『ニーチェ詩集』河内信弘訳(2007年 書肆山田刊)
大きな本屋さんの、片隅で。
陽のあたる、売れ線平積みの、文芸書コーナーとは離れた、ずっと遠くに。
いつもある。俺の専門分野のコーナー。それは思想書、哲学書の棚だ。
そこにすら、一冊しか置いてなかった、奇妙に分厚く、ずどんと重い、ハードカバー。
「あ、ニーチェの詩集だ!」
- 作者: フリードリヒニーチェ,河内信弘
- 出版社/メーカー: 書肆山田
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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その時ガラマニ少しも迷わず、レジに持っていった。
帰宅し、むさぼり読んでいる。
前々から思ってたんだ。フリードリヒ・ニーチェは、書いてる本人おおマジメ、
そいでもって、あきゃらかな狂人。普遍的な哲学体系を構築するなんて、やつに期待すまい。
ニーチェ、あんたは、アフォリズムが、うまいし、似合ってると思うぞ。
ニーチェ、あんたは、三文文士と呼ばれて、けして恥じるな。
21世紀のいま、いっちょまえの政治思想家のつもりな三百代言が、ウヨウヨいるけど、
15年もすりゃ歴史にうもれるさ。
あんたは、ちがう。今までも残ってきたように、これからも残る。必ずだ。
真理だけが普遍的なのだから。
あんたはさ、人としては、きちがいだ。そしてだから詩人として、美しくきちがいだ。
そしてだから、ひどく、まっとうなんだ。
以下一篇を引用
「誠実な男」
好ましいのは、張り合わせの友情より
一本丸太のままの敵意。
カーッ、イイね!翻訳者にも、惚れてしまうね。