新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

京都・奈良旅行記(7)ガラマニ女人高野に行くの巻

このたびの旅行の大きな目的は、奈良の中でも、行ったことのない所へ行くことだ。だから今回の旅程では、幾度も訪れている、飛鳥、新薬師寺春日大社などは、除外した。4日目に、未見だった薬師寺唐招提寺を見たので、ガラマニ未踏の地の、二ヶ所は制覇。

そして旅行も5日目。まる一日使えるのは、今日が最後。早起きして、一路目指すは、女人高野(にょにんこうや)こと、室生寺である。奈良県三重県の県境に近い、山間にあるこのお寺に、初めて行くのだ。楽しみ!

近鉄室生口大野駅に降り立つと、折悪しく雨ざあざあ。駅から室生寺までは、相当な距離の山道を行かねばならぬ。いっかな遠足好きの俺とて、この雨の中、車を使わずには行かれない。バス停で時刻表を見たら、ビックリするほど本数が少ない。こんなん待っとれるか。行き当たりバッタリドッキリコな旅で大事なことは、こうした場合に躊躇しないことである。とっとと、タクシー乗り場へ。

運転手さんは、そんな俺の事情を、説明せずともオールくんでくれて、道すがら、弁舌巧みに観光案内をしてくれた。室生寺に行く途中には、大野寺という、珍しいものを崇めるお寺がある。宇陀川の岸辺の、石灰岩に彫られた、弥勒仏さまだ。

細かい彫刻を写すのは無理だったので、風景が分かるよう、撮ってみた。高さ約14メートル、13世紀初頭頃に作られたそうだ。巨大な弥勒仏さまは、風景に溶け込み、優しくて威厳がある。タクシーは、俺の撮影中、道端で待機。

そして室生寺に到着。入り口である太鼓橋を渡ると表門、これは門から橋の方を見た風景。お寺の周囲には、このように一集落がある。

運転手さんは、俺の帰路も駅まで乗せたいので、拝観が終わるまで、運賃のみで待つと言う。渡りに船、「では1時間半ほど後に、ここに戻ります。」傘をさし、雨だれの中、憧れの女人高野へと足を踏み入れた。

巨木の青い苔と、朱に染まる葉。コントラストの美しいこと。

赤い仁王門。門の幅の狭さも、小柄な女を思わせてかわいらしい。

室生寺が、なぜ「女人高野」と呼ばれるかというと。同じ真言宗高野山が、明治期まで女人禁制だったのに対し、室生寺は、昔から女性の参拝を歓迎していたから。そんな室生寺ににつかわしく、切符売り場には、上品なご婦人がおられ、「よく降りますね。」と仰った。拝観者は俺のほかは数人。静かだ。雨の音だけが山に響く。

山の斜面に、いくつもの建物が点在する室生寺。こんな階段を、ずんずんのぼっていくのだぞ。ワクワクするじゃないか。実は俺は、階段マニアでもあるのだ。

 あぁ階段!

階段マニアとは、文字通り、階段を見ると、上ったり下りたりしたくなり、階段の絵や写真を見るだけで興奮するという、世にも愉快な病気である。エッシャーの騙し絵の、階段の有名なアレとか、もお、大好きなんである。そんな俺に、こんな光景はもお、たまらない。

 おぉ階段!

境内には国宝や重文の建物、中には仏様がいっぱい。金堂、弥勒堂、灌頂堂(本堂)などなど。

俺は仏閣の建築様式には明るくないが、室生寺のおみどはどれも、こじんまりとして、実用的だと思った。使い勝手がよさそうなのだ。

しかしなんと言っても、室生寺で感動したのは、安置されている仏像の、品のよさである。

本尊のお釈迦さまや、十一面観音さまの、やさしげな高潔さにも心うたれたが、俺が、あまりの美しさにウットリと見とれてしまったのは、本堂の横のほうにおられた、如意輪観音坐像である。一木造りで、お手手がたんとあって、片膝立ててお座りになっている、さして大きくない観音さまなのだが…ニョキニョキいっぱいある御手の、ニョキニョキさかげんの色っぽいこと!木彫とは思えない、肌のなめらかなこと!「うふ。」と吐息をもらしているかのような微笑みの、キュートなこと!上品な色気とは、まさにこのことだ。

仏様にお参りして、なお上へのびる階段を上がると、ほら!日本一ちっちゃな五重塔

確かに、小さい。高さ16メートル。と聞いてもピンと来ないよね。写真手前の、人間用の階段と比べてみてくりゃれ。この塔は、平成10年の台風7号の被害でひどく損壊し、修理された。室生寺公式サイトに、壊れた時の写真があるが、痛々しくて見てらんないよ。

http://www.murouji.or.jp/index.html

五重塔を通り過ぎると、ウワサに聞いた奥の院への道、ローングロング階段があるはず。タクシーの運転手さんが、「上にある奥の院までは、四百段以上の階段で、けっこうたいへんです。」と言っていた。フフン、けっこうたいへんですって。俺を誰だと思ってらっしゃるの。階段マニアですのよ!

階段マニアにとっては、見ただけで笑いがとまらないロングさ。登り口に、水で手と口を清めるアレがあり、そこに鏡がかけてあった。さすが女人高野、気がきいてます。身なりを整え、さあ、レッツ階段。傘を片手に、石段が濡れているので、すべらないよう慎重に登った。なので少々時間をかけたが、晴れてたら駆け上がれるぐらいだ。当社比。

階段のてっぺん、狭いスペースの奥の院に到着。小さなおみどがふたつ。重文の御影堂は工事中で、ブルーシートが広げてあり、これはもうひとつの、見晴らしのよいおみどの方。雨雲のため、残念ながら遠景は写らず。

しかしぃ、この小さな奥の院にも、室生寺グッズショップがあったのには、ちょっとビックリしたな。来た道をゆっくり戻り、仁王門前の、品数多いショップで、こんなグーなお守りを見つけ、即購入。

安眠健康お守りですって!睡眠マニアでもある俺に、ピッタシではないか。枕の色は、水色とピンクの二種あった。俺のベッドカバーは、オールピンクピンク地獄なので、もち、ピンクをセレクト。

長かった旅も、残すとこ、あと一ヶ所。近鉄室生口大野の、次の次の駅、あそこである。以下次号。

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