新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

ひかりTVビデオざんまいプランで8月に見た映画一覧(25本)

7月に見た映画一覧 のつづき。

多いぞ!8月は多いぞ!見た順ぜんぶ。ネタばれは、したり、しなかったりしてます。

(1)フロントページ

フロント・ページ [DVD]

輪転機は回る、古き悪しき時代のアメリカの、マスゴミと腐敗官憲を、モーレツに揶揄したコメディ。

(2)ラストサマー

ラストサマー [DVD]

(3)ラストサマー2

ラストサマー2 [DVD]

ホラー映画の季節。「2」となると前作よりトーンダウンすることが多い中、まずまずよかったんではないかな。最後がどうなるか、序盤で読めすぎだったが。

政治学を学んでる、IQ高いはずの大学生が、ラジオ番組のクイズコーナーと名乗る電話に出て、「ブラジルの首都はどこ?」との問い。大学生の回答は、「リオデジャネイロ!」「おめでとう!南国旅行にご招待!」なシーンから始まる。

この時点で「ブラジルの首都はブラジリアやろ?この旅行、犯人の罠やろ?」と視聴者は気がつく。アメリカの大学生はブラジリアも知らんのか。地理・歴史にうといことでは世界一な、自称「世界のリーダー」な国だけはあるぜ!さすがアメリカ人、歪みねえ。

(4)ことの終わり

ことの終わり [DVD]

イギリスの青年作家が、友人の美人妻に懸想して、不倫の関係に。あとは、うろおぼえ。第二次大戦中と戦後の英国風俗の描写、人妻の服装の、色調控えめのあでやかさは、美しかったが。愛の行方がグダグダで、ちぃっとも心に響いてこなかった。

(5)テイラー・オブ・パナマ

テイラー・オブ・パナマ [DVD]

パナマ運河をめぐる政治陰謀。そんな陰謀ないの。ないけど、タイトルになってる「テイラー=仕立て屋」と、落ちぶれMI6が、無駄にエロい情事を常時やりながら、ありもしない陰謀に人々を巻き込みドタバタする、もの悲しいコメディ。おかしかったり、悲しかったり、右往左往する脚本。コメディに特化するか、人情劇に特化するか、どっちかにすれば、もっとよくなったろう。いまふたつ、詰めが甘い。

(6)ザ・インタープリター

ザ・インタープリター [DVD]

ニコール・キッドマンの美しさと、ショーン・ペンのエロ男前ぶりにホレボレしながら、アフリカの自由を希求する重いテーマが貫かれた、佳作。ニコールは、年齢相応に顔にしわをたたえながら、肌のもっちり感が、美麗さを際立たせている。

この映画のニコールを見て、アンチエイジング美容は、しわ対策より、しみ対策の方が重要だと思った俺は、化粧品を、しみ対策方面に軌道修正した。

(7)ワイルドシングス

ワイルドシングス エロティック・バージョン [DVD]

ケビン・ベーコンの渋い男前にメロメロな俺。小さな街で沸き起こった事件。裏がある裏があると、推理し続ける視聴者。ラスト、急展開のドンデン返しが、ぶっ続けでドンデンしまくる。ハァ、ドンデンドンデン。こりゃまたドンデン。オチが読めちゃうドンデンよ。

(8)ロリータ2004

ロリータ2004 APS-31[DVD]

7月に、スタンリー・キューブリック監督の「ロリータ」を見て、キューブリックの偉大さと、ナボコフの原作の異才さを再認識し感動したわけだが、8月の新着映画紹介で「ロリータ2004」とゆうのがあって、ナボコフの映画化の新しい方か?と思ってあらすじを読んだら、それだけでもう怒り心頭。

原作の「ロリータコンプレックス」テーマはどこへやら、親戚のみなしご女を引き取った叔父家庭が、女の呪術によって崩壊するお話しだと。どどど、これのどどど、どこが「ロリータ」なのやッ!

本編を見たら、ヒロインは20歳のエラのはったすごいブスで(女優さんごめんな。悪いのはキミの顔やなくてキャスティングした監督だ)、ロリータと銘打つ資格、ゼロパーセント。

ストーリーも設定も、整合性もわけわかめで、サスペンスとしても不出来。ラストは未消化。エロさもハンパ。Z級映画もたいがいにしろや。

しかしそんなことより。これ、原題にはロリータのロの字もないのな。単なるZ級エロ映画に、邦題で勝手にロリータと名付けただけなのな。ひでぇ。ナボコフが生きてたら、怒りのあまり、もう一回死ぬぞ!

(9)ルームメイト

ルームメイト [DVD]

俺、生きてる人間が一番怖い系のサスペンスが好き。オバケが悪者でしたーなホラーよりもね。ホラーは、主張に教訓があると好きだが。

さて、「ルームメイト」は有名な作品だが、初めてきちんと見た。

出だしからラストまで圧巻。ヒロインのアリーが、自分の巻いた種であるルームメイト、ヘディと、自分の力で闘おうとする姿勢が立派。梵天丸も、かくありたい。

しかし、失恋したぐらいで、寂しいからって、大家にナイショでルームメイト募集する神経がそもそもわからない。アリー、元はと言えばあんたが悪い。

旅行ですら、赤の他人と同行するツアーは嫌いな俺、ましてや、赤の他人をルームメイトに募集するなんざ、気が知れない。その赤の他人が、たまたま異常者だったからって、自室に住まわせた自分がそもそも悪いのだ。

募集されてやってきたヘディは、人間関係の距離感がわからない「距離梨」(2ch用語)なわけだが、己の寂しさを慰める為に、赤の他人をプライベートに招いた、主人公アリーも、別の意味で「距離梨」だったわけだ。

最後には、アリーは、自分の距離梨ぶりを反省し、同時に、ヘディと自分を闇雲に責めることもしなかった。成長したね、と思わせて収束するラストシーン。サイコスリラーの佳作。

(10)ゆりかごを揺らす手

ゆりかごを揺らす手 [DVD]

2chまとめサイトで、怖い映画だとお勧めされてた。映画は、何度か断片的に見た記憶があったが、改めて見た。こういう、生きてる人間が一番怖いわ!なテーマ、好きやなー。

「ルームメイト」同様、俺には理解できないアメリカ人の生活様式に突っ込み。「ゆりかごを揺らす手」のヒロインは、さして豪邸でもない家の専業主婦なのに、出産直後に庭に温室作りたいという理由で、住み込みの子守を雇う。

この時点で、マジありえんしー。庭に温室って趣味やし。赤の他人の子守を、夫と幼女と新生児の住む我が家に、一年も住み込みさせるってアンタ気は確かかと。バアさんならまだしも、自分と同じほどの年齢の美人やし。トラブル招くにきまっとるがな。心配にならんのか?

んで、その美人子守の正体は、ヒロインは知らんが、視聴者は知ってる状態でお話しは進行する。徐々に、美人子守の「色」に染められてゆくヒロイン家。序盤で、主婦が家庭の主導権を握っていた頃は、インテリアは、赤や黄色の暖色系だった。子供たちが、母親より子守になつくようになり、インテリアもだんだん、美人子守が好きな色、青色のものが増えてゆく。クライマックスの食卓は、敷物が真っ青だ。こうしたインテリアの変化が、家庭内で子守の存在感が増してゆくさまを表現する。かゆいところに手が届く演出とはこのこと!

サイコサスペンスの秀作なり。見れ。

(11)あの頃ペニー・レインと

あの頃ペニー・レインと/オリジナル・サウンドトラック

70年代アメリカ音楽と、若者群像を描いた青春映画。当時の風俗がよくわかる。切なくも淡い少年の恋模様もいいが、ミュージシャンは、この時代が、いっとうかっこよかったんだなあ…と、俺の感慨はそっちへ。

(12)ヒマラヤ杉に降る雪

ヒマラヤ杉に降る雪 [DVD]

第二次大戦下のアメリカ。日系人少女(工藤夕貴)と、白人の少年(イーサン・ホーク)は、出会い、惹かれ合う。裁判劇と主人公二人の回想で綴られる。俺がこの作品を見たのは敗戦日の8月15日。この日、見るに値する良作だった。

撮影に対する監督のこだわりが濃厚で、芸術性に富む。反戦意識は脚本に貫かれる。裁判の終盤、日系人の弁護士についた白人男性の弁論は、全人類に投げかけられた普遍的な問いだった。

(13)ゴシカ

ゴシカ [DVD]

前半はグダグダで寝そう。事件の原因がオバケじゃ、ラストも期待できんなー、オバケやろ?オバケー。と思っていたが、終盤になって、推理モノ的な展開が速くなり、冗長な前半でばら撒かれた伏線が全て回収された。脚本に感心した。撮影は荒いがな。なにせ、大事なシーンで、スタッフが映りこんでしまってるんだもの。さて、どこでしょう。

(14)素顔のままで

素顔のままで [DVD]

エラ張り魚類不美人のデミ・ムーアが公開当時、脱ぐために人体改造したと話題になった。デミ・ムーアって、自分が不美人だと思ってないのが痛い。不美人であることは、女優にとって、武器になりこそすれ、欠点にはならないのに。

例えば、ジョディ・フォスターは、自分が不美人なのをよくわかっており、適材適所な配役を買って出る。俺はジョディ・フォスターという女優は好きではないが、こういうところは、頭がいい人だと思う。デミ・ムーアは、勘違いして美人役しかやりたがらない。個性派に転じれば、もっと伸びる女優なのになあ。

そんなわけで、「あたしきれいでしょ!」なデミ臭がプンプンした公開当時、興味なくて見なかったが、ひかりTVの定額見放題だったので、見る機会を得て、よかった。存外に秀作だったのだ。良質なコメディなんだこれが。脚本がよい。演出も金かけて手間かけてて、よい。デミ・ムーアも、チャーミングで、魅力的だ。彼女を今作で、初めてカワイイと思った。

ただ、デミ・ムーアのビーチクは、俺の好みのビーチクではなかった。

怪談新耳袋シリーズ(短編集)

このTVシリーズ、短編は、あんまし怖くない。短すぎて、「この先どうなるんだ!」で終わるんだ毎回。怖さとは、理由付けがされ収束して、初めて、怖さが増すのだと、各話の未消化ぶりを見て、学んだ。その点、長編の方は、ドラマとしてはまあまあ。

(15)怪談新耳袋劇場版

短編を集めたオムニバス。その中の一編、「重いッ!」は、おふとんで寝ている井上晴美さんと息子の上に、オバケが乗るので、重いし、怖いです、とゆーだけの話しだが、オバケ役の北村一輝が、とても怖かった。北村一輝の存在自体が怖いんだ。

(16)怪談新耳袋劇場版 ノブヒロさん

怪談新耳袋 ノブヒロさん [DVD]

お話しとしてはまあまあ。短編と違い、ラストも収束を見ており、まとまりはいい。が、ヒロイン内山理名さんには、ただの変態犯人には勝ってほしかった。悲しい終わり方だ。映画のバッドエンドは好きな俺だが、ノブヒロさんのラストは、ヒロインがかわいそうすぎた。

(17)推定無罪

推定無罪 [DVD]

終盤まで、綿密に積み上げられる証拠と疑惑。ラストシーンが近づくとともに、「おかしいな?おかしいな?」と、視聴者の疑惑がふくらみ続け、謎が明らかになると…誰の心の中にもいる松田優作が叫ぶ。「なんじゃそりゃああああ!」

(18)ポルターガイスト

ポルターガイスト 特別版 [DVD]

スピルバーグの「ポルターガイスト」だじょー。懐かしいなあ〜と思い出しながら見た。地上波吹替え版では、霊能者のおばさん役が、堀絢子さんだったはず。

おうちをガタガタ騒がせるのがポルターガイストなわけだが、映画のこいつらは、ものすごく騒ぐ。騒ぎすぎ、わかり安すぎ。こんだけ騒がしい霊現象起こしてくれると、タタリもわかりやすくていいよなあ〜。

先日、「エクソシスト」を見た時にも感じたが、小学生だった公開当時は怖いばかりで心臓とまりそうだったが、今見ると、怖さはやわらぎ、家族愛の深さに興味がいくようになった。俺が、お母さん世代になったからだなあ。

(19)エクソシスト2

エクソシスト2 [DVD]

「2」と名の付く映画はことごとくコケるの代表例。前作の良さをひゃくぱー破壊。前作「エクソシスト」は、生活用品や雨等、情景描写を徹底的にリアリズムで映した。それによって、美しい日常が、悪魔に汚される事の恐ろしさが際立った。日常と非日常との対比。平穏な日常とは、神のお恵みなのだ。それを侵す者は悪魔なのだ。作品テーマである、神の尊さを、映画的描写力で、見事に浮き彫りにしたのが「エクソシスト」だった。

「2」はその真逆をやって、大失敗。なにを勘違いしたのか、「難解な絵作り=芸術的」をやっちゃったのな。エクソシズムの神秘性を表現するのに、ヘタに芸術性を追求しようとすんなよな。イミフ。意味不明。テーマ不在。そんなの、芸術じゃないやい。

なんかもー、俺の貴重な余暇を返せ感でいっぱい。リチャード・バートンのうまさを殺してる。ヒロインのリンダ・ブレアは、単なるふとっちょのアメリカ娘でしかなく、神秘性のカケラもない。監督の失態。

(20)ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス [DVD]

犯罪描写を、こんなに怖ろしいと思った映画は、そうない。なんだろう、この真に迫った映画作りは。こういう激暗、こういう丁寧な演出、大好きだ。タイトル通り、暴力の連鎖とそれに苦しむ人々を描く。被害者だけでなく、加害者の心理がメインテーマ。暴力はいけないことだと訴えるために、悲惨な犯罪を克明に描いて、成功した映画は、少ない。この映画は、稀有な成功例だ。

(21)フランティック

フランティック [DVD]

ハリソン・フォードって、大根じゃん。だから、あまり好きでない。ハリソン・フォード本人は、若い頃は、「おれも演技派になるんダ!」って張り切っていたようだが、中年以降、「おれには無理だ。」と、いい塩梅で、無理せんとこーと、諦めた様子。この映画は、そんな彼が、まだ張り切ってた頃の作品。

脚本、演出、撮影、ハリソン・フォード以外の役者の演技がとてもよかった。大根フォードの「頑張ってる感」が痛々しかった。下手だ。どうしようもなく下手だ。おまえは池部良かとゆーぐらい、フォードは伸びなかった子だ。

(22)スフィア

スフィア 特別版 [DVD]

タイトル「スフィア」は、球体という意味。SF映画。深海基地という閉鎖空間で、異星人に操られて疑心暗鬼になり殺し合う科学者たち、とゆう、「遊星よりの物体X」や「ミクロの決死圏」以来の古典的SFテーマ。

ああ、忘れていたが、主演は、ダスティン・ホフマンと、シャロン・ストーンだ。この豪華共演を、見た直後に忘れさせてくれたよ。彼らでなくてもよかったからナァ。金かけてるんだか、手ぇ抜いてるんだか、判然としない凡庸さ。

(23)時計じかけのオレンジスタンリー・キューブリック作品につき別記する、予定。)

エブリデー毎日、ビデオオンデマンドで映画を見ていると

こう連日、映画を見続けていると、見始めた5分ぐらいで、良作か駄作か、わかるようになってくる。ストーリーが始まる前から、えらそうなクレジットがえんえんと流れる映画は、たいがいつまらん。

本筋が始まっても、誰が主人公なのかわからんかったり、主人公に自分を投入(感情移入ではない)できなかったりすると、たいがい駄作だ。

また、見始めがよくても、後半グダグダになる映画も多い。「ゴシカ」は珍しくその反対で、見始めはグダグダだったが、後半盛り返した。

それにしても、ひかりTVで、ビデオオンデマンド漬けになって、映画をたくさん見られるようになって、たいへんに幸福だ。淀川長治さんの言葉を思い出す。

「映画は、娯楽ではありません。映画は勉強です。若い人たち、どうか映画をたくさんたくさん、見てください。
それでは皆さん、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。」