新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

匿名だろうと実名だろうと自分でウェブ上に公開したんでしょう

何年か前。勤務先での出来事。俺ことガラマニは、新入りのバイトさんに、仕事を教える任にありました。パソコンを使う仕事で、職場にはインターネット環境がありました。

ハタチ代前半の女の子が入ってきて、スキルを尋ねると、自分のホームページを持ってると言いました。ならば、ウィンドウズの基本的な操作はできるのねと思い、俺は仕事の説明をしていました。

彼女は、スター・ウォーズのジャバ・ザ・ハットにそっくりだったので、ここでは、ジャバ子さんと呼ぶことにします。

後日、出勤すると、職場には、先輩である男性と女性がおり、ジャバ子さんの噂をしていました。

女性「あ、ガラマニさん…ジャバ子さんのホームページって、見せてもらった?」

俺「いいえ、見ておりません。サイト持ちだとは聞きました。」

男性「すげーよ、アレ。(ニタニタ笑い)」

俺「おもしろいサイトなんですか?」

女性「…ってゆーか…(困惑顔)。ガラマニさん、ちょっとあっちへ。」

男性のいない部屋に移動

女性「あのね…ジャバ子さんが、これあたしのホームページなんですぅって、みんなに見せたのが…脱いでるのよ。」

俺「ハァ?アダルトサイトですか?」

女性「セミヌードで、顔は隠してるんだけどね。確かに、ジャバ子さんの写真だったの。あたし、パッと見、気持ち悪くなって、席はずしたぐらいの内容。男の人たちは、すげーすげーって騒いでたけど…どう思う?」

俺「ジャバ子さんがアホですね。男性陣の反応はもっともです。サイトで顔隠してたって、勤務先でバラしてたら同じです。」

女性「そうよね…ウチの会社、顧客情報がなにより大事だし、そういうこと簡単に喋っちゃうようでは、困るわ。」

俺「ジャバ子さんには、あたくしから、注意します。とは言え、自サイトをバラした後じゃあ、社内的には後の祭りでしょうね。」

女性「ガラマニさんは、ジャバ子さんがホームページやってるって聞いて、見せてくれとは言わなかったの。どうして?」

俺「匿名でやってるはずのサイトを、見せろとは要求しませんよ。あたくしが彼女から聞きたかったのは、どの程度パソコンが使えるのかという点だけですもの。」

ジャバ子さんを呼び出し、俺は、脱いでる自サイト、バイト先でバラしちゃぁ〜いけねぇよ〜的に、諭そうとしました。ところが、ジャバ子さんは、ガラマニさんや悩み事を聞いてくれと言います。

ジャバ子「男性社員さんが、携帯にメールしてくるんですぅ。」

さっき(ニタニタ笑い)してた男性だね。バイトさんの携帯アドレスは、連絡のために全員、入社時に教えてもらってます。

ジャバ子「食事に行こうって言われたんですぅ。」

俺「それが?」

ジャバ子「あたし、イヤなんですぅ。」

俺「丁重にお断りすればいいじゃない。」

ジャバ子さんから詳しいことを聞いても、好意を持ったからデートしようと誘ってるだけのことで、男性の行動が、特に非難にあたるとは思えませんでした。しかしジャバ子さんは、被害者意識全開です。

俺は、そりゃアンタ新入り女子がいきなりハダカ写真見せたら、簡単にヤラせると思われても仕方ねぇだろうがよと言いたいのをぐっとのみ込み、

俺「みんなに見せたサイトね。あれは、なるべく早く、移転した方がいいよ。」

と、言いました。その日のうちに、ジャバ子さんは、男性社員が不愉快だからという理由で、辞めて下さいました。

さて、ジャバ子さんとは、以前書いた「ガラマニ日誌25 あなたの趣味は?」 で少しふれた、バイト先で自サイトを見せびらかす子のことです。

最近、ウェブ上に自分で公開した内容がもとになり、リアル生活に破綻をきたすニュースを見ていて、この過去日誌の、黄色い枠で囲った部分「重要な余談」に書いた重要性を思い出しております。その部分を、まるっとここに転載します。

ホームページを作ってるは、上記定義で言えば、「世間体のいい趣味」の範疇に入るが、俺は、サイト作ってますとは、会社の人間には、言わないですね。だって、ウェブに疎い子が「わぁ、見せてー」って言ってくるでしょ。それで、教えないと「ケチぃ」って言いふらされるからさ、最初っから言いません。

アニメのエロだから恥ずかしいとかでは、ないのだ。

俺は、私的空間と公的時間とに、キッチリけじめをつけたい者であるから、好きで知り合ったのではない、仕事上の付き合いの、毎日、会社で長時間、否応なく顔を突き合わせなくてはならない人種に、俺の部屋=「ガラ好き」にまで、入って来てほしくないのである。インターネットとは、匿名性の世界であるからこそ、面白いのだ。

会社で、俺を「気に入らない」と思っているにーちゃんの、家のPCの「お気に入り」に、「ガラ好き」が入っているかもしれない。それが俺だとは、知らない方が、お互いのためだ。

社会的な自分と、私的な自分を混同させ、周囲の人間関係を、そのまま自サイトに入らせて、いざこざが起きる事例が、昨今多いと聞く。さして親しくもない、リアル他人がHP持ってると聞けば、「見せて、教えてぇー。イヤ?なんでなんでー?」と騒ぐ子、

また、「これぇー、あたしのサイトなんですぅー」と、バイト先なんかで、簡単に見せびらかしてしまう子は、ウェブの醍醐味も、また、恐ろしさをも、知らないのだろう。
彼女たちは、簡単日記サイトに、クソ面白くもない日記を書き、そこへどんどん、リアル友達を呼び込む。すると、どうなるか?

プライベートが、どこにも無くなるのだ。

精神保護のためのペルソナが、失われるのだ。

日記サイトに書いた事を、会社や学校で噂される。

噂された愚痴を、サイトに書くと、掲示板を荒らされる。

荒らされた事を、また会社や学校で言いふらされ、いじめられる。

だから、日記に何も書けなくなる。するとまた、弱虫と罵られて…

…なんのための、日記サイトだったのか?

こういう事例、社会性の身についていない世代の女子に多いと聞く。そう、佐世保の事件が最たる悲劇である。2ちゃん用語の「氏ね」を実行に移した犯人は異常だが、自分のサイトに、学校友達を招いて、ウェブとリアルの境界線が喪失する悲劇は、なお世の中に多いだろう。

ハンドルネームは、なんのために発生した慣習か、よく考えてみてほしい。自分のサイトとは、机の引き出しの、MYノートではないのだ。

パスワード制、会員制ならば、仲良し同士の連絡ノート機能は果たすだろうが、後先を考えずに、公開スペースに、リアルな関係を持ち込んでしまうと、対人上危険であり、つまらない内容しか書けなくなるという、創作上の危険を孕むのだ。

ガラマニが、当サイトにお招きしているリアル友人は、こういった、ウェブ界の常識に明るい人だけである。

ウェブサイトは、個人が平易に作れるが、公共放送と同じか、場合によってはもっと強力な、情報公開作用を持つ、媒体である。個人情報保護と同様、この、ウェブ界とリアルの境界線引きは、楽しいウェブライフ維持のため、非常に重要であると考えている。

「ガラマニ日誌25 あなたの趣味は?」より

これは、2004年9月20日に書いた文ですが、現在も自分の考えはそんなに変わっておりませんし、mixi実名がらみの事件を見ていると、これに書いたのと同じ感想を持ちますね。

参考:J-CAST ニュース:「中学生と性交渉」告白大学生 内定取り消し、退学の危機