新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

京都・奈良旅行記(5)ガラマニ薬師寺で予想外の文化財に出会うの巻

斑鳩を後にしたバスは、途中、大和郡山市を通過。と分かったのは、車窓から、見覚えのあるお城が見えたからだ。「オォッ、あれは!日本史日誌さんの旅行記で見た、お城じゃマイカ!」

http://d.hatena.ne.jp/sanraku2/20060915/s1

郡山城跡(=大和郡山城)である。俺はバスから眺めるにとどまったが、事前に日本史日誌さんの写真を見ていたおかげで、とっても得した気分に。車窓からは、四角いため池のようなものも多く見え、よく見ると、落ち葉を散らしたように真っ赤な、金魚たんがウヨウヨいる。そう、大和郡山市では金魚の養殖が盛んなのだ。お池の水面をじっと見つめる、白黒ブチの猫ぬーも見えて、「おうおう、金魚を狙っとるのやな。」と、ウキウキする俺。

バスは薬師寺に到着。薬師寺と、この後向かう唐招提寺は、隣接してあり、目の前に近鉄西ノ京駅があるので、帰路は安心。日没まで、じっくり二つの寺を見よう。

薬師寺の南門。そびえるは、国宝の東塔(とうとう)だ。

薬師寺には二つの塔があり、西塔(さいとう)と、金堂と、大講堂は再建である。この東塔だけが、白鳳時代の現物だそうだ。

今日は朝から、こうした古いものを見慣れてきて、感覚がマヒしてきたが、よくよく考えてみた。幾多の戦火を逃れて、これら文化財が、創建当時のまま保存されていることは、まっこと奇跡である。その奇跡とは、人々のたゆまぬ努力によって為されたのだ。こうした文化財保護に、尽力されている方々は、まっこと尊い

本尊・薬師如来像がある、金堂。薬師如来さまのでっかさ、迫力に圧倒された。

その時。金堂の中にいた俺の耳に、外から、男の低い声で、

「♪エンヤ〜 オオ エンヤ〜 ナンダ〜 カンダ〜」

と歌い上げるのが聞こえてきた。「おうおう、あっちのおみどで、読経をなさっているのだね。」と、俺は思った。が、しかし…それは、薬師寺のお坊さんによる、お経などではなかったのだ…!!

金堂を出て北側に出た。俺は「読経」だと思った声のほうへ行ったのだ。薬師寺のお坊さんがおられるとばかり思った、そこは、大講堂という建物の前だった。

「あれ?お坊様ではない?ではこの声はいったい…ハッ。な…なんだ、あれは?!」

どこかの県の、高校の修学旅行じゃないか。よく見ると、整然と並んだ高校生の前で一人、ブンブン踊っている男子学生がいるのである!声のヌシはきゃつだったのだ!

「♪エンヤ〜 オオ エンヤ〜 われら〜 ○○高生〜 はえある〜 栄えある〜 オオオ〜」

踊って歌っているのは、応援団長らしい。紫の小旗を、ブンブンふり、見事な演舞を披露している。彼は、30年前の学生そのままのスタイル。金八と同じ黒い長髪、すその長い学ラン、極めつけは、素足に草履ばきである!

「♪エンヤ〜 オオ エンヤ〜 われら〜 いざゆかん〜 オウ!」

団長の号令一下、みんなが拳を上げて「オウ!」である。なんじゃこりゃ。

すげえおもしれーじゃんよ!

とにかく、「♪エンヤ〜」は、この学校の伝統儀式のようで、歌詞はよう聞き取れなんだが、お経と聞き違えるほど古文調。とにかく、この学校的に、薬師寺大講堂前で決起の儀式をする必要があったらしいんである。応援団長は、伝統的にこういう服装でなければいかんようで、彼は、儀式が終わると草履をぬぎ、普通のスニーカーに履き替えていた。俺はじめ観光客は、奈良のものすごい文化財である薬師寺にいて、「♪エンヤ〜」の応援団長にばかりシャッターを切っていたのだ。

玄奘三蔵伽藍より南方を臨む。二つの塔

んでもって、薬師寺の北側から道路に出て、唐招提寺を目指した俺だが、耳にはさっきの「♪エンヤ〜」がこびりつき、ダブルでエエもの見させてもらって感激状態だった。

あのな。さっきのキミらな。大講堂に入って、キャアキャア喜んどったがな。あのな。

キミら自身がものすごい文化財だ。まっこと尊い!以下次号。