ひかりTVビデオざんまいプランで見た映画一覧。2012年1月は24本!
先に、解説すべきことがある。この記事の内容は、あくまで「今年の1月に見た、映画一覧」である。
俺は、2012年1月、とうとう、ひかりTVビデオざんまいプランの、真のちから、底力、地獄、煉獄、なんと呼んでもさしつかえのない、天国、極楽、至福、そんな境地に、とうとう、達してしまった。
それは、なにか?別の記事に譲る。この記事では、今までどおり、一話完結の、劇映画を見た分だけ、リストアップするにとどめる。
(1)フラクチャー(2007)米
http://movie-fan.jp/2007/00000512.html
日本未公開、DVDもなし。こういう映画を見せてくれるのが、ビデオオンデマンドのよいところ。アンソニー・ホプキンス主演の、推理サスペンス。大好物っす。
(5)火宅の人(1986)日
フカギン。(注:フカギン:深作欣二監督のこと。ふかさくきんじ、が、ただしい読みかただが、愛称として省略形にすると、フカギン、と、にごる。俺が作った愛称。)
作家・檀一雄が主人公で、演じたのは緒形拳。実在の作家、檀一雄のホントーの娘さんであり女優の、檀ふみさんが、この映画では、檀一雄のお母さんの役を演じており、つまり、檀ふみさん本人からしてみたら、自分のお祖母さまの役を演じたわけだ。
(6)妹(1974)日
秋吉久美子たんの、かわゆさ全盛期の青春サスペンス。再生しはじめ、秋吉久美子たんが画面に登場した瞬間、「かっ
かわいぃいいぃいいいいいいー!!
と、叫んでしまったことは、無理もない。
(7)トゥルー・クライム(1999)米
信頼と安定の、クリント・イーストウッド監督作品。
同監督は、尺が長めなのが特徴だが、まったく飽きさせず、一瞬たりとて、見逃せない構成になっている。特に、監督として、成熟期に入っている1990年代以降の作品には、ハズレがない。
(11)陰獣(2008)仏
おフランスじんが、京都市を描くと、こうなります。異文化勘違いに、つっこみどころ満載。
ヒロインのマイコサンが住んでいる平屋建てのおうちが、けっこうな広さの、いい家なのにもかかわらず、バスルームも広くて、木目のいいお風呂なのにもかかわらず、そのお風呂の隣室が、けっこうな広さの洗面所なのにもかかわらず。
お風呂のバスタブの横に、真っ白な、最新日本製家電、ラ・洗濯機が置いてある!!スペースが許せば、そんなところに、洗濯機を置きたがらないのが、日本人だということが、ぜんぜんわかっていない、さすが、おフランスざんしょー!
(12)マイ・プライベート・アイダホ(1991)米
若くして亡くなった、リバー・フェニックスと、いまも第一級の俳優である、若き日の、おしゃかさま(注:おしゃかさま:キアヌ・リーブスのこと。俺の映画日記に、ひらがなで、おしゃかさま、と書いてあったら、それは、キアヌのことである。)が共演している、秀作。
リバー・フェニックス。かえずがえすも、惜しい俳優を亡くした。あんな死に方をするなんて…この映画をみると、生身のリバーの凋落が、そのまま描かれている気が、した。…かわいそうな、ことをした…
(13)マイケル・コリンズ(1996)米
ニール・ジョーダン監督。アイルランド闘争の活動家の半生を描いている。
マイケル・コリンズの盟友であり、ライバルであった人物を、アラン・リックマンが演じていて、俺はスネイプ先生(注:ハリー・ポッターシリーズでアラン・リックマンが演じた役名)目当てで見た。
(15)グレート・レース(1965)米
ハイビジョン版で見られて、よかったなあ。
俺はもちろん、のちに「刑事コロンボ」で、世界にその名をとどろかせることになる、ピーター・フォーク目当てで見たクチ。ナタリー・ウッドふくむ4名の主要登場人物のうちの一人が、ピーター・フォーク演じるワルモノの助手なのだが、誰よりも光っていたよコロンボ。
(16)蟹工船(2009)日
いわずと知れた、プロレタリア文学の傑作小説の、最新映画化。
プロレタリアートのことを、21世紀の現在、社畜と呼ぶが、俺も社畜のひとりだ。涙がとまらなかった。
うちの猫に似ている俳優、松田龍平さんの怪演もすばらしかったが、SABU監督がねらった、蟹工船=この世界の、閉塞感に、窒息した。また、嗚咽した。また、嘔吐した。また、唾棄した。蟹工船の鬼上司が、100%、俺の上司に見えた。
(18)身代金(1996)米
この映画は、初見ではない。俺がいっとう好きなジャンルである、サスペンスの、その中でも、特に俺が好きな映画なので、もう何回目かしら。場面のほとんどは記憶していたが、「セブン」もそうだが、ここまでの名作となると、何十回見ても、おもしろい。
ちなみに、俺の男性の好みとしては、この映画の犯人さんが、最高にセクシーである。
(19)パルメット(1998)米
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=84770
日本未公開、DVDもなし。で、サスペンスというふれこみで、楽しみにして見た。映画としては、まあまあ…かな。主人公を誘惑してくる熟れた女の、性的魅力は、ものすごかった。
(20)砂丘(1970)米
1970年前後に、世界的に大流行した思想。実存主義、反体制主義、ヒッピー、学生運動。これらに「泳ぐ」若者を、「静かに」描いている。この「静けさ」も、当時の映画の手法として大流行した。した、んだなー、と、懐古的にながめた。
(21)黒い家(2007)韓国
日本版「黒い家」森田芳光監督作品は、サスペンス映画の白眉である。
その韓国版リメイクということで、実はあんまし、みたい気はしなかった。なんの気なしに、再生してみたら、存外によかった。短い尺で、省略すべき点は省略し、韓国の社会文化に置きかえて、原作にないオリジナル脚色もくわえてあり、うつくしく、おそろしく、作ってあった。
(22)ちゃんと伝える(2009)日
俺の、映画チョイス場面において、監督名で、安心して選ぶことのできる監督として定着した、園子温監督作品。
同監督が、この映画以外に、どんな映画を作っているひとなのかを、知らないで見たひとは、これを、ハートフルな家族愛を描いた作品だと思うのかもしれないが、俺は「そのしおんらしさ」を見張っていたので、チャンと、「そのしおんらしさ」をみつけることができた。
(23)ディセント2(2009)英
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「2」とついてて、パート1が、ひかりTVビデオの目次に見つからなかったので、「2」から見たが、前編を見てなくても、じゅうぶんにシチュエーションは理解できるし、コワイし、なかなか楽しめた。とにかく俺は、こわくて、謎を解明することが必要で、映像美が際立った、そんな「サスペンス」が、見たいのだ。
「サスペンス」と「ホラー」とを、俺が仕分けしているポイント、
サスペンス=犯人が人間。
ホラー=犯人がオバケ。
でいうと、この映画は、後者になるのだが、で、俺は、前者をより好むわけだが、オバケが出てきても、「こわくて、謎を解明することが必要で、映像美が際立つ」この映画は、おもしろいと感じた。
(24)ストームゲート(2006)露
現代ロシア映画。しかも、チェチェン戦争がモチーフ。英語タイトル「ストームゲート」は、雷門の意。
全滅必至の最前線の、地獄の戦場を、当のロシアが製作したという。近年、ひかりTVで、たくさん見つけた、ロシア映画のものすごい出来のよさの中にあって、この映画が、ものすごくないはずがなかった。
しかし俺は、この映画を見つけて、すぐに、とびついて再生しはじめることは、しないでいた。なぜって?悲惨で、熾烈で、ひとが殺されて、ひとがひとを殺して、そういう現実を、まざまざと描くに決まっている、露助(注:ろすけ:日本人がロシア人を侮蔑する呼称)の、この映画を見るには、それ相当の、覚悟が必要だったからだ。
俺のおだやかな休日の午後だとか、明日は出勤の、寝る前の2時間しかない余暇だとかに、見るには、激しすぎる映画だと、見る前から、予見していたからだ。
そして、1月末のある晩、俺は、リアル仕事で、最悪な気分になっていた。憤った自分を、鎮める手段をみつけた。今夜しかない。「ストームゲート」を見る夜は!
この映画に対して、フツーの戦争映画を見る目で、例えば、兵士たちの、出征前の回想シーンがふるめかしいとか、戦闘シーンが、戦闘シーンの連続で、退屈するとか書いている映画評を、他サイトでみかけたが、俺はそんな気持ちには、さらさらなれなかった。そもそも、映画を見る目で、俺は見ていなかった。
「おそロシア」と揶揄されるロシアの軍隊で、死ぬとわかってて、少年兵が、前線で殺し合いを続けるすがたを、部下のために、いのちを捨てる上級中尉を、俺は、人間を見る目で、見ていた。戦争とはなにか、を、リアリティに徹して作り上げた、映画。
ハラショー。