ひかりTVビデオざんまいプランで見た映画などの感想文。2011年11月は29本!
(1)リボルバー(2005)英・仏
(5)マトリックス(1999)米
(6)あばしり一家 THE MOVIE(2009)日
これ見て、しばらくの間、俺内で永井豪ブームが沸き起こり、書棚から、永井豪マンガをかたはしから取り出して、読みふけった。
ちなみに、俺のおすすめ永井豪マンガは、「おいら女蛮」。
(7)最高の人生の見つけ方(2008)米
ジャック・ニコルソンは、すごい。なにがすごいって、病室の洗面台で、マウスウォッシュを、ぐいっとラッパ飲みして、グハッと吐いたからだ。そしてそのマウスウォッシュのブランドが、あの、くそまずい、青いリステリンだったからだ。
青いリステリンは、俺は一回、買ってみたが、あまりのまずさに、
(8)ココ・アヴァン・シャネル(2009)仏
この映画を、楽しみにして、映画館まで見に行った知人女性が、プンスカ怒っていた理由が、よっくわかった。
シャネルさんの、服飾に対する考え方を、描いているわけでもなく、シャネルさんの、激しい恋愛感情を、描いているわけでもなく、シャネルさんの、不遇の時代を、かわいそうに描いているわけでもなく。
なんか女の子が出てきて、かっこいい青年が出てきて、恋したみたいで、彼が死んじゃって、悲しんで、そんで、服飾事業は、なんか知らんうちに、成功したみたいだね。
って、そんだけの雰囲気を、作っただけの作品だった。シャネルさんに対して、失礼じゃろうが。
(9)ギャング・オブ・ニューヨーク(2002)米
(14)誰も知らない(2004)
衝撃作。1988年に、実際にあった、巣鴨子供置き去り事件をモチーフにした、あまりにも悲惨な…
…いや、調べてみたら、事実のほうが、悲惨だった。映画では事故死した、いちばん幼い妹は、実際には、長男のともだちに殺されたらしい。
「誰も知らない」というこの映画は、育児放棄した母親役を、あのYOUさんが演じた。彼女の、あの、あどけない喋り方が、ネグレクトする母親の、「こどものことなんかー、あたし、しーらないっと。」という、幼稚で愚かで身勝手な、精神のありかたを、見事に表現した。
対して、置き去りにされた長男は、ただただ押し黙り、弟と妹の世話をし続ける。演じた子役の、柳楽優弥(やぎらゆうや)さんは、第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、14歳という史上最年少で、最優秀主演男優賞を受賞したとのこと。
彼は、撮影に一年をかけたというこの映画の中で、「成長」していた。いいや、「歳をとっていた」。いいや…「老いていた」…。
(16)HAZARD/ハザード(2006)日
詩人であり、映画監督である、園子温(その・しおん)監督作品。オダギリジョー主演。俺内で、安心して視聴できる監督となった、園子温監督らしさ満載。ただ、やや、冗長。
冗長さが、同監督らしさであるとも言えるが、同監督作品としては、「エクステ」(栗山千明様主演)のほうが、俺は好きだ。「エクステ」は、映画のお作法であるところの、尺であるとか、起承転結であるとか、わかりさすさなどの、バランスがとれていて、楽しめる映画だった。
と、なると、散文詩的で、冗長であっても、園子温らしければエエ、と思うのかもしれない、同監督のファンにとっては、「エクステ」は、ただの和製ホラー映画に「成り下がった」作品であるのかもしれないが。
で、「HAZARD/ハザード」は、冗長すぎる「紀子の食卓」と、バランスよすぎる「エクステ」との、中間に位置しており、ま、なんにしても、趣向を凝らした、いい映画であった。
(17)わたし出すわ(2009)日
森田芳光監督作品。テーマはわかる。なにが言いたいかは、わかる。だが、うわすべりしている。失敗している。森田芳光らしくもない。ちょっちガッカリ。森田芳光らしい、風景描写は、森田芳光らしかった点が、救い。
(18)フリーダ(2002)米
フリーダ・カーロは、俺は画集を持っている。だが、実を言うと、画家としては、そんなに好きではない。いわゆる、女の「業」を、活写しすぎているからである。本当に上手な画家とは、そうした「業」などの、自己の渇望を、抑制した表現が出来るからである。
だがまあ、このひとの場合、こーゆー画風になったのも、仕方がない。なんでですか?と思ったあなたは、この映画をごらんなさい。
(19)21グラム(2003)米
「バベル」の監督作品ということで、これも安心して見ることができた。さすがの脚本手腕。
物語の時間軸が、最初から、最後まで、ごちゃまぜに進行する。映画の最初のほうで、「最後はこうなります」と見せてしまい、「どうしてこうなった?」の疑問が解決されるのが、映画の収束という、相当、腕に自信がなければ、作れない手法。それが成功している。さすが。
(21)トムとジェリー「チューバ吹き」(1932)米
ジョージ・スターリングスによる、アニメ作品。猫と鼠ではない。この後、「トムとジェリー」という、世界的大ヒット名作アニメ作品の、原形となった作品とのこと。この短編アニメに登場する、トムとジェリーは、人間の青年で、トムがノッポ、ジェリーがチビ助。
チューバ吹きさんが飼ってる、ウナギ犬の、胴体が、ソーセージのように、びよ〜んとのびるシーンや、卓越した音楽センスなど、感嘆させられた。貴重なフィルムだ。
(22)トムとジェリー「ピアノ調教師」(1933)米
ジョージ・スターリングスによる、アニメ作品。(21)に続き、同氏の、アニメーターとしての腕が、この初期作品から、冴え渡っていることが、ビシバシ伝わってくる秀作である。なにがすごいって、ブラック・ジョークの宝庫だからである。
(23)タワーリング・インフェルノ(1974)米
言わずと知れよう。名作である。でも、俺、これ見るの、何年ぶりかなー?HD画質になってて、感動、感動、再度感動、何度でも再感動。
民放の洋画劇場で、ロバート・ヴォーンの吹替が矢島正明さん版で見た記憶あり。字幕版で見るとまた感慨が変わる。防災教訓映画の金字塔。統括が消防隊長、現場判断最優先の体制を見よ。
愛しのロバート・ヴォーンが(以下ネタバレあり)
いちばん身勝手で、卑怯な奴のせいで、巻き添えで死んでしまうんだよなあ。矢島正明さん吹替版では「恥を知れ、恥を!」って言い、死んでいった。ううう…
これ、見てない子は、人生損してると言い切れる映画である。
(24)キリング・ミー・ソフトリー(2001)米
米製なんだけれど、舞台はロンドン。良質ぅ〜の、サスペンス。
主人公のアリスは、コンピューターソフト開発の会社に勤める女性で、金髪碧眼で、小顔で、まるっこいおめめで、それはもうチャーミング!そして、アリスの着ているキャリアファッションが、それはそれはかっこよくて、毎日、会社に行くんだけども、真冬なんだけども、あんたはどんだけコートとバッグと靴とインナーを持っておるのだと、目を見張るほどの、ハイファッションセンス。そんだけでも見る価値ありあり。物語はというと、見ごたえバンバンの大当たり。
この映画、ひかりTVビデオの「ジャンル」で探していると、
ビデオ→ジャンル→洋画→「サスペンス」ではなく、「Rシネマ」んとこに入ってるものだから、サスペンスが見たくてたまらない俺には、探し出すのに難儀した。
(27)本当は聞きたくない!山の怖い話 その一(2011)
その2もあったが、見る気にならなかった。ぜんぜん、怖くないし、おもしろくもない。
なぜか。オムニバス形式で、あたかも実際に起こった事件かのような見せ方で、ドラマを描いているのだが、どの短編も、クライマックスの
「キャー!怖い!どうなるの?助けてー!」ってとこで、終わってしまうからである。
怖い事件が起きて、その先、どうなったのか。助かったのか。殺されたのか。その事件を通して、主人公が、どう感じたのか。そこまでを描いて、物語を収束させて、はじめて、恐怖感というものが、成立するからである。
怖いよーコワイヨー、で、尻切れトンボで終わってしまったら、怖くもなんとも、ないのだ。
(28)それでも恋するバルセロナ(2008)米・スペイン
安心の、ウッディ・アレン監督作品。尺が短いのに、長く感じさせ、かつ、一瞬たりとて、退屈なんかさせない。
ペネロペ・クルスが登場するまでに、時間がかかったが、彼女が出てきたとたん、主人公だったはずのスカーレット・ヨハンソンが、劇中においても、映画においても、脇役になってしまう。そこも狙って作られているから、安心の監督作品なのだ。
(29)禅 ZEN(2008)日
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道元さん「あなたは、救われたい、救われたいと願いながら、自分からは、なにひとつ、捨てる勇気がないのだ!」
くわしくは、映画館で見たとき書いた、
→「禅 ZEN」感想文。俺は、悟れない。」をごらんください。