新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

ガラマニ日誌〔5〕03/05/22(木)「うちの猫ども」

うちには、2匹の、黒猫兄弟がいる。2001年7月20日生まれ、今年で2歳。近在の実母、アン(シャム猫)から、養子として譲り受けた。

兄は、名を スミ という。
真っ黒なので、墨のスミ。かなりでかく、抱くとズッシリ重い。か細く、あどけなかった子猫時代の面影は、もうなく、ブクブクに太った。

弟は、名を ホシ という。
黒猫であるが、古代エジプトの猫神像(ねこがみぞう)の座り方をすると、胸の中央に、一点の白い毛が光る。それが、あたかも、夜空に浮かぶ明星のようなので、星のホシ。体格はシャムの母親似で、スマートだ。

ネーミングは、ガラマニの父によるものである。兄弟とも、去勢をしているが、兄スミの声は太く低音で、ドスがきいている。弟ホシの声は甲高く、まだ少年のようだ。

以下の文中で、猫語の翻訳部分は、

スミ:堀 秀行さん
ホシ:山口勝平さん

の声で喋っていると想像してみたい。

ガラマニ宅では、猫は、家の外と中を、出入り自由の飼い方をしている。

この兄弟、性格が好対照である。

兄スミは、堅実。冷静に状況を把握し、行動する。動きにムダがない。帰宅した際、猫用出入り口が開いていれば、黙って入ってきて、寝たければ、黙ってベッドに行く。かと言って、無口なのではない。要求する際には、低音でよく鳴く。また、弟思いで、食事を与えると、黙々と食べているが、必ず、外出中の、弟の分を残しておく。弟と一緒に、一つの皿から食べる場合にも、弟に多く分け与える。

弟ホシは、帰宅すると、甲高い声で

ホシ「フルナーーーーーーッ(おう帰ったぜ!)」

と、己が存在を常にアピールする。網戸にのぼり、ブラインドにのぼり、カーテンを引き裂き、アピールする。新しいものには、すぐ興味を示し、手を出す。壊す。盗る。兄スミが残しておいてくれたドライフードを、ハンギャハンギャと喋りながら食べて、まだ足らないと、

ホシ「ナルーーッ、ナル!ナルナオン(魚は?おい魚はないのかよ!)」

などと叫ぶ。口内の天井が見えるほど、大きく口を開けて、叫ぶ。兄スミと一緒の時、魚を数匹与えると、ホシは、取られまい、と躍起になって、魚を皿から引きずり出して、これは、オレんだーッとばかりに、ガツガツ食べる。

そんなホシを、スミは、目を細めて愛情深く見つめる。

うちの猫ども、本当によく喋る猫どもだ。しかも、ニャンニャンとかミューミューとか、猫らしい発声もするが、同居人間に語りかける際の べしゃり は、まるで日本語のイントネーションだ。ほぼ、言っている内容が翻訳できる。

スミは、弟には優しいが、俺のことは、<下僕その2>くらいにしか思ってないので、一旦喋り出すと、言い方が、命令口調である。
※下僕その1は、ガラマニ父、その3は母である、と思われる。

布団に入った頃、俺の部屋の外、廊下から、ドア越しに、スミに呼ばれる。

スミ「ウルゴルア(ドアを開けろ)」

この男に、ドスのきいた低い声で、何度もこう言われると、行くしかない。寝たフリをすると、怒られる。

スミ「ウルゴルア!ナルァッ!ゴルーーーー(開けろと言うんだ!無視すんなコラ!)」

起き上がり、ドアを開けると、真っ黒な巨体が鎮座ましましている。眉間にシワをよせ、下僕その2を睨みつけるスミ様。

俺「なんですか…夜中ですが…もう寝るんですけど」

スミ「ウルナ。ハルナ、ウルナーッナルゴルヌン!(黙れ。お前、さっきまで起きてただろうが!)」

俺「スミもねんねしなさい」

スミ「ナーーーッ!ナル!ヌールルルナルーッ!ナル!(ふざけるな!オレは今から外出だ!このアホンダラ!出入り口が開いとらんだろ!出せ!)」

当家は、周りが野原なので、猫の一声で、家人が一階の窓の鍵を開け閉めして差し上げる。猫どもは、外で、思うさま、鳥やネズミを捕獲して遊び、寝る時は来客(人間)用座布団でお休みになり、ドライフード(ねこ元気 おととミックス)や、飛び魚や鯵等のお魚をお召し上がりになり、雨の日、帰宅されると、人間が、おみ足を拭いて差し上げ、毛が生え変わる時期には、ブラッシをかけて差し上げている。

スミ「ナルッ(出るっ)」

俺は仕方なく、猫用出入り口であるアルミサッシを、猫幅分(ねこはばぶん)、開けたままで、また布団に入ることにした。スミは出口が開かれたとたん、俺になんらねぎらいの言葉もかけず、無視して、夜陰に消えた。

数時間後。絹を裂くような声が…

ホシ「ニャヒーーーーーーーーーーーーーーッ!!(起きろーーーー!)」

ニャヒーッってあんた…。さっき、出入り口は、猫幅分、開けておいたから、弟ホシが帰宅したって、勝手に入って寝るなりなんなり、すればいいのに、ホシは必ず、自分の帰宅を出迎えろ、と要求するのだ。

ホシ「フルギャァーーーーーーーーーーーッ!!(皇太子ホシ様の帰還であーる!)」

仕方なく布団から出て、ホシ様のもとへ向かった。午前4時ですが。ホシ様。

俺「…なんですか…」

ホシ「キャルニーーーーー!ナルゥゥン!ナルキィィ!(帰ったのに飯がないやろ!飯!)」

スミを出した際、猫皿にキャットフードを入れたのだが、野良猫に食われてしまって、空だ。スミならば、必ず弟の分を残すので、全部食べたのは他の猫である。カラカラとドライフードを皿に入れると、ホシは、またハンガーハンガーと喋りながら食う。なんて落ち着きがないのだ。

食い終わると、次は「遊び相手をしろ」と要求されるので、ホシが食べてるのを放置して、寝た。

このように、ただでさえ夜行性の猫どもが、兄弟てんでバラバラな生活パターンをしている。寝る時間、出かける時間、食事の時間も別々。勿論、人間に合わせてくれたりしない。

今夜も、スミが何時に出かけてホシが何時に帰るのか、全く予測できない。兄弟寄り沿って眠っていることも多いし、ふたり並んで外出することもあるが、基本的に、猫同士は自主独立であるから、お互いの行動には不干渉である。

猫同士は、という点。つまり、スミとホシは長兄・次兄であっても、対等であるが、猫どもから見た俺たち人間は、

給仕係・室内トイレ掃除係・屋外トイレ耕し係(猫のためではなく、植物のために畑をおこしているのだが)・お遊び相手係・お添い寝係・マッサージ係・ドア開け閉め係・毛皮お手入れ係

でしかない。明らかに、うちの猫どもは、人間を臣下だと思っている。

だから、たまに、動物病院に連れて行こうとすると…

猫にしてみたら、

(臣下の分際で我等を拉致監禁するか!!おのれぃッ無礼な!この謀反人めらがぁッ!)

ということになるのであろう。次回、「うちの猫ども~動物病院編~」