ひかりTVビデオざんまいプランで6月に見た映画一覧(11本)
6月の休日は、おでかけイベントが多かったので、これっくらいの本数に。内容は、充実のジツコちゃん。俺は、日本語を発明するのが好きだ。幼少のみぎりちゃんより、いしいももこ御大の本で育った。後年、彼女の書く「日本語」には、多くの「いしいももこ語」が挿入されていたと理解した。はんけち。エピロン。じじーびずびず。こんなふうにね、おさったの。
本題と関係ない話題で、書いてる俺だけが盛り上がる作風も、俺は大好きだ。
(1)アメリカン・スウィートハート(2001)
ひかりTVでこの月、ジュリア・ロバーツ特集だったので、連続して彼女の主演映画を視聴。いい意味で先が読める、アメリカンコメディの典型。お気楽極楽な余暇に、見るといいよ。
(3)クローサー(2004)
「フル・フロンタル」の次に見たせいか、これは、ずっといい。きげんがよさそうだったのに、ふとした瞬間に、ふきげんになる顔を演じさせたら、右に出る者はいないジュード・ロウが、期待どおりに、きげんがよさそうだったのに、ふとした瞬間に、ふきげんになる顔を、何度も何度も何度も、見せてくれる。
(4)13F(1999)
気のせいだろうか?「フルメタル・ジャケット」のほほえみデブが、自分の容貌を忘却し、男前ふうの役をやっていたような気が…。検索ケンサックしてみたら、やっぱり、ほほえみデブだった。ヴィンセント・ドノフリオ氏だ。
いや、わかってる。ほほえみデブは、「フルメタル・ジャケット」で、ほほえみデブの役をやる前には、男前ふうの役をやっていたことは。でも、ほほえみデブは、強烈すぎた。俺は、彼を見つけると、いつも、ほほえみデブと呼ぶし、ほほえみデブにしか、見えない。
(5)2001年宇宙の旅(1968)
おなじみ、キューブリック終身変態監督による、見ると気が狂う映画。本場のアメちゃんは、ドラッグをキメて、クライマックスのワープシーンで、さらにハイになって楽しんだそうだ。よいこのみんなは、ドラッグは日本で合法のものにして、見て、気が狂うといいよ。俺なんて、水飲んでただけだけど、宍戸錠、案の定、気が狂って、今にいたるよ。
(7)彼が2度愛したS(2008)
上質のサスペンス。以下ネタバレ注意。
謎がとけてから、最初のほうの「ありえない偶然」を思い出すと、オトコ主人公が、バカすぎて、かわいそうになる。だって、性交互助会で出会う女性会員が、年齢にバラつきがあるものの、ぜんぶがぜんぶ、そこそこ「美人」なんだもの。ありえねーって。若いコから見たら、シャーロット・ランプリングは、おばあさんに見えるかもしれんが、俺がオトコだったら、大金つんでオネガイしたい大美人だ。やすやすと性交に成功してんじゃねーよ、このオトコ主人公のボケカス。
一方、娼婦であるヒロインの、「他人をいたわる」というインテリジェンスが、プラチナがごとく、光っていた。なんていい娘さんだろうか。オトコ主人公のアホめが、あんた、女を見る目は、あるよ。彼女を大事にしろよー!
(8)コン・エアー(1997)
1997年製かあ…あの頃、この映画は、ぜんぜん見る気がせんかったなあ。今回、見てみて、よかったなあ。伏線はきちんと回収されるし、ドキドキハラハラするし…
本放映当時、俺がこの映画を嫌った理由は、ズバリ、ニコラス・ケイジが、嫌いだったからだ。教頭先生のような、グリムの魔女のような、トランプのジョーカーのような、あんな顔なのに、からだが、ムキムキマッチョだなんて、アンバランスで、キモチ悪いでしょう。でしょう。
加えて、ジョン・キューザックも、嫌いだったのだ。この映画が作られたバブル末期に大流行していた、ベージュ系の夏物スーツを、しゃなりとはおった、トロ〜リとした目元の、ヤッピー(死語)なんだものさ。
でも、いま見てみるとさ。そんなヤッピーが、熱血漢で。教頭マッチョが、正義漢で。こいつらの、まっすぐな誠実さが、今の俺にとっては、「学ぶべき対象」になっていたんだよ。ものの見方を変えられるって、いいことだよね。
(9)ナショナル・トレジャー(2004)
女性学芸員さんが、宝物を、大事に大事に、頑張る姿が、最初のほうでは、ストーリーの都合上、ウザく感じた。最後には、その彼女の価値観が、正しかったことが証明されて、俺は、学者たるものの価値とは、信念をやすやすと曲げないことにあると感じた。
彼女が、スーパーマーケット店内で敵に追われ、店員さんのブースに隠れたシーンが、いっとう、印象的だ。女の店員さんに勝手に入るなととがめられた彼女は、咄嗟に、こう言う。
「別れたダンナから、逃げてるの。」
女店員さん、隠れていなさい、とうながし、追っ手のツラを見て、こう言う。
「別れて正解だよ。」
(10)フェア・ゲーム(1995)
トップモデルだった、シンディ・クロフォードの主演映画と知り、美貌が全盛期だった彼女の動く画を、ぜひ見たいと思い、楽しみにして再生し始めた。
ハッキリ言おう。カス映画であると。
あのね〜、これね〜、俺の貴重な余暇を返せ映画、略して「俺貴余映画」に、見事にランクインしちゃったよ。時間ってさ、正直だよね。「コン・エアー」や、「彼が2度愛したS」を見ていた90分間なり、120分間は、一分一秒当たり、充実のジツコちゃんだったけれども、「フェア・ゲーム」見ていた間は、苦行だったよ。拷問に近いよ。
シンディ・クロフォード本人は、才色兼備な、素晴らしい女性だと思っている。だが、こんなゴミ映画に、色気しかとりえのない役柄で、出演なんかしちゃ、ダメだ!
劇中の彼女の職業は、弁護士なのに、劇中で、いっこも「知性」を使わないんだ。推理も、行動も、男任せ。ただ、あわてふためいて、男について行くだけ、足、引っ張るだけ。敵を翻弄するためにすることは、ケツをふるだけ。大切にすべき男の、大切な逃走時間中に、惚れましたとセックスを迫り、二人して危険がなおさらデンジャラスになるとゆー。
「知性」ってね、なんだろうかと考えたね。それはね、周囲の人々への、思いやりだね。「フェア・ゲーム」の女弁護士は、幼児虐待している親には正義感をぶつける。それはいいが、現在進行中の大事件のために、自分のために、奔走してくれているオトコ主人公への、思いやりは、まるでない。
こういう映画を、誰々の「黒歴史」っていうんだね。