新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

ひかりTVビデオざんまいプランで7月に見た映画一覧(16本)

7月に加入しました。見た順です。

(1)金融腐食列島 呪縛

金融腐蝕列島 呪縛 [DVD]

原田眞人監督作品。きっぺいちゃんこと椎名桔平見たさ。あ、これって、「突入せよ!あさま山荘事件」の、原田監督作品やな?とわかったのは、監督のムスコさんである、原田遊人さんが出てきたから。

(2)狗神 INUGAMI

狗神 廉価(期間限定) [DVD]

同じく原田眞人監督作品。だって原田遊人さんが出てきたから。原田眞人映画における遊人は、大林宣彦映画における尾美としのりのやうだと思った。

猫殺しで有名な原作者。脳が腐りそうなありがち展開で、怖くもエロくもない。この映画は「いぬ神様」ではなく、山路和弘兄さんの「エロ神様」っぷりを拝むためにある。

(3)大怪獣ガメラ

大怪獣ガメラ [Blu-ray]

初代。さすがの大映黄金期怪獣ヒーロー。ラストのガメラの扱いがかわいそう。

(4)CURE

CURE キュア [DVD]

黒沢清監督作品。催眠術で他人に殺しをさせてしまうナゾの男。ミイラとりがミイラになる刑事。まあまあ見ごたえあったなと感じたが、続けて見た、次の映画になにもかも持っていかれた。

(5)若草物語

若草物語 コレクターズ・エディション [DVD]

「CURE」は、狂気と人間性との葛藤を描いたが、ウィノナ・ライダー主演の「若草物語」を、直後に見たもんだから、「CURE」のテーマ自体が「若草」に食われた。深い愛、信じる心。慈しみ。この愛のパワーの前には、ひがんだ殺人者の苦悩など、チンケでしかない。

ウィノナ・ライダーは、なにをしても許される!胸がしめつけられる悲しみ、そして歓喜。人生は素晴らしい。「若草物語」の感動にかなう映画があるやろかー。あった。

(6)ロリータ

ロリータ [DVD]

1962年、スタンリー・キューブリック監督。…原作もすごいが、この映画は、もんのすごい。幼いロリータは最初から「女」なので。強く現実的な女なので。中年ロリ男ハンバートは、異常者だが、彼は「男性性」の象徴なので。つまり男と女の、究極の「典型」を描いた映画、それが「ロリータ」なのだ。

この映画を見て、思い知らされたのは、男性の異性への愛し方と、女性のそれとの、バリーベリーな(注:バリーベリーな=谷のように深く、顕著なさまを表わす俺語)、相違点だ。

男性は、女を深く愛するほど、彼女の「善性」を期待する。

ラストでハンバートが、人間的に立派な人妻に成長したロリータに向かって、身重のロリータに向かって、「今からでも俺とやりなおしてくれ。ここから俺と一緒に逃げてくれ」と、ピャーピャー泣いて懇願する醜態には、驚愕させられる。

どこまで非現実的なのかと。どこまで独善的なのかと。なんでそんなこと可能だと思うのかと。思ったからって、クチに出してゆうなこのボケカスと。ハンバートのボケカスぶりは、女にどこまでも「善性」を期待する男の心根を表わしている。かわいいロリータは、他のオトコのコドモをオナカに持ってもまだ、自分と過ごしたあの頃のヤサシイカワイイおんなのこだと思いたいのだな。あの頃のロリータは、いっこもヤサシクモカワイクもなかったのに。旦那をいたわり、フツーに家事をこなしている今の彼女の方が、ずっと優しくて可愛いのに。

ハンバートがなぜロリコンになったかは原作に詳しいが、ロリコン部分を、シスコン、マザコン、普通コン(←?)に入れ替えたところで、男性の愛し方は変化しない。

一方、ハンバートに出会う前の幼少期から既に、アホな脚本家に惚れていたロリータは、惚れている相手がいかにアホかを、重々わかった上で、奴に着いて行く。ハンバートが神聖視したその処女を、アホ脚本家にもてあそばれ、ぼろきれのように捨てられてなお、「わたしは彼のことがいちばん好きだった」と思う。思いながら、堅実なダンナを見つけて子供を作り、平穏な家庭を作る。女は、相手がどんなにロクデナシで、自分を愛していないかを、理性的に理解しながらなお、彼を愛するのである。

ついでにちゃっかり、「大人」になっているのである。ハンバートを置き去りに!

このような男女の「典型」を、描こうとしているのが、キューブリックの「ロリータ」だと感じた。ナボコフの原作は、読めば読むほど、「ロリータコンプレックスは、男性の特殊性を表わさない」ことがわかるんだ。

(7)イージー・ライダー

イージー★ライダー [DVD]

アメリカン・ニュー・シネマの金字塔。ちゃんと見たのは初めてだった。お恥ずかしい。名画と呼ばれている作品は、必ず自分の目で見なければ、人生損をする。ピーター・フォンダと、シャイニングの若い頃のかっこいいこと。ラストの扱いはガメラよりかわいそう。

イージー・ライダー」より名台詞…「ひとは、自分の自由にかんしてなら、話す。ああ、話すさ、いくらでも話すのさ、自由についてなら。だが、自由な他人を見ることには、我慢できないんだ。」

(8)黙秘

黙秘 [DVD]

スティーブン・キング原作。秀作だ。アメリカの樹木希林こと、キャシー・ベイツの相変わらずの演技力に脱帽。「ミザリー」のあの人ね。この人は、シリアスでもなんでも演じられる名優だ。キャシー演ずるヒロインのバカ旦那は、ヘドが出るクズ人間。リアル「死ねばいいのに」。

(9)ザ・セル

ザ・セル [DVD]

ジェニファー・ロペス主演。ロペス演じる超能力者は、他人の脳内にマッシーンを使って潜入できるのだが、その、ちょうのう〜りょくぅ〜、が、事件解決のために、なんの役にも立ってないw。実地主義の刑事さんも、ロペスといっしょに超能力実験に参加し、犯人の脳内に入る。その中で、事件現場の手ががりを思い出し、刑事さんが事件を解決した。その間、超総力者のロペスは、犯人の脳内にひたりっぱなし。刑事さん、そんな手がかりは、現場で検分した時に気がつけよ!

(10)イナフ

イナフ コレクターズ・エディション [DVD]

ジェニファー・ロペスは、駄作「ザ・セル」のブリ大根、いや、大根ぶりを払拭し、エエ女優さんに脱皮なさった。ストーカーの心理、される心理。恐怖の攻防戦。ラストは「そ、そうくるか、ロペス。」他人事ではない狂気男に魅入られた女の、たくましさ。見習いたい。

(11)ディープエンド・オブ・オーシャン

ディープ・エンド・オブ・オーシャン [DVD]

せっかくいい映画なのに、記憶に残らない原題のままは、実に惜しい。小さい子供が神隠しに。数年後、その子が見つかる。なんと意外な所から…前半のサスペンスはじっとして見ていられない恐怖。後半の家族達の苦しみと愛。こういう洋画には、いい邦題をつけてほしい。

(12)ミスティック・リバー

ミスティック・リバー [DVD]

これも原題そのままで損してる。内容を表わす邦題つけてほしいな。暗い映画を撮らせたら、右に出るものは石井隆ぐらいな、クリント・イーストウッド監督作品。ケビン・ベーコンショーン・ペンのエロ男前ぶりも堪能できる、激暗推理サスペンス。こういうの好きなんや〜。

(13)プロフェシー

プロフェシー [DVD]

リチャード・ギア主演。いやな予感がしたが、当たったw。途中から寝た。ギアの主演する近作で、こーゆーミステリーものって、ハズれ多くね?ハチ月公開のハチ公映画には期待しているが。どこもココもあそこもぜんぶ、ワカラナーイ。ストーリーの細かい分析より、なにが言いたい映画だったのかが、一番ワカラナーイ。ホラーでも超常現象でもなんでも、映画に一番大事な「主テーマ」がないんだよ。

(14)ドリーム・キャッチャー

ドリームキャッチャー 特別版 [DVD]

幼馴染の男性4人が、山小屋で同窓会をひらく。子供の頃、知的障害の男の子をいじめから助けた4人は、その子から、超能力を授かる。まあ、そこまではいい。特に、知的障害の少年を助けるシーンと、彼と親友になる4人の友情描写には、胸がしめつけられた。

サイコ・サスペンスかと思い、期待した俺がヴァカだった。

超能力設定は好きじゃないが、迫り来る恐怖と戦う男たちの友情がいいな、雪に閉ざされた森での心理戦を描いてほしいなと思ったら…軍隊出動!モーガン・フリーマン出動!敵は宇宙人だ!ってきみぃいい(涙)つまんねー!

宇宙人のボスは、アメリカ製ミルクのみ人形みたい。手下の宇宙虫は、いとかわいげなるウナギちゃんにて、ええ、もう、つぇんつぇん、怖くない!モーガン・フリーマン、仕事えらべ!

(15)グリッター

グリッター [DVD]

マライア・キャリー主演の音楽映画。マライアは特に好きではなかったが、この悲劇的映画は見ごたえあった。撮影が上手くて、美しい情景描写に仕上げてある。

(16)日の名残り

日の名残り [DVD]

アンソニー・ホプキンスエマ・トンプソン主演。日系英国人作家の原作。緻密さに緻密さを積み上げた良作。ホプキンスの演技力に改めてシャッポ脱ぐ。