ひかりTVビデオざんまいプランで見た映画の感想文。2011年12月は18本!
(2)セブン(1995)米
説明するまでもありません。ブラッド・ピット演ずる若手刑事と、モーガン・フリーマン演ずる老刑事が、異常犯罪者と戦う、サイコ・サスペンスの金字塔です。俺は、場面もせりふも暗記してるほど、何回も見てきましたが、こういう、名作中の名作となると、何十回、何百回、見ても、おもしろい。一秒たりとて、飽きさせない。最初っから、ラストシーンのことば「後半部分には賛成だ。」まで、ドキドキしっぱなしでした。
俺は、本当に、ほんとうに、「セブン」のような、脚本大勝利、出演者の演技大勝利、撮影美術大勝利な、心理劇こそが、なによりもカニよりも、大好きです。
(3)The 4th Kind フォース・カインド(2009)米
いっぽうこちら。「実際に起きた事件をもとに、証言者の実在ビデオを交えながら、不可解な、無残な、とある事件に肉迫しますぅー。」といふ、いかにもな宣伝文句にのせられて、ワクワクで見始めたら、
最後には、アクオスにペットボトル投げつけそうになったわ!「人類 対 何か」ってゆう、キリスト教特有の平行思想で創作されている、くっそくだらない、キワモノ映画です。この怒りをどうしてくれようって感じです。俺貴余映画(おれきよえいが。俺の貴重な余暇を返せ映画の略)、ここに極まれり、です。
あのね。まずね。「実在の、事件の被害者が語る(本人)」と、わざわざ説明字幕つきで映し出された心理学者女性の顔がですね。特殊メイクバリバリなんですね。その上、素人さんじゃない臭も、バリバリなんですね。あーこの人劇団員でしょ?な、スタニスラフスキー・システム臭が、バリバリなんですよ。
そいでね。カウンセリングの様子をホームビデオで撮りました、これがその映像です、がね、患者が暴れだすんですがね、絶対、カメラの置いてある位置にはさわらないように、暴れてるんですよね。カメリハした臭が、バリバリなんですね。
つまり、「実際に起きた事件」など、なかったわけです。それだけならば、まだいいが(よくないが)、ノーム市という実在の行政名を出しておいて、集団ヒステリー症状のような病気が蔓延したと、大嘘こいた上で、その原因が、ハイ出ました、宇宙人さんの拉致だとゆーんですね。ハイ。
なにこれ。なにこのクソ映画。
宇宙人さんと、人類さんに対して、失礼です!!
参考リンク
上手い解説をありがとう記事。シュメール文明を本当に尊敬するなら、つまり人類の叡智を心底から信じるなら、出てこない発想ですもんね。宇宙人拉致説だなんて。
THE 4TH KIND フォース・カインド - Wikipedia
ノーム市さん、そりゃあんな内容を創作されたら、怒るわねwこの映画には、宇宙人さんサイドもクレームつけていいと思うよww僕たちそんな悪いことしませんって。
(6)パーフェクト・ワールド(1993)米
この監督作品なら、安心して期待できるのクリント・イーストウッド作品。このひとが作る映画は、尺が長いのが特徴なのだけど、無駄がいっこもないのね。長くても、退屈しないのね。そしてそしてね。切ないね。
(7)ソウ ザ・ファイナル(2010)米
何度もゆーが、「ソウ」シリーズは、第一作を、ネタバレなしで見た時の感動がだよ。何にも変えがたい、傑作サスペンスだったんだよ。
シリーズものになってからは、凋落の一途をたどったね。ファイナルも別にいらんって思った。「ソウ」はね、「ソウ」の第一作はね。あれは、あれだけで、
「パーフェクト」だったんだよ。
(9)アイ・アム・レジェンド(2007)米
このひと、中年になって、いいオトコになったなあ…ウィル・スミス。絶望的な孤独に耐え続け、なお人々を救おうとした彼の、偉業とはなんぞや?自己犠牲の精神ゆえ?それもある。それもあるが、やはり。彼の立場にもしも自分が立ったなら、彼のように、孤独に耐え続け、孤独と戦い続けることが出来るだろうかという命題である。孤独とは、我が敵、我が友、我が心。
(10)訣別の街(1996)米
老市長役の、アル・パチーノに、目が釘づけ。アル・パチーノ、彼が若い頃には、ぜんぜん好きじゃなかったのにさー。やっぱオトコは、いいオトコに老けると、いいオトコになんのねー。
(11)インベーション(2007)米
世界でいちばん美しい女優、ニコール・キッドマン主演。恋人役のダニエル・クレイグもイイ男で、眼福な一作。おそろしい事件の原因がなんであれ、恐怖と戦う人間心理を丹念に描いた、俺はこーゆー映画が好きだ。
ニコール・キッドマンは、なぜ美しいのか?と、この映画を眺めながら、考えた。顔の造作が、取り立てて輝かしいわけでもない。彼女の地毛は赤毛で、頭髪はブロンドに染めているが、この映画では、敢えて眉毛だけ、赤毛で残しており、その濃い眉が、細い目元を際立たせ、ニコールの魅力を引き出し、演技力も、服装も、振る舞いも、愛情も、何もかもが、彼女を「世界でいちばん美しい女優」にさせていた。
つまり、ニコール・キッドマンの美しさとは、彼女の、知性美そのものなのだ。きれいな女ってのは、賢い女だってことさ。
梵天丸も、かくありたい。
(12)ザ・セル2(2009)米
「ザ・セル」第一作はゴミだったが、「ザ・セル2」のほうが、だんぜんよかった、珍しい例。
「ザ・セル」第一作では、犯人さんのココロの中に入れる超能力者女性と、現場主義の実力派刑事さんとが、事件捜査のために、まったくぜんぜん、協力体制がとれていなかった。超能力者が、ココロの中に入った際の、背景美術にばかり手間をかけて、それがセンセーショナルでもなんでもなくて、前衛美術を見飽きてる者にとっては、二番煎じ三番煎じな、ちゃちな映像だった。ただそれだけの、おもしろくもなんともない映画だった。映画にとって、一番大事なもの(脚本)を見失っていた、それが「ザ・セル」第一作だった。
第二作にあたって、俺が不満に思っていた面が、すべてきれいに一掃されていた。超能力者女性と、現場主義の刑事さんとが、しっかりと協力し、ココロの中の戦いと、現実の事件現場での戦いとが、うまく噛み合ってストーリーが進行し、よい結末を迎えることが、出来ていた。
心象風景の特撮も、暗い廊下に点々と並べられるパソコンのモニタみたいなののタッチパネルみたいなの、だけに留まっており、わかりやすく、見やすかった。
ほんま、「前回の反省」が、こんなにも生かされて、成功した映画を見せてもらって、嬉しいな。
「反省」って大事なんだねっていう意味でも、教えてくれて、ありがとう。
(15)ブラッド・ワーク(2002)米
信頼と安定のクリント・イーストウッド監督。やはり尺が長めなんだけど、一秒も飽きなかったし、事件の真相、犯人さんの正体が、最後のほうになるまで、わからなかったし、だから、すっごく、ドキドキしたよ。
(16)NOEL(ノエル)(2004)米
クリスマス・イブの日の出来事を描いたお話しだったから、12/24の夜に見た。お部屋を暗くしてね、ベッドに横たわりながらね、うふうふしながら、見たよ。寒い日に、寒くなって、ときどき、あたたかくなって、また甘酸っぱくなる、ひとときだったね。メリー、クリスマス。
(17)ブリット(1968)米
スティーブ・マックイーン。惜しいひとが夭折するんだよな。生きていてくれたら、彼が老年の名優になっていてくれたらと、切に思うよ。
この映画は、アクション刑事ものなんだけれども、まったく「うるさくない」。ドンパチあり、カーチェイスあり、なんだけど、騒がしい音楽や効果音を、最低限度までおさえてあるから、非常に静謐なアクション映画という、稀有なものを見せてもらいました。ドンパチも、カーチェイスも、どれもドラマに必要だから、必要な分だけ撮影・編集してあったから、意義のあるドンパチとカーチェイスになってたんだな。不必要なドンパチとカーチェイスばっかの、「うるさいだけの」アクション映画にウンザリしていた貴兄に、これぞ正統派アクション映画だぜな、男くさい映画でした。
敵役で、我が愛しの、ロバート・ヴォーンが出てくるんだけど、ホント、いやなやつでしてね。ウットリしながら、おまえ、いやなやつやなーって。