長崎旅行記(1)長崎の食べ物には、人心を惑わす物質が入っているとですかぁッ!
ある晴れた日。
長崎県長崎市の、JR長崎駅に降り立った俺。長崎は、初めてだ。
今までの人生、日本中の各地を旅してきたが、見たとたん、「うわあ!」と感激の声をあげた街は、長崎が初めてだ。
なんて美しい街なんだろう!この街は、青い海に、ぴかぴか光る真珠を浮かべたようだ。玉手箱をひっくりかえしたようだ。まるで、絵本のおとぎの国だ。
JR長崎駅の改札抜けたところから、駅前を見渡す。あんな丘の上の方まで、おうちが!右端の赤い提灯のような飾りは、2月14日からはじまる、2010長崎ランタンフェスティバルの準備中なランタンだ。
残念ながら、俺が休暇をとれたのは、ランタンフェスの一週間前だった。そのぶん、すいていたけども。フェスに行く人にも、参考になるように、この旅行記を急いで仕上げよう。
そして、である。今年度のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬を演ずるは、ここ、長崎県長崎市が生んだスーパーバリトンヒーローこと、福山雅治さんである。ある。
であるからして、長崎市内は、どこに行っても、このように、福山龍馬!福山龍馬!トゥー・ホットな福山フィーバー真っ盛りだ。大河ドラマ好きな俺にも、ナイスタイミングであったろう!
旅行一日目は、名古屋から新幹線で博多へ。特急かもめに乗り換えて、有明海を眺望する路線を経て、暗くなりはじめた夕刻に、長崎入り。俺は、海なし県であるガラマニ県の人間なので、海を見るだけでテンションが上がってしまう。
長崎市内、オランダ坂近くのホテルにチェックインし、歩いて中華街へ。なにしろ、昼食に名古屋の駅弁を一個食べたっきりで、6時間経過しているから、空腹マックスである。
長崎には、おいしい食べ物がたくさんあるらしい。数ある名物の中でも、この空腹マックスに合うものは、そう、中華料理の爆食であろう。
きらきら光る中華街の門をくぐると、どの料理店も、こうこうと電飾をともし、入り口には背広の男性がにこにこ、料理サンプルはきらきら、腹ぐうぐう。ああ、どのお店で食べようかなあ。
その時だ。置き物の招き猫と、同じ模様のねこが、俺の前を走った。その猫が、料理店の軒先に座った。そのお店は、中華街の中では、間口は中規模。お値段は、手ごろそう。決め手となったのは、お会計の所に座っていた背広のおにいさんだ。俺の好みである、「メガネ+フクヨカ+ハンサム」だったのだ。決まった、ここだ。
えびチリソースと、青菜の炒め物と、下戸なので、うそビールを注文。まずは大好物のえびチリを、パクッ…。
う うまあああああああい!なんすか?なんすか?この美味しさは、なんすかッ?!えびは、ぷりっ、ぷり。青菜は、にんにくスライスと一緒に炒めてあり、ジューシィかつクリーミィ。
長崎の食べ物には、人心を惑わす物質が入っているとですかぁッ!
二皿をペロリとたいらげた俺に、愛想のよい女給さんは、お会計を持ってきなすったが、この勢いなら、もっと食える…
「メニューください(笑顔)。」
ここで、長崎名物、皿うどんを頼んだ。細めんのパリパリに、キャベツや、ピンクいろのハムなどのあんが、どばーとかけてある、あれだ。俺には、なじみのない食べ物だ。パリパリのめんに、どろどろがかかってて、食感的に、合うのかしら?と、疑念的だったのだ。
俺は愚かだった。あつあつで出てきた、長崎の皿うどんは…
長崎の食べ物には、人心を惑わす物質が入っているとですかぁッ!
なんすか?なんすか?なるほど…皿うどんとは、こういう食べ物だったとですね!パリパリのめんは、おくちで、サクサクと溶けるのですね。キャベツのあんは、とろぅりと、甘い、あんまーいのですね。
こんなうまいものが、この世に、あったんかーい。皿うどんは、出来立てのサクサクのめんに、甘いあんがベリーマッチングした、不思議の国の長崎の、すてきなごちそうなのでした。
中華料理店の、西湖さん、ごちそうさまでした!
西湖さんで、長崎のひとくちめを食べた俺は、ただでさえ旺盛な食欲に火がつき、以降、とどまることなく、食べ続けるのでした。ちなみに、この食事では、食べるのに夢中で、デジカメの存在を忘れました。
次回、市内を歩きまわります。