新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

『絵画について』ディドロ著

本もけっこう読んでます。いま読んでるこの本は、胸がすくようなおもしろさ。

18世紀フランスのなんでも屋ドゥニ・ディドロは、俺の大好きな作家でして、日本国では、あまり知名度はありませんが、フランスでも知名度ありませんが、「名前はみんな知ってるけど、なにやった人なのかは、みんな知らない。」とは、パリで出会った現時人ガイドの言ですが、俺内ではスーパーウルトラ有名人です。『絵画について』は佐々木健一先生のナイスソウルフルな訳文、解説も親切設計で読みやすい。でも、ディドロとヨーロッパ思想史、美術史について、ある程度の知識がないと、分かりにくい本かもしれません。まー、この本読もうとするようなやつは、そっち方面に興味あるやつでしょうから、そんな心配はいらんか。

ディドロがなんでおもしろいかと言うと、このおっさん、気分屋なんです。筆がのってくると、どんどん脱線する。しかも、イヤイヤ書いてるときなんかは、心にもない戯言を書くから、後世の研究者泣かせ。「これはディドロの本心なのか、いや、誰かへのツラあてに、わざとひねくれて見せてるのか?」ってね。メインテーマからはずれて、急に愚痴を言い出すし。わけわからん比喩を持ち出すし。もしもディドロが、ブログ書いたら、非常におもしろいものになったろうなー。