新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

第37話 こんな孫平次が見たかった

孫平次。まごへいじ。中村一氏さんのミドルネーム。中村孫平次一氏さん。
そもそも俺は、歴史上の人物としては、中村一氏をよく知らず、このドラマ「功名が辻」で、詳細を知りました。彼に興味を持った理由は、演じているのが、ロンドンブーツの田村淳さんだからです。と、言って、俺は芸能人・ロンブー田村さんのことを、格別に好きだったわけでも、ないんです。俺が中村@田村に、激しく惹かれたのは、昨年の「功名が辻」キャスティング発表会において、田村淳さんが、こう語ったからです。
彼は、大の日本史好き、殊に城郭マニアで、NHK大河ドラマが大好きだというのです。大好きなNHK大河ドラマに、出演出来るだなんて、夢のようだと、こう言うのです。ね。ねえ、ねえ、皆さん。キャスティング発表会でさ、こういうことを言う役者さんは、多いですよ。そりゃあ、大河に出れば名誉だし、自分が出演「させてもらう」番組の記者発表会で、嬉しくないと、言う人は、いませんよ。
でもね。発表会で、インタビューに答える田村さんの、顔をね、俺は、週刊誌のグラビアで、見たんですよ。満面の笑み。心から、ああ、本当に嬉しい!と微笑む、田村さんを見て、俺ァ、自分のことのように嬉しく思ったんです。この笑顔は、本物だと分かったんです。ああ、この人は、本当に大河が好きなんだって!その瞬間、俺は、田村淳という芸能人が大好きになってしまい、本編で、彼が演ずる中村さんが活躍すると、「いいぞ!」とこぶし握りしめて興奮するようになったんです。
そんな俺にとり、今日の放送は、よかった!脚本が上手い。おおぜいの登場人物を上手く配し、それぞれに見せ場を充分に持たせてくれました。加えて、今回の演出、舞台効果もよかった。光陰や小物の使い方、カメラワークに工夫が見られました。
秀次の立場がワヤになってゆく過程で、孫平次こと中村一氏さんが、切れ者であることが十二分に表現されて、俺ぁ、溜飲が下がりましたね。柔和な堀尾さんも、バカ一徹の一豊も、それぞれに苦悩し、それぞれにちゃんと「賢い」のだけれど、孫平次は違うの。彼は、怜悧に状況を見て行動してる。秀吉が死ねば、秀次のお守り役の我らも大丈夫になるのになあと言う。その発言を責める、正義感一豊に一喝。
孫「きれいごとをゆうとる時ではない!」
こう言う彼が、「冷たい」のかといえば、そうではないんですね。孫平次は、行動・言動ともに「賢い」のですが、心根では、一豊に同感しているのです。主君・秀次が廃されることにも、秀吉が老いていくことにも、彼は一豊と同じように、心を痛めているんだよな。だけど、そうした素振りを見せない。一豊にすら見せない。切れ者」と呼ばれる、中村一氏のような男が、内心ではいかに苦しんでいるかを、演技で感じさせる田村淳氏は、本当に素晴らしいと思う。
孫「あほう!そちたちは、太閤殿下の恐ろしさを知らんのだ。」
秀次の若い側近どもが謀反を企て、ますます秀次の旗色が悪くなると、山内夫妻は、秀次に会って慰めたり、秀吉夫妻に会ってとりなしを頼んだりという、表立った行動ばかりします。だけれども、「切れ者中村一氏は、違いました。
秀吉の前に連行された、秀次の側近の父。まだ謀反の証拠はあがってません。しかし秀吉は、襖の向こうにおる、ある部下の名を呼びました。
猿「孫平次!」
孫「ハッ!」
このシーンが、めさくさ興奮した!感動した!田村淳氏の発声の、凛々しいこと!スッと襖を開けた、孫平次の胸元には、謀反の証拠品、連判状が入ってます!うわ、もう、めさくさかっこいい!最後に、秀吉に「秀次を連れて来るよう、山内一豊に伝えよ。出来なくば、山内家も…」とすごまれた時の、苦汁に耐える顔にも、心うたれました。中村一氏さんを好きになって、今日までドラマ見てきて、よかったと思えた本日の放送でした。
【他、感心ポイント箇条書き】

  • 淀君役の永作博美さんの演技力は、ただものではない。「悪巧みをしている顔」を「見せない演技」をしている「淀君の演技」をしている永作博美状態。
  • 秀次役の成宮寛貴さんは、愚者の狂う様を非常に上手く演じている。本当の愚者に見える。悪人ではないこと、賢くないことが、愚かなのかと。自分の愚かしさを自覚するも、どうしていいのか分からない、秀次の苦しみを。
  • 俺が、戦国武将で一番好きなのは、実は石田三成。でも、「功名が辻」の石田三成は、あんまり好みじゃないんだなあ。中村橋之助さんは、いい役者さんなんだけど、俺のイメージの石田ジブじゃないの。もう少し細面で、狐目で、曲者のイメージが強い、俺の脳内石田三成
  • 全国の六平太ファンのおともだちが、一様に突っ込んだであらう。山内夫妻のお部屋の、天井裏に六平太。あんた今はどこの間者でもないんだからさ、フツーに玄関から入ってお話しすればいいぢゃん!あ、そうか。千代をビックリさせたいって魂胆か。ついでに一豊もビビらせてやれキヒヒみたいな。愉快すぎ。六平太最高。