新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

京都・奈良旅行記(6)ガラマニ唐招提寺でたそがれるの巻

予想外の文化財と出会った薬師寺から、てくてく歩いて唐招提寺へ。この写真が、二つのお寺を結ぶ道である。

手前のかどっこが、唐招提寺前の道路で、遠近法の道のどんづまりが、薬師寺である。西ノ京は、いい塩梅で田舎で、この道も、のどかに見える。ただ、やたらと車の交通量が多かった。頻繁に、ゴードドドと大型トラックが走ってくるのだ。これは、車がいなくなる瞬間を待って撮った一枚だ。
これが唐招提寺の入り口、南大門。

鑑真さまが開いた唐招提寺のメインであり、日本一大きな天平建築として、その名を轟かせる金堂は、現在、平成の大修理中。平成21年までかけてやる、大事業である。無計画が服を着て歩いているガラマニだが、これは事前に分かって行った。

切符売り場でおじさんが、拝観者一人一人に、ひじょうに丁寧に、「ただいま、金堂は見られませんが…」と説明している。俺の前に並んでいた外国人の夫婦は、英語で「なに?何が見れませんって?コンドー?オウ、げんざいキャンノット?」とかなんとか、プチ文句をたれていた。俺の番、おじさんはまた、「金堂は修理中でして…」と、すまなさそうに説明する。俺はニッコリ微笑み、「存じ上げております。」と答えた。
南大門を内側から見る。終わりかけの紅葉が、夕暮れ近い曇りの空に、シックに映える。

修理中の金堂は、こんなふうになっている。

すっぽり覆われたカバーの大きさからして、金堂のスケールも想像できよう。この内部にも入場できる。ガラス越しに、工事の様子が見えるようになっており、「完成予想図と解説」のビデオが、大型モニターで流されていた。俺はちょっとだけ、パイプ椅子に座ってビデオを見た。

おお、校倉造(あぜくらづくり)発見。宝蔵と経蔵だそうだ。

俺は今回始めて、薬師寺唐招提寺を拝観した。薬師寺は、庭木が少なく、開放的な景色。広く市民に写経を教えている施設などがあり、人の出入りが多く、賑やかだった。対して、ここ唐招提寺は、金堂が修理中なこともあってか、人が少なく、静かだ。まあ、俺が行った時間が、平日の閉門間際だったこともあろうが。そして樹木が多く、唐招提寺だけで、ひとつの森と呼んでも差し支えないほど、うっそうと茂っている。

手入れがゆきとどいた照葉樹、針葉樹。苔むして隆起する土。その中を縦横に走る石畳は、思索散策にもってこい。特筆すべきは、鳥が多いことだ。頭上の枝葉には、鳥の巣がたくさんあるらしく、ひっきりなしにギャアギャアピイピイ鳴いている。

広い境内の北東のはじっこの、鑑真和上御廟は、丸い池が囲むようにしてある。鑑真さまのお墓ね。池には、鴨の群れが滞在中で、クワクワ、クーワクワ、鳴いており、実にかわいらしい。ここで眠る、盲目の唐人、鑑真さまはさぞかし、鴨のクワクワに心安んじられておられることだろうなあ。

金堂の鴟尾(しび)はじめ、唐招提寺の宝物が収められた資料館、新宝蔵に入ると、入り口におじさんが座っており、拝観者は俺だけだった。おじさんは、相当にヒマだったらしく、

「どちらから来られたのですか。」

と話しかけてきた。

「ガラマニ県です。」

「ほう、ガラマニ県。あちらはもうずいぶんと、雪が積もっているのでしょうね。」

は、はい?…えーと(汗)。どうも、奈良の人は、斉藤道三の国・ガラマニ県のことを、正月の白川郷のカレンダー写真ような、統一イメージで見ているらしい。

「いえ、わたくしの住んでいる所は、まだ雪は降っておりませんわ。」

こう答えたら、意外そうな顔をされたよ。俺の住む、ガラマニ県の県庁所在地、ガラマニ市の気候は、奈良市とそう変わらないのだ。

参考:ガラマニ、白川郷へ行く
http://www11.ocn.ne.jp/~garamani/nissi28new.html

唐招提寺は、木々が暗いほどにおい茂り、気分が落ち着く所だ。俺はここが大好きになった。今日一日、早朝から奈良を駆け巡った俺は、すっかり陽が暮れるまでを、ここで過ごした。寺務所のみなさんが、わらぼうきを手に手に、歩みを早めている。

池のほとりに、わざともがずに、残してある蜜柑。ひっそりと演出しているとこがニクいね。

まだまだ続く奈良旅行記。明日、5日目は、ガラマニ未踏の名刹へ。以下次号。