新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

第26話 演技に魂をこめろ!

本日の「功名が辻」について、ネット界の感想文作者さんは、どんなことを書かれるのでしょう。武田鉄矢氏演ずる五藤吉兵衛の散り様や、細川ふみえさんの涙誘う好演や、動揺する山内一豊の優しさや、ラストで千代が号泣したときに自分も号泣したと…そうした、メインキャラクターの演技や、脚本の内容に対して、言及なさるのだろうなあと、思います。

俺は、吉兵衛逝くという、この感動的な回にあたり、強く、本気で、怒った点について論じようと思います。出演者の中に、一人、演技に、魂が、まったくこもってない者が、おりました。俺は、その役者さんが画面に映った瞬間に、なんだその、たるんだ演技は!とショックを受けたのです。

山内軍、城攻め。高き石塀をよじ登り、敵陣に乗り込まんとする、一豊、吉兵衛たち。山内軍を迎え撃つ、敵陣に、その、たるんだ演技者が、おりました。石塀の上から、石を投げ落とし、一豊たちを登らせまいと防戦している、エキストラさんの一人です。城攻めシーンが映った最初のカットで、画面中央よりやや右、塀のはじにしゃがんで、手にした直径20センチぐらいの石を、下へと投げ落としている、顔が少しふっくらした、鎧姿の青年です。(お名前が確認出来ず、申し訳ありません。しかし、俺は、彼をしっかと見ておりましたとも。)

この人は、まるで、公園の池の鯉にエサやってるみたいな、ダラダラした動作でした。敵兵の頭上に、硬い、重い石をぶつけて、我が城を、君主を、守らんとする雑兵の感情の、ひとかけらも、感じられない。命がけで闘ってる男の美の、片鱗だにない。彼の表情は、休日の公園で求職活動について考えているにいちゃんみたいでした。合戦中ですよ?刺すか、刺されるかの戦争中ですよ?防戦一方だって、どこから敵の矢が飛んでくるか分からない、背後から突き落とされるかも分からない。戦場とは、そうしたものでしょう。しかも今回は、激戦の最中、ヒーローの家臣が、討ち死にするという、大事な合戦シーンです。吉兵衛が殺された戦場が、いかに凄惨なものであったのかを、きちんと描くことが要求されるのです。その大事なシーンに、ただの一人とて、演技に魂がこもっていない役者がいたら、興ざめするのです。一瞬しか映らないエキストラだからって、

だからって、どうして、演技に魂を、こめなくていい理由なんかないわ!この、ドたわけが!

役者さん本人と、ビシバシ演技指導をしなかった監督、フィルムのはしばしにまで目をこらさなかったディレクター、担当者全員に、猛省してもらいたい!いいですかい、小説でも映画でも、作者でも役者でも、表現者ならばなんでもそうです。魂が、こもっているものは、必ず、見る側に伝わるし、こもってないものは、すぐに分かるんです!俺を激怒させた、若い役者さんには、是非とも、武田鉄矢氏の、渾身の演技を見習ってほしいと思います。

五藤吉兵衛が、初めて、この番組のタイトルを、叫ぶ、か。

吉「なんの!ここが、功名が辻じゃ!」

くずれ倒れる、父とも慕う吉兵衛を抱きかかえる、一豊。

一「共にまいれ。ともに…まいって、わしの城の、天守に立てぃッ!」

吉「殿ぉ… 一国一城の…あるじに…な、り…」

役者は、役に魂を吹き込む芸術家。武田鉄矢氏にも、エキストラだった時代があったんだぜ。