新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

第45話 土佐二十万石はめでたいかどうかわからんぞ!

みんな大好き大河ドラマ功名が辻」も、気がつけば、残すところあと4回。師走の足音の聞こえる季節になりました。最終回までカウントダウンの時候になって、ついに来ました、一豊、土佐の国ゲット!こうなる日を、五藤吉平衛と同じぐらい、楽しみに待ってましたよ、俺は。
関ヶ原の戦いが終わり、石田三成さんは斬首さるる瞬間まで、義のため健康に気を使うの有名エピソードが流れました。六条河原の処刑場で、白湯を下さいと言う石田さん。干し柿ならあるが食うかと言う処刑係りの人。すると石田さん、柿は痰の毒だからひかえますと言うんですね。歴代大河で様々な解釈で描かれてきたこのシーンを見て俺は、ふとこんなことを思いました。
「そういえば、三島由紀夫は、自衛隊の基地に討ち入る日の朝食に、こんにゃくを食べてたんだったよな。自殺評論家の鶴見済さんは、自決後に解剖されることを考えに入れたら、こんにゃくでは切腹する者として印象が良くないという理由で、

今ひとつ詰めが甘いのだ。
鶴見済著『無気力製造工場』1994年太田出版より

と評していたけれども、そんなことないんじゃないかしら。三島由紀夫さんも、石田三成と同じように、武士たるもの、いついかなる時にも戦うため、自分の身体は健勝に保つべしという思想でいたのではないかな。どうせ死ぬんだから…なんていう考え方は、石田さんの態度を見ると、恥ずかしいことだな。三島さんもさ、胃腸をきれいにするこんにゃくを食べて、死地に赴きたかったのではないかな。」
去り逝く石田さんについてはそんなふうに思いつつ、俺が待ち望んだ一豊の大出世エピソードは、期待以上のおもしろさでした。我らが山内一豊関ヶ原の戦功により、と言うよりは、前段階の小山評定での発言がグッジョブだったで賞で、「土佐一国、二十万二千六百石を与える!」ですってよ奥さん。カズトヨのビックリした顔といったら!
でもさあ、こんな素晴らしい知らせは、一豊本人の口から、千代に告げてほしかったですよ。主君より先に家に駆け戻った五藤の弟と祖父江のムスコが、千代にネタばれ喋っちゃうんだもの。あのシーンはさ、五藤弟と祖父江ムスコが、アウアウ泡食って、喋りそうになったところへ一豊到着で、「ちちち千代!ととと土佐、とさ、にじゅう〜まんごくじゃ!」って言ってほしかった。俺が千代ならそう思う。
嬉しい宴会を開く、山内ファミリーのお座敷。五藤吉平衛のお陰膳が、ちゃーんとあるのが泣かせるぜ。でかい酒盃で一気飲み大会をする、楽しい楽しい千代と一豊。酔っ払って千代、夜中の縁側にフラフラ出て、月を見上げ…
これだけの描写で「次に六平太が出る!」と分かってしまう俺たちは、今年一年、この番組とともに歩んできたんだ俺たちだよねぃ。宍戸錠、案の定、ここぞという場面で出てくる六平太グッジョブ!いきなりゆうことが
六「土佐二十万石はめでたいかどうかわからんぞ!」
ですものよ。このセリフで、ガラマニ家一同爆笑ですよ。
六「一豊があまり浮かれすぎぬよう、手綱を締めておけ!」←親切
ウチの母いわく「あの人は、誰から給料をもらっとるんやろうねえ。」でまた爆笑。架空の人物であり、常に頭に山川出版社「詳説日本史」が入っている行動をとる彼とは、作者・司馬遼太郎自身であり、我々視聴者の代弁者であり、そしてすごく分かりやすい番組ナビゲーターになりましたですねえ。本日の放送最後に登場して、千代に言ってくれることはそのまんま、「次回予告」じゃぁ、あーりませんか。では、サザエさんの次回予告風に、お2人にしめてもらいましょう。
千代「さあて、来週の功名が辻はっ?」
六「六平太です。日に日に寒くなってきたということは、最終回が間近だってことだ。土佐は南国、土佐丸高校、犬飼三兄弟*1のいる所でな。愛知県岩倉市出身で、海も知らねえ一豊がいきなり行って、難なく治められるようなヤワな土地じゃねえんだ。在来の長宗我部氏がどう出るか。バカの一豊がどれぐらい冷徹になれるか。ま、無理だな。千代のそばには、俺がついてねえと、あのナマクラ亭主じゃ、心配で仕方がねえ。
さて次回は、「千代の皿鉢料理*2はだれのもの」「六平太愛の渦潮」「一豊一本釣りされろ」の3本です。」
千代「来週もまた、見て下さいねー!じゃーんけーん、ぽん!うふふ。」

*1:犬飼三兄弟:水島新司著『ドカベン』『大甲子園』に登場する、主人公ドカベンの強敵。高知県代表、土佐丸高校の犬飼小次郎(長兄)と犬飼武蔵(次兄)。兄のいる土佐丸高校を破って県代表となる、室戸学習塾の犬飼知三郎(三男)のこと。ガラマニの高知県のイメージは、95%犬飼三兄弟で出来ている。

*2:皿鉢料理:さはちりょうり。土佐の郷土料理。