新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

ひかりTVビデオざんまいプランで見た映画一覧。2012年8月は32本!

(1)ぼくのエリ/200歳の少女(2008)スウェーデン

ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]

主演の子役の、金髪の男の子。この子が、なにげに、天才子役なんである。ごくごく微妙な表情の変化で、そのシーンの状況説明や、映画全体のテーマの表現ができてしまう。名演技とは、このことだ。

スウェーデン製映画に、近年、力作の多いことも、ヨーロッパ映画好きの俺にとって、非常にうれしい。

(2)忍者武芸帳(1967)日

忍者武芸帳 [DVD]


大島渚監督作品。白土三平のマンガ原稿を、ヒトコマずつ、そのままスクリーンに大写しして、大島組の俳優たちが、ナレーションや、キャラクターのセリフを読み上げ演技するという、白土三平好きには、タマラナイ作品。

特に、声を大にして言いたいことがある。マンガの勉強してる人は、この映画は、必見だ。絶対に見れ。白土三平の、初期の絵を、ハイビジョン化できれいにしてくれており、お宅のテレビの画面=ひとコマで見られるのだ。鉛筆の下書き線まで、ありありと見えて、ペン入れの軌跡も美しい。絵が上手すぎて悶絶する!上手な絵とは、こういう絵を指すんである。

そしてさらに、声を大にして言いたい。聞け!「忍者武芸帳」、この、いわば動かないアニメの、声の出演は、大島組の、いつもの俳優たちが演じているんだが、皆さん、上手いわけだ!

結城重太郎は山本圭影丸戸浦六宏坂上主膳は佐藤慶明美小山明子、蛍火は松本典子、蔵六は小松方正、ナレーションは小沢昭一などなど。

新作外国アニメの吹替え版や、ジブリ作品などで、顔出し俳優が、にわかに、宣伝のために、声優やって、下手くそでゲンナリさせられる、ああゆうのとは、格が違う、格が。

演技が上手い役者は、声の演技も、上手いんだよ!

(3)薄化粧(1985)日

あの頃映画 「薄化粧」 [DVD]

ハイ来ました。緒形拳(48歳)主演です。おかず映画、来ました。エロトーク全開で行きます。

最高です!なにしろ、緒形拳(48歳)なだけでも、大好物なのに、この映画で緒形拳(48歳)は、女好きの、殺人犯人を演じるんです!女好きですから、当然、濡れ場だらけなんです!ぬればだらけ。なんという語感のよさでしょうかああああ!

カップリングは、

緒形拳×浅野温子

バックから突き上げます!温子ねえさんの、あえぎ顔がエロい!

緒形拳×藤真利子

真利子ねえさんが、これまた、いいオッパイしてるんですわー!正常位です!緒形拳のおしりも見えます!なんという、俺得映画!

緒形拳×松本伊代

からみはありませんが、あどけない伊代たんが、浴衣のすそをまくりあげ、ふとももあらわに、緒形拳(48歳)を、誘うシーンに、激萌えです!

さらに、さらに。逃亡犯の緒形拳(48歳)を、追いかける刑事の役が、川谷拓三なんですよ!拓ボンが、お巡りさんの役だなんてアンダンテ!

しかも、しかも。これ、実際にあった殺人事件をベースにして作られてるんですターイ!実録殺人事件もの!追う者、拓ボン!追われる者、緒形拳(48歳)!濡れ場満載!

ありがとうございました!

(4)沖縄やくざ戦争(1976)日

沖縄やくざ戦争 [DVD]

沖縄のひとに、お尋ねしたいんですけど、あの。

この映画の、文化考証、大丈夫でしたか?沖縄弁を、俳優たちに喋らせるのは、難解すぎるから回避して、標準語しゃべってるのは、マア仕方がないと思うんですね。

方言って、めさくさ難しいですからねえ。2011年の春、俺を熱狂させた、ひる13:30からの、東海テレビ製作の連ドラ「さくら心中」は、我がガラマニ県の高山市が舞台でしたが、マトモなガラマニ弁をしゃべることができたのは、地元出身の子役だけでしたもん。

ガラマニ県ガラマニ市出身の看護婦とゆー設定の、中澤裕子さんの言葉は、単なる疑似関西弁で、テレビの前の俺は、

「そんなんガラマニ弁とちがっとるにー。ほいでもさー、無理やて。無理無理。うちらの方言は、どえりゃーえれーでかんて。」

と突っ込んでましたから。

でも、「沖縄やくざ戦争」は、時代背景とか、沖縄の人の本土への感情とかを、緻密に描こうとした、いい作品だったと思うんですよ。意欲作でした。ただ、沖縄人ではない俺にも、随所に突っ込みどころ満載でもありました。

そこがイイ!のかもしれませんな!サニー千葉

(5)浪人街 RONINGAI(1990)日

浪人街 RONINGAI [DVD]

なんかもう最高。俺の好きなオットコマエ、石橋蓮司さんが演ずる侍が、ストイックでいて、それでいて、樋口可南子さん演ずる遊女に、真剣な熱愛をそそぐところなんかもー。もー。もー。

いいわー。いいわー。名優だらけだし、いいわー。長門裕之も出てくるし、あー、いいわー。

(6)夏の妹(1972)日

夏の妹 [DVD]

大島渚監督作品。ATG(アート・シアター・ギルド)最後の作品。俺、大島渚監督は大好きなの。

でもね。

いくら大島渚作品でも、この映画のヒロインの、

スータン。

スータンの、棒読み棒立ち棒演技には、いくらなんでも、堪忍袋の緒が切れそうになったわ。スータンさあ、スータンさあ…

なにが スータン だよ!

…スータン以外の全員は、いつもの大島組も、りりィさんも、すてきでした。スータン以外。ああっだめだっ!脳内を、スータンはね、スータンがさ、スータンだめじゃないか、スータンはいいんだもん、スータンスータンが、エンドレスリフレインリピートして、気が狂う。これが狙いか、大島渚

(7)半七捕物帖・三つの謎(1960)

半七捕物帖 三つの謎 [VHS]

半七捕物帖 三つの謎 [VHS]

ツイッターにて。どなたがツイートされたか忘却の彼方なんだが、TL(タイムライン)に、「半七捕物帖は、時代劇+ミステリーで、おもしろい。」とあり、心に残り、ひかりTVで探して、この映画を見て、あまりの見事さに、見終わり、アクオス前で、パンパンパンと拍手喝采した。

半七を演ずるは、片岡千恵蔵。三つの謎が、オムニバス形式で描かれ、最初の事件も、二つ目の事件も、ぜんぶがからんで、三つ目の謎が明かされ、ラストで収束している。登場人物も、みんなが笑顔で終わる。なんという見事な映画だろう。

若すぎて、誰だかわからないシリーズ。かろうじて俺が、顔を判別できた俳優さんは、鶴田浩二だけだった。

(8)トラック野郎 男一匹桃次郎(1977)日

トラック野郎 男一匹桃次郎 [DVD]

♪男の〜旅は〜ひとり旅〜(菅原文太)女の〜旅は〜帰り道〜(キンキン)

歌詞たぶん、これだったと思う。うろ覚え。

フグの肝を食べて、しびれて、アワふくシーンに大爆笑。いいなあ、この時代は。まだ、フグの肝が食べれたんだもんなあ。ベロがしびれる感じが、フグならではの美味さだったんだってなあ。いいなあ。

(9)異人たちとの夏(1988)日

あの頃映画 「異人たちとの夏」 [DVD]

風間杜夫主演。バブリーなインテリア、バブリーな服装、風俗描写がみもの。お盆に見るのにうってつけの映画でした。テーマは、お盆。でもないか?

(10)晴れ、ときどき殺人(1984)日

晴れ、ときどき殺人 デジタル・リマスター版 [DVD]

「♪は〜れ、ときどき〜キルミ〜 あなたとなら〜しんでもいいわ〜」の主題歌を、俺も1984年頃、くちずさんでいた。肝心の本編は、今回、初めて見た。

(11)切腹(1962)日

切腹 [DVD]

今月、見てきた中では、今んとこ、これがベストワン。橋本忍脚本、小林正樹監督。仲代達矢三国連太郎丹波哲郎岩下志麻、みんなすてき、素晴らしい。

日本最大の映画検索サイト、goo映画「切腹」の項

駄菓子菓子!俺がいちばん、おでれえたのは、小林昭二さんが、すげー若くて、役名は「井伊家使番B」ってゆう、端役も端役なんだけど、顔見たらすぐ、小林昭二だとわかって、これがオットコマエで、いい味出してんのな。

あと、何度も書くけど、佐藤慶もタイプなんよー!!若い頃から、老けてるね!

(12)じゃりン子チエ(1981)日

TV放送開始30周年記念 じゃりン子チエ SPECIAL BOX(セット数予定) [DVD]

じゃりン子チエ」アニメ化作品には、大別して三つある。

劇場版(1981)と、
続いて放映が開始された、連続テレビアニメ、全64話(1981)と、
「チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ」と題名された連続アニメ、全39話(1991)である。

じゃりン子チエ」のアニメについて、端的に評すると、テレビ版第1期こそが、至高のできばえである。高畑勲チーフディレクターで、リアリストの彼らしく、声優は、純粋な大阪弁が話せる役者でかためており、絵的表現は、原作マンガの技法を、背景画まで、完璧に再現する徹底ぶり。

ただし、同じ高畑勲監督作品であっても、劇場版は、声優だけが黒歴史だ。いわゆる、宣伝のためのタレント声優を使っているからだ。我が愛するマサル君の役が、よりによって、島田紳助だったりするからな。

それに比べて、いま見ているテレビアニメ版第1期の、マサル君を演じている子役、入江則正さん(入江則雅、入江雅則とも表記あり)さんは、小5(マサル君の役年齢)にしては、大人びた声色、大阪のそこらへんにいそうな少年らしさ、チエちゃんへの、屈折した恋愛感情を自分で処理できないでいる複雑な心理表現など、まあ、とにかく、イメージ通りで、完璧だ。

テレビ版第2期は、製作陣から、高畑勲が抜けたこともあり、第1期とは趣を異にする。

このたび、ひかりTVで、全話配信されているのは、第1期の全64話だ。「おにいさまへ…」を全話一気見した時とはちがい、今作は、俺は小学生の時分から、何度も何度も何度も見てきたから、連続視聴地獄には、さほど陥っていない。気になるエピソードをセレクトし、流しながら作業したりする視聴スタイルである。

主題歌も完璧だね。♪トラのフンドシ〜 ヒグマのパッチ〜 ムカデのハブラシ ぶらさげて〜♪

(13)ラスト・ブラッド(2008)香港・仏

ラスト・ブラッド [DVD]

小雪さん見たさで再生しはじめたが、ハズレ臭が、見る前からプンプンしていた。期待を裏切らない、ハズレだった。こ、小雪さん…あなたみたいな、美人が、CGで空飛んじゃダメ…もう少し、仕事選んで…、ね…。

マア、存外によかった点もある。1970年の日本が舞台なので、で、製作が香港とおフランスなので、美的センスは、そんなにハズレてはいないこと。背景デザイン班は、すごく頑張ったね。

それと、やたらめったら、チャンバラで人斬りをするんだが、噴出する赤い「血」を、赤い「サクマのドロップス」にしていたセンスも、ユニークであった。

(14)ベオウルフ/呪われし勇者(2007)米

ベオウルフ/呪われし勇者 劇場版(2枚組) [DVD]

6世紀、デンマークのおはなし。CG使えば、なんでもできますシリーズの、やりすぎ例。いいんだけどさあ、全編がCGアニメでも、別にそれはそれで、いんだけどさあ…。オバケとか、金色のドラゴンとかと戦う、アクションシーンは、「CGでなければ、こうは表現できまい」って、できばえになっているから、それは、それで、いい。うん。

…いいんだけどさあ…ただ、せっかくのアンソニー・ホプキンスたち名優の、微妙な表情をかもしだす「人間」の演技力を殺してまで、ぜんぶがぜんぶ、ヌルヌルした顔の「お人形さん」にしちゃっても、エエんかいなあ?その点は残念に感じた。女優さんの顔の「美しさ」も、シワもシミも塗りつぶして、ツルツルの、のっぺらぼうにして、それを「美しさ」とはいわないんじゃないかと、ね。

絵なら絵。実写なら実写。特撮なら特撮。実写かと思わせておいて実は特撮ですってゆー技法も、アリだと思う。この作品は、ストーリーは単純明快だし、前編CGアニメ、ならではの、痛快な娯楽作品でした。が、その技術力しか、心に残らない気がする。

(15)シンデレラ・ストーリー(2004)米

シンデレラ・ストーリー 特別版 [DVD]

文句ナッシング!痛快な、アメリカ〜ン・ドリーム・シネマ。おなじみ、シンデレラのお話しを、現代アメリカ〜ンに置きかえて、継母と、二人の義姉に迫害されている、高校生のブロンド少女が、努力のすえ、ドリームをカムにトゥルーする、まさにアメリカ〜ン!

(16)マルコヴィッチの穴(1999)米

マルコヴィッチの穴 DTSコレクターズエディション [DVD]

着想はユニークだが、不条理な題材を、あれもこれもと、つめこみすぎており、情報過多。

(17)ギター弾きの恋(1999)米

ギター弾きの恋 ―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]

ウッディ・アレン監督作品。主演のショーン・ペンの、男としては情けない姿。おしの少女の、力強い情愛が、対比的に描かれ、もの悲しい。

(18)ミシェル・ヴァイヨン(2003)仏

ミシェル・ヴァイヨン 激走 ! DTSスペシャル・エディション [DVD]

まるで子供向けアニメのように、わかりやすい、勧善懲悪レースもの。爽快です!それでいいんです!

(19)H 〜エイチ〜(2002)韓国

H [エイチ] 特別版 [DVD]

私事(わたくしごと)で恐縮ですが、これは俺のブログなので、オール私事なのですが、昨夜、見た夢が、そのまま、2時間サスペンス映画のようなストーリーで、俺の好きなジャンル、殺人事件ものの夢だったんですね。そのストーリーをここに書くのはやめておきますが、その流れで、殺人事件を題材にした、猟奇ドロドロの怖い映画が見たいと思い、この作品をチョイスした次第です。

たいへん、よかった。俺は韓国製映画を、特段、好んで見るほうではないので、俳優さんのお名前など、一人も知らないのですが、この作品のヒロインの女優さんは、徹頭徹尾、いい仕事をしていたし、他の俳優さんがたも、皆さんナイスキャスティング、ナイス役作り。脚本も、最後まで息をつかせず、グイグイひきこまれました。題名の「H 【エイチ】」は、ラストシーンで、ようやく意味が判明します。ネタばれは書きませんよ!

(20)この森で、天使はバスを降りた(1996)米

この森で、天使はバスを降りた [DVD]

ひかりTVビデオざんまいプランに、最近、新たな機能が加わった。「この映画を見た人の数」と、見た人たちによる評価が、「☆マーク5つ」が満点で、採点できるしくみだ。

この機能が付いたとき、俺は、たいそう不満だった。再生し終わると、「採点しませんか?」という画面が出て、黙って閉じるか、採点して閉じるか、いずれにしても、再生画面を終えるために、クリックが一回増えたからだ。一本でも多く見たい俺には、余計なクリックが増えたから、不快だった。

それと、おおぜいが再生したからといって、また、評価☆が多いからといって、この俺様が、その映画を気に入るとは、限らない。他人様の評価を見て、再生してみようか、どうしようかと、悩むスタンスは、この俺にはないのだぁーッ!

などと思っていた俺は、いま、「この森で、天使はバスを降りた」を見終わって、評価☆数の多さでチョイスしたことに、

大感動したのだ。

ひかりTVユーザーは、評価点に、辛い(からい)。実に辛い。きっとほかのユーザーさんも、俺のように、「この評価クリック画面うぜー!」と、☆をつけずに、閉じていたにちがいない。実際、ちまたで人気の、あまたある新作映画に対して、ひかりTVにおける☆は、いいほうで「☆3つと半分」。でなければ、採点しないで画面を閉じた状態の、「☆3つ」、ばかりだったからだ。

そんな中、この映画には、再生回数は多くないのに、「☆が4つ」、きらめいていた。「☆☆☆☆−」だ。当たりなのか?半信半疑で再生しはじめた…

絶賛する。手放しで絶賛する。1996年製?こんなタイトルの映画は、俺は知らなかった。どこに隠していた、こんな名作を!

そんなわけで、俺は、映画に対して点の辛い、映画マニアな、ひかりTVビデオざんまいユーザーさんたちの、評価☆数を、今後は、信頼しようと、そう思った。この映画のおかげだ!ユーザーの皆さんの、おかげだ!

(21)ローズウッド(1997)米

Rosewood [VHS] [Import]

このDVDジャケ写真は、米国版である。日本では劇場未公開、日本版DVDもみつからない。

1923年、アメリカ、フロリダ州の小さな町、ローズウッドで、実際に起きた、白人による、黒人大量虐殺事件を、映画化した、すごい作品である。事件の内容は、凄惨を極める。また、この史実が、歴史の表舞台にあらわされ、州議会から、謝罪の弁が声明されたのが、事件発生から70年後というから、おそろしい。

この映画を、一人でも多くのかたに見てほしいと、切に願う。そして、映画化してくれた製作者に、敬礼いたします。

(22)英国王のスピーチ(2010)英・豪

英国王のスピーチ スタンダード・エディション [DVD]

どもり、吃音に悩む英国の王様、ジョージ6世人間性を描く。見始め20分ぐらいまでは、「階級蔑視的でイヤだな。はずしたかな。見るのやめようかな。」と感じたが、オーストラリア出身の言語学者が登場し、自分の患者が国王と知りながら、徹頭徹尾、媚びない、ためぐち、ストレートな罵倒でつらぬき通す姿に、ニヤリとした。

ジョージ6世が、ヒトラーの映像を見て、「だが、演説がうまいな。」と、羨望のまなざしで見ていたシーンにも、ニヤリ。

そしてラストシーンになると、俺はニヤリをすっかり、やめており、素直に、「よかったね、王様。」と思った。

俺は、どちらかと言うと、壇上でスピーチするのが得意なほうだ。学校や会社で、即興でなんか言え、と、命令されて、ためらったことは、ない。だから、ジョージ6世の悩みに、映画の最初のほうでは、同情できなかったから、感情移入できなかったのだ。

(23)ガープの世界(1982)米

ガープの世界 [DVD]

タイトルは有名だ。知っていた。映画を見たのは初めて。

正直、あまり好きではない。ロビン・ウィリアムズのことを、好きにはなれない要因もあるが。滑稽なのか、非情なのか、どっちつかず。悲喜劇なのはわかるがね、子供が死ぬシーンを、フワ〜と流して済ますとか、残酷すぎやしないか。

(24)アナライズ・ユー(2002)米

アナライズ・ユー [DVD]

あまりいい印象を持てなかった(23)「ガープの世界」に続けて見たせいもあって、より、この映画が際立って良作に感じた。きちんと、丁寧に作りこまれたコメディだからだ。

ロバート・デ・ニーロがマフィアのボス。ムショから仮病を使って釈放され、働くフリをするために、マフィアを描いたテレビドラマの演技アドバイザーになったシーンで、「俺が知る限りじゃ、オーストラリアなまりでしゃべる、マフィアはいねえ」。今更ながら、「マフィア=イタリア系ギャング」だと、勉強になった。

(25)ニュー・ジャック・シティ(1991)米

ニュー・ジャック・シティ [DVD]

いっぽうこちらは、黒人麻薬売買組織のお話しであるが、敵対する「マフィア」が、やっぱりオール・イタリアンで、アメリカ合衆国における、人種の集まり方がよくわかる。

ウェズリー・スナイプスたちが着ているファッションが、いかにも1991年なので、懐かしかった。カンゴールの帽子とか、原色のジャケットにゴールドのアクセサリーを合わせたりとか。

映画として、視聴後感、たいへん満足である。登場人物が、かなり、相当、多いにも関わらず、それぞれに重要な役割が分担してあり、それぞれに重要な見せ場が用意してある。これだけの群像を描きながら、主人公ウェズリー・スナイプスが、確固として主人公の立ち位置に立ち続け、映画の冒頭から、最後まで、悲劇として統一性が保たれている。そして、尺が、長すぎもせず、短すぎもしない。

うまい映画とは、こういう映画を指すと思う。

(26)ビール・フェスタ 無修正版 一気飲み選手権(2006)米・豪

ビール・フェスタ 無修正版~世界対抗・一気飲み選手権 [DVD]

この映画、無修正版 の文字が付いてなかったら、再生しなかったと思うw

無修正版というふれこみに惹かれて、どこがどんなふうにヤバいのか、なにをそこまでして修正しなければアカンかったのかと、そーゆー興味で見たんだが、フツーに笑った。傑作な、コメディ映画だ。

で、なにが修正対象やったんや?

エロいシーンなんて、おっぱいが映るセックスのシーンだけだったし。そんなん、今月見た映画の中では、緒形拳の(3)薄化粧のほうが、ずっと多くてもっとエロかったけど、修正なんて入ってなかったし。

飲酒シーンがアカンとか言われたら、この映画で放送できるシーンあらせんし。いったい、ナニが、ドコが、修正されとったんか、それだけが謎だ。

(27)アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗(2007)米

アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗 [DVD]

戦時中のアメリカ。真珠湾の後、強制収容所に入れられた、日系アメリカ人の家族を、野球を通して描いた映画。実話がベースになっている。大学生と高校生の、二人の息子がいて、お父さんが、中村雅俊で、お母さんが、ジュディ・オング

静かに、ときに激しく、そしてまた優しく、反戦思想を描いていた。

(28)カンガルー・ジャック(2003)米

カンガルー・ジャック [DVD]

なにしろ、カンガルーがヤクザのカネを持って逃げてしまうんである。カンガルーがヤクザのカネを、って、カタカナ満載でキーボード打ってたら、思い出し笑いしたわ!

なにしろ、カンガルーがwヤクザのwwカネをwww いかん、映画のカンガルーの姿がケッサクすぎて、カンガルー と打ちこむだけでおもしろい!かっとびに、ハイスピードに、キックする、まさしく、カンガルー的な、爆笑ムービー!

(29)現代やくざ 人斬り与太(1972)日

現代やくざ 人斬り与太 [DVD]

フカギン、エーンド、菅原文太。1972年が「現在」の、川崎のヤクザ模様を描いているので、当時の風俗描写に、懐かしさを感じた。フカギンらしい美的演出が、この作品では、まだ粗削りだが、そこかしこに、キラリと光るフカギン節。

例えば、都会の暗がりで、ふたりが、それは男女であったり、男同士だったりするが、ふたりの顔が…遠くから照らされる、車のヘッドライトに反射して、また暗がりに入る。こうした綺麗な画面作りが、フカギンらしくて、俺は好きなんだなぁ。

今作の後、フカギン、エーンド、菅原文太たんは、かの「仁義なき戦い」シリーズで、長らくコンビを組んでいくことになる。

(30)ゲーム・オブ・デス(2010)米

ゲーム・オブ・デス スペシャル・プライス [DVD]

(25)「ニュー・ジャック・シティ」の、ウェズリー・スナイプス主演。いい歳のとりかたをしているなあ、彼って。

2000年代の映画に散見される、事件の終わりのシーンを先にもってきて、どうしてこうなったかを、主人公が回顧する手法。主人公が死んでないことが、あらかじめわかって見始める。しかし、ハラハラドキドキするし、わかりやすいし、視聴後には爽快感を残す。上手な映画。俺、こういうの好き。

(31)デイライト(1996)米

デイライト [DVD]

シルベスタ・スタローン主演の、パニック映画。これは何度か吹替え版で見たが、こういう、よく出来た映画は、何度見ても、感動する。

パニック映画の金字塔、「ポセイドン・アドベンチャー」と、「タワーリング・インフェルノ」と、この「デイライト」に共通している設定を見つけた。脱出途中で、みんなに惜しまれて、死んでしまうキャラクターが、高齢の女性だという点だ。

ポセイドン・アドベンチャー」では、海水にもぐって行かなければ、脱出できない場面で、太った愛嬌のいい高齢女性が、「わたしは水泳の選手だったのよ。大丈夫、泳げるわ。」と言い、泳ぎきって、息をひきとる。同作は、何十回見ても、俺はこのシーンで泣いてしまう。

タワーリング・インフェルノ」では、炎上する高層ビル最上階から、エレベーターで下に降りよう、もう少しで生還できるギリギリのところで、物語の重要な役を担ってきた高齢女性が、ひとり、落下し、死亡する。同作は、何十回見ても、俺はこのシーンで泣いてしまう。

そして「デイライト」では… どうしてこんな、いいご婦人が、どうして、どうしてー!!と、泣いた。

(32)ラスト3デイズ〜すべて彼女のために〜(2008)仏

ラスト3デイズ~すべて彼女のために~ [DVD]

フランス映画ばんざい。こういう、心理サスペンス映画が大好きで、しかもフランス映画好きの俺、大興奮必至の内容。期待を大幅に上回って、大満足であります。フランス映画ばんざい!

8月のラストを飾るに、ふさわしい映画をチョイスしました。トレビアン8月!ビバ8月!