新ガラマニ日誌

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DEATH NOTE(デスノート)

DEATH NOTE デスノート [DVD]
原作漫画はまったく読んでいない。絵柄すら知らない。予備知識ゼロで、天才・藤原竜也氏の演技見たさで映画館へ。監督は金子修介氏。平成ガメラ三部作を作り出した手練れだ。

藤原竜也氏が演ずる主人公、夜神月(やがみらいと)は、品行方正な法学生。容姿端麗で、人柄も態度も優れ、誰からも愛される好青年である。この、人好きのする男の子が、死神からの贈り物、デスノートを手に入れたことから、殺人鬼になってゆく。夜神月に対抗する、ICPO国際刑事警察機構)側の捜査ブレインが、松山ケンイチ氏演ずる、L(える)。Lは、だらしない姿勢に、人を小ばかにした態度、すわった目つき、非常にいやな感じの青年である。

この2人が、お互いの顔も正体も知らない状態で、攻防戦を繰り広げる。主人公、夜神月のやっていることは「悪」で、外見は「良い」。Lは、殺人鬼を捕まえようとしている「正義」なのだが、外見は「悪い」。稀代の天才児である、両者の対比が、たいへんおもしろく、ストーリーは奇抜であり分かりやすい。長編原作つきの映画は、ストーリーをはしょりすぎて、映画だけ見た者には、分かりにくくなることが多いが、「DEATH NOTE」は、その点、脚本が上手いと思った。この映画は、二部作の前編で、ラストは、「いったいこの先、どうなるんだぁあああ ヒィイイ」という絶妙なところで終わっており、後編も絶対、見に行こうと思わせられた。なにせ、藤原・松山両氏の演技がばつぐんに美しく、演出は効果的で、実に優れた映画だ。

特筆すべきは、裕福な家に住む、夜神月の自室インテリアだ。ドアと窓の位置、シンプルな木製家具、パソコンと周辺機器、文房具、本棚にある書籍、黒いベッドカバー、全てが効果的で魅力的。デスノートをしたためる主人公が、生活の長い時間を過ごす部屋として、「ああ、夜神月くんらしいなあ。」と思わせるインテリアに仕上げてある。居室を見れば人格もうかがえる。インテリアが、映画と人に与える影響の大きさを語る上でも、「DEATH NOTE」は素晴らしい出来ばえになっている。感動した。

KofCさん作・DEATH NOTE観覧記
http://d.hatena.ne.jp/KofC/20060701