが惜しかった。トラボルタの演技=人間力が、この映画を救っている。彼の演技の良さだけは、俺の印象に残るだろう。

あと、ハッカーさんが使っていた「すごいパソコン」は、DELLだった…

(17)法王の銀行家

法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件 [DVD]

イタリア映画。主人公カルヴィのかみさんと、ムスメと、存在感のないムスメムコと、もっと存在感のないムスコが、足手まといでウザかったっす。かわいそうなご家族さんなんすけども。

イタリア語しゃべってるルドガー・ハウアーは、あいかわらずオットコマエでしたわ〜。

難解な映画だったが、最後まで見るとバチカン周辺の政治構造がよくわかり、勉強になった。当時の法王はそうやった、連帯のポーランド人やったな、とか。フォークランド紛争サッチャー女史が大英帝国ぶってたなとか、思い出した。

(18)Π(パイ)

π(パイ) [DVD]

単純なテーマを、オサレに描いてある。白黒の画面と、音楽プロモのようなタッチ、いわゆる「前衛的」な雰囲気を楽しむための小編。

画面が前衛的なだけで、テーマは単純な、わかりやす〜い映画。白黒で不愉快な絵を描きたかったんだなあ。その目的のために、ストーリーは簡潔、登場人物は記号的にしたのだなあ。

作り手の目的は哲学的な問いかけではなく、デザイナーチックな画面である。絵のために付けられたストーリーという、通常の興業映画とは逆の手法なだけである。遠慮なく評価させてもらえば、前衛映画としては、たいへんに凡庸である。

(19)ブルーサンダー

ブルーサンダー [DVD]

時計じかけのオレンジ」のマルコム・マグダウェル見たさに見た。終わるのが早く感じた。脚本に無駄のない証拠だろう。素直に楽しめる娯楽アクション。

先ごろ亡くなったロイ・シャイダーは、地味な面持ちでやる事はド派手。

♪青いイナズマが僕を責める〜、ブルーサンダーとは、武装ヘリの名称。マグマグ(マルコム・マグダウェルの愛称by俺)は、ロイ・シャイダーのかたき役。地味メンのシャイダーに対して、わかりやすい派手メンのマグマグ。

二人とも対照的で、かっこいい。

マグマグは、あまりにも美男子なので。普通の美男子に対しては「キャー」となるが、マグマグは、ムカムカしてくる。美男子すぎて、憎らしいんだ。

(20)アンブレイカブル

アンブレイカブル [DVD]

この映画は、ただただもう、暗い暗い。アメコミヒーローがどうしたこうしたは、作品にとっては、触媒であって、テーマではなかったね。

シャラマン監督だと、さっき検索するまで思ってたわ。シャマランさんだったのね…「シックスセンス」の時よか、ずっと映像センスはよくなってるよぉ監督さぁん、と思ったが、最後が…テーマがなあ。救いがなさすぎて、見てるのが辛かったぞ。

俺の映画感想を読んで下さってる方には、お気づきと希望するが、俺は、暗い映画が好きで、暗い映画、ないかな、ないかなと探して、見ている。

しかし「アンブレイカブル」は、そんな暗い映画好きの俺でも、見ながら「やめて!もう、やめて!」と叫ぶくらい、暗い。

見始めは、アメコミヒーローがどうのと、テーマ性が低いなあと思っていた。しかし最後には驚いた。いや、怖かった。なんだこの落とし方のセンスは。そうか、「シックス・センス」のセンスか。

この前の晩は、娯楽アクション「ブルーサンダー」見て、マグマグの美男子っぷりにホレボレして、いい気分で寝たが、この夜は、ただでさえブサイクなブルース・ウィリスの激暗顔が、悪夢に出そうな暗い気分で寝ることになった。

(21)ドッグヴィル

ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]

長いよ!二日に分けて見た。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督による、ある明確な意図のために、戯画化された作品。

見始めは、わざと冗長な作風にするのもたいがいにせいやと思ったが、後半はいい意味で先が読めて、展開が速く感じた。ラストはスカッとします。スカッとさせるための、重たく長い前半部だったのね。

わざとらしい戯曲風、無駄に豪華な俳優陣。登場人物と俳優と観客を、虐待し続けて、最後に溜飲をさげさせることで、自分の傲慢さに気がつかせるという、あざとい手法。技巧的な意味では上手い映画だが、俺はあんまし好きじゃない。

(22)パフューム ある人殺しの物語

パフューム スタンダード・エディション [DVD]

18世紀フランスの思想・風俗に興味のある俺には、たいへんに楽しめた。主人公である犯人さんの、本当に追い求めているものがなんであるかは、彼が最初に目覚めた「いい香り」のシーンで明々白々。

だが彼は、嗅覚の天才であるがゆえに、同時に、学がなかったゆえに、自分が求めてやまない「香り」の本当の姿を、映画の最後のシーンまで気がつかずに罪を重ねてしまう。

香水の街、グラース一番のブルジョワにして、一番の理性的インテリジェンスであるアラン・リックマン(ハリポタのスネイプ先生ね)だけが、無知蒙昧な民人(含む聖職者)が気がつかない、犯人像に気がつき、愛娘を守ろうとするのだが…

18世紀啓蒙時代における「知の貧富の格差」の中で生まれた、天才調香師になるべき男の葛藤、彼に与えられ、与えられなかった「愛」について、明確にテーゼされている。

彼は、求めていたものが「愛」だったことには気がついた。そしてそれを捨てた。この道程こそは、全ての人間が歩む道なのではなかったか。

しかし相変わらず、フランスが舞台の、仏独西合作映画にもかかわらず、フランス人が喋る言葉が、英語だ。まー、しゃーないけどさあ、いつも思うけどさあ、これが全編フランス語だったら、もっとよかったのにね。

犯人さんの香水の師匠となったダスティン・ホフマンは、そつなくよかったが、師匠も、グラースのインテリ、アラン・リックマンも、誰一人、犯人さんの心の深遠には触れられなかった。誰か、彼に、教え諭すことが出来ていたら…俺、最近、映画の感想が感傷的になっとるな。

「パフューム」は、映画の宣伝で、一番大事なクライマックスのネタばれをしたことで有名だった。残念な宣伝方法だった。集団全裸ハメハメなんか、映画史的にはたいして珍しくもないし、なにせ大事な作品テーマが怒涛のように表現されるシーンだったのに、公開前にそこをバラしてどうする!

(23)クリスティーン

クリスティーン コレクターズ・エディション [DVD]

真っ赤な自動車が人を襲う恐怖映画。公開当時(1983年)は、赤い車を見ると震え上がるほどトラウマ的恐怖感を持ったが、今見ると、人物描写の細やかさに目を見張った。ドラマ性が高い。

アメリカンクラシック・カーであるクリスティーンちゃんは、最近の言葉で表現すると「車萌え」か。女性の心を持った自動車で、壊れても壊れても、ニョキニョキ復活する子。人物描写も、車の特撮も音楽も含め、全編通して、「エロシチズム」に満ちている映画。

これは比較的古い映画だが、ひかりTVでは、ハイビジョン化されてあり、クリアーな画面になっていて圧巻。クリスティーンちゃんの赤いボデーのネチネチ感触まで伝わってくる。

自動車クリスティーンを衝動買いして以降、地味ないじめられっ子だった少年アーニーが、美形クールガイに変貌してゆく様も見事だ。

(24)容疑者

容疑者 デラックス版 [DVD]

ロバート・デ・ニーロ主演。地味なタイトルで、地味に見える映画だが、じっさい地味だ。地味であることは、映画にとってはよいことなのだ。

静かに静かに進行する悲劇。確かに確かに訴えられるテーマ。秀作だ。

(25)エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

エンパイア・オブ・ザ・ウルフ [DVD]

俺の貴重な余暇を返せ、略して、俺貴余映画(オレキヨえいが。いま作った映画用語)。俺の嫌いなフランス俳優、ジャン・レノが出てる。だが、ジャン・レノだからイケナイ、わけではない。

見始め2分でハズレ感。見続ければマシになるかもと、淡い期待を抱いて、我慢して30分見たが、ここに至ってまだ、主人公が誰なのか、どのキャラ目線で見ればいいのか、全く投入できず。フランス映画の悪いところを凝縮している。

ひかりTVのビデオざんまいプランは月額2625円

2500円の税込みで月額2625円なので、9月は、一本あたり100円を目指そうとしたんだ。26本見たかったが、残念ながら25本にとどまった。しかし、たくさん見られて、俺はシヤワセだ!

このように、ビデオオンデマンドで、見放題で、定額制だと、レンタル店より優れている点は、店でだったら、わざわざ借りて見ない作品を、2625円以内だからなあとチョイスし、「意外な秀作」に出会えることだ。

8月に見た中では、デミ・ムーアの「素顔のままで」、この記事9月では、「ナイン・シガレッツ」や「テイキング・ライブス」が意外な秀作にナイス出会いましたの好例だ。

「ネットで検索、DVD宅配、ポストへ返却」制だと、お店と同様に、「レンタル中につき借りられません」がある。また、ビデオオンデマンドであっても、アクトビラのようなペイパービューだと、作品単体でお金払うから、期待はずれ感も大きくなり、購入前の選択時に、ふるいにかけられた中に、「意外な秀作」が入ってしまうだろう。

映画大好き人間であり、安くたくさん見たい俺には、ひかりTVのビデオざんまいプランは、最適だったと言える。この内容で2625円は安いよ。ハイビジョン配信作品、多いしね。