【姫路旅行記その5】娯楽の殿堂、姫路
姫路城の周りには、愉快痛快娯楽施設が、かたまっている。のんびり歩いて、見て回って、まる一日でちょうどよい運動になり、何より眼福である。
黒田官兵衛さんちの旗、ゆかりの神社です。
姫路城西御屋敷跡庭園、好古園。
庭園自体は、新しい。季節の花々で埋まってゆくお庭。
姫路文学館。
常設展では、わが愛しの、阿部知二たんの書斎や資料があって、大感動。阿部知二たんは、シャーロック・ホームズなど、翻訳文学の金字塔なのだ。展示には、「白鯨」新刊帯付き本などがあって、まっこと素晴らしい。
特別企画展は、「忍たま乱太郎」尼子騒兵衛たん展だった。マンガ作品としての同作に興味のある俺は、尼子氏の原画が見たかった。アクリル絵の具使用とおぼしきカラー原稿が、まぶしかった。
「忍たま乱太郎」企画展は、2014年6月8日まで。
常設展は、印象画期のフランス絵画のいいのが、複数あってよかった。客は俺一人だったので、ソファに腰かけ、しばら〜く、眺めていた。
企画展は、「名画のあった場所」。注文製作された壁画などを、レプリカではなく本物を、わざわざ姫路まで運んで、現地の雰囲気を感じながら鑑賞するという、かなりめちゃな企画だ。よくこんなん、予算が通ったなと、感心した。作品が、でっかいんだから!
「名画のあった場所」企画展は、2014年6月1日まで。
あと、兵庫県立歴史博物館も行った。目玉は、「2014年NHK大河ドラマ 軍師官兵衛」展だ。これは、すごかった。圧巻だった。見てよかった。姫路に行ってこれ見て本当によかった。日本中の、黒田官兵衛関係の色んなアイテム、もちろん本物ばかりを、一同に展示しているのだ。
絵画、武具、刀などの本物も見事だったが、俺がいちばん興味をひかれたのは、官ちゃん本人による、お手紙である。お手紙は複数見ることができたので、官ちゃんの書く文字のくせ、文章表現のくせなどから、官ちゃんの人柄が、じわじわ伝わってきた。
黒田官兵衛の書く文字は、丸い。とても、とても、丸い。漢字の右下部が、大きくまぁるく、ふくらんでいる。
そして手紙文は、毎度、独特の書き出しで、始まっている。
「わざわざ、手紙で書き送ります。」である。
例えば、こんな感じ。
「わざわざ、手紙で書き送ります。僕はあなたに、木材を調達するよう、命じたはずです。まだ出来ていませんね?早くやりなさい。黒田官兵衛(花押)」
こわー。命令書だ。簡潔で、無駄がない。すごく人柄が出ている。並べて展示してあった秀吉の命令書が、長ったらしく仰々しい文章で、書き文字は意識して美麗にヒュッ、ヒュッと、筆を踊らせているのに比して、黒田官兵衛の書く手紙は、飾らず、飾る必要も感じさせず、それでいて、丸文字に、心根の優しさが、見つけられるような気がする。
「わざわざ、手紙で書き送ります。僕が病気になったので、お見舞いのお手紙を下さったのに、お返事遅くなってすみませんでした。薬湯を飲んだりして、だいぶよくなりました。黒田如水(花押)」
この黒田官兵衛企画展、俺の記事アップがのんびりしてて、2014年5月6日で終わってしまっていた。見に行った人は、ラッキーだったね!