新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

『ニーチェ詩集』河内信弘訳(2007年 書肆山田刊)

大きな本屋さんの、片隅で。

陽のあたる、売れ線平積みの、文芸書コーナーとは離れた、ずっと遠くに。

いつもある。俺の専門分野のコーナー。それは思想書、哲学書の棚だ。

そこにすら、一冊しか置いてなかった、奇妙に分厚く、ずどんと重い、ハードカバー。

「あ、ニーチェの詩集だ!」

ニーチェ詩集

ニーチェ詩集

その時ガラマニ少しも迷わず、レジに持っていった。

帰宅し、むさぼり読んでいる。

前々から思ってたんだ。フリードリヒ・ニーチェは、書いてる本人おおマジメ、
そいでもって、あきゃらかな狂人。普遍的な哲学体系を構築するなんて、やつに期待すまい。

ニーチェ、あんたは、アフォリズムが、うまいし、似合ってると思うぞ。
ニーチェ、あんたは、三文文士と呼ばれて、けして恥じるな。

21世紀のいま、いっちょまえの政治思想家のつもりな三百代言が、ウヨウヨいるけど、
15年もすりゃ歴史にうもれるさ。

あんたは、ちがう。今までも残ってきたように、これからも残る。必ずだ。
真理だけが普遍的なのだから。

あんたはさ、人としては、きちがいだ。そしてだから詩人として、美しくきちがいだ。
そしてだから、ひどく、まっとうなんだ。

以下一篇を引用

「誠実な男」

好ましいのは、張り合わせの友情より
一本丸太のままの敵意。

カーッ、イイね!翻訳者にも、惚れてしまうね。