新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

ガラマニ日誌〔19〕04/7/10(土)「学習とはなにか」

~テーマソング 「最近の若いやつ(原題:チョキ)」~

作詞・作曲:板尾創路 (ダウンタウンのごっつええ感じで、シンガー板尾が、歌ってました。CD出てます)

♪さいきんの~ 若いやつ~
 気持ちが~ フワフワ ワウワウ~
 お前とお前は帰ってよーし!

 待て!
 (ジャンケンする、上司と部下)

 チョキだったね~
 チョキはいいよ~
 グーには負けるが パーには勝つさ~    だんだん♪

 

さて、ここんとこ、さっぱり更新してなかったガラマニ日誌、本日のテーマは、そう、最近の若いやつである。

俺は、最近、とみに、いや実にしみじみ、思うのである。

 最近の若いやつらは、なっとらん!!と。

ガラマニの職場には、黒騎士生活十数年な、老眼なりかけな俺より、はるかに年下のやつらが、ウジャウジャいる。

過去日誌にて、人気絶頂だった、俺の会社の同僚、川原洋子さん(25さい)は、6月末をもって、めでたく、いや実にめでたく、寿退社なさり、川原さんに代わって、新しく、若い女性が、俺の部下として採用された。

彼女の命名、皆川三等子さん(みながわ さんとうこさん。25さい)。

川原洋子さんの、天然ボケっぷりに、さんざ泣かされた俺、次なる相棒は、マトモな人物であってほしいと、切に願っていた。

皆川さんが、面接にやって来た日、彼女をパッと見、俺は、いやぁ~~~な予感が、した。

髪の毛が、とてもとても黄色いのだ。

そりゃあ、今時、毛染めをしていない女性を、探す方が困難なほど、カラーリングは流行っている、いるが、皆川さん、黄色すぎ。

俺の勤め先は、かなりカタイ業種である。規模も大きい。にも関わらず、この色。(採用する方もする方だが。俺には人事権はない)

彼女は不良(死語)なのだろうか。いや、違う。2004年現在、俺の職場みたいな場所に、この髪色で入ってくる20代女性が、どんな人物であるのか、その意味しているところとは、

バカさかげんである。

あ、このへんで、お断りしておくが、
俺、今回は、あまり言葉を選ばない方針なので、そこんとこよろしこ。

皆川さんは、先代・川原洋子さんと同様、悪気の全くない、天然バカであった。


7月いっぴ、皆川さん、入社。俺が、仕事を教え始めた。
彼女は、今までも、所謂、事務員の経験があるとのこと。ならば、俺の課でやってるぐらいの、平均的な仕事能力はあるのだろう。

と、思っていたら、大間違い。

俺「じゃあね、まず、午前の業務を、いっこずつ説明しますね。」

皆「はぁーい」←イクラちゃん口調

机に並んで座り、俺は、未整理な書類の束をひろげた。

俺「毎朝、これらが、ウチの課に運ばれて来てます。たくさん、色々ありますが、我々は、これらを、分類して、あちこちへお届けします。」

皆「はぁーい」

俺「見分け方は、このマニュアルの通りです。

・赤い紙→A課へ届ける
・青い紙→B課とD課へ
・白い紙と黄色い紙→C課へ(以下たくさん続く)

これね、朝一で、色んな課が、仕事を始めるために必要なものだから、なるべく迅速にやらなきゃいけないの。でも、ぜんぶは、最初は、覚えきれないからね、この一覧表見ながら、分けて下さい。」

すると彼女、眉間に、くしゃんとしわをよせ、手にとった、A4の一覧表、俺が彼女のために作ったマニュアルを、チラと、一瞥し、ウヒャッと笑い、こう言った。

「こんなの見たって、わかんないですねー。あたしってぇ、実際やってみないと、覚えられないタチでぇー。」

………ま、ま、彼女の言う事にも、一理ある。

A課が、社屋の、どこにあるのか、どんな人が担当なのか、体験しなければ、記憶も伴わない、うんうん、そうだね。

俺「じゃあ、一緒に持って行きましょう。今朝も、早めに届けないと、いけないものだから、ね。」

先輩とはいえ、俺とて、この会社に入ってまだ3ヶ月、未熟者の新参者なのである。先代・川原洋子さんが、いわゆるひとつの、出来ちゃった結婚で、中途退社して下さったお蔭様で、俺自身、ようやく軌道に乗ってきた仕事を、また白紙から、皆川さんに教え直す役目を負いながら、自分も、仕事をこなすのに、いっぱいいっぱいなのである。

特に、朝一のこの、他課へのお届けものは、前述のように、急ぐ。今朝だって、遅れたら、ウチの課の怠慢になってしまうのだ。

さて、A課からJ課まで、10ほどの課を回り、元いた机へ戻った。

俺「じゃあ、次ね。このたくさんの書類は、ウチの課で、毎日扱っている大事な書類です。」

皆「はぁーい」

俺「まず、これを、法則に従って、分類します。」

皆「ほうそく?」

俺「うん、簡単ですよ。メモとってね。

1)日付別に分類
2)それを更に、部署別に分類
3)それを更に、種類別に分類、種類とは………皆川さん、メモ。」

皆「はぁーい?」

俺「メモ、して。慣れれば、簡単だけど、最初は、書かないと。」

机上には、メモ用紙もボールペンも、あるが、彼女は、筆記しようとしない。
なぜだろうか?俺は、ヘンだなと、戸惑った。

上記の箇条書き部分、当サイトにおいては、地元バレ防止の為、ごく簡潔にしてあるが、実際は、もっともっと繁雑である。

繁雑では、あるが、先ほどの他課へ運ぶ書類群ほどは、急がないという理由で、マニュアルは作成していない。メモさえすれば、覚えられる内容であり、メモすらしなければ、覚えられない内容なのである。

それに、普通、姿勢として…新しく習う事は、メモをとりながら聞くものではないか?給料を貰う職場なのだから、「わたしはやる気でやってます」な姿勢を、先輩にアピールするためにも、普通は…胸ポケットにペン、片手にはメモ用紙、なのでは?

なぜ、皆川さんは、メモしないのだろう?

ひょっとして、アレだろうか、この会社の雰囲気、大きなビルに、制服OLと、背広のおっさんがぎっしり、業種はいわゆるひとつの、カタイ系。広いフロアーには、おおぜいの他人の目、緊迫感がみなぎる、こんな会社でやっていく自信が、早くもゆらぎ、多量の書類群を前にして、怖れをなしてしまったのだろうか。

わかるわかる…皆川さん、俺もそうだったよ。
皆川さん、前いた職場は、俺と同様、小さな事務所でこじんまり、私服でゆったり、結構、自由に振舞えたから、ここは雰囲気、ぜんぜん違うよね。初日の今日は、慣れてないし、緊張しちゃってるのかな。

先輩の俺が、次々と、これやって、あれやってと言うから、コワーイと思ったかな、ごめんね、大丈夫だよ、最初だけだよ、メモして、毎日繰り返しやっていけば、ちゃんと覚えられるからね。

と、思っていたら、大間違い。

皆川さんは、いっこうに、書くそぶりを見せず、さかんに、首をかしげ、眉間にくしゃんとしわをよせ、

皆「うぅ?うぅ?」

と、口をとがらせながら、こう言った。

「あたしってぇー、書いたってー、覚えられないタチでぇー。こんなのー、実際にやってみないと、わかんないですねぇー」

・・・・・・・・・・・・・・・

わかってきた。俺ァ、わかってきた。

ちょいとバラすと、俺は過去、教室と呼ばれる場所で、働いていた。
教室には、2種類の、子供がいた。

勉強の、出来る子と、出来ない子である。
この差とは、歴然としたものである。そして9割9部9厘、矯正不可能なのである!

バカにつける薬は、ないのである。
バカは死ぬまで、治らないのである。

そう!皆川さんは、典型的な、

「あんた、学生時分、勉強出来んかったやろ?」にんげんだったのである!


さて、ここで、今回のポイント。
勉強の、出来る子と、出来ない子との、歴然たる差異とは、なんであるか。

それは、「学習する行為とは、なんなのか」を、理解出来るか、出来ないか、である。

未知の知識を、獲得しようとする際に、自分がとるべき行為が、なんなのかを、知る者は前者、知らない者が後者である。
ひとことで言うと、<努力出来る才能が、あるか無いか>なのである。

よく、人は、<天才・秀才>という言葉を使う。

天才=生まれつきの能力
秀才=努力し獲得した能力

と、解される事が多いが、実は、両者は同じなのである。

対象物を見た時、凡才が、ボケ~ッと見てるだけ~な1秒間に、天才(秀才)の脳は、たった1秒間にフル回転し、対象物より、数多くの情報を得ている。これは学び取れる才能、脳を動かせられる才能、即ち<努力出来る才能>である。

学校の勉強であれ、芸術的才能であれ、花開く年齢が、何歳であれども、優れた能力とは、全て<努力出来る才能>なのであり、本人が、「俺って、今、努力して学習してるよな~」と自覚する・しないに関わらず、自然~に、努力出来る人なのか、そうでないか。

これが、頭イイ人と、バカとの、差なのだ!

んでもって、皆川さんは、バカの方なのだぁーーーーーーーーッ!!

皆川さんは、7月第2週を終えた今週末に、至ってすら、まだ、一度も、全然、メモをとった事が、ない。彼女のデスクには、白紙のメモ用紙があるのみ!
凡そ、筆記する行為を、まったくしない。いやさ、出来ない人なのである。
本人は、「書いても覚えられない、実際にやってみないとわからない」の一点ばりだが、違う。「実際にやってみた」ところで、ただでさえ動かない脳は、筆記の助力なくしては、なおさら動かないものだという事を、わかっていないだけなのである。

とにかく、お勉強が出来ないこと、姿勢のないこと、甚だしい。

もちろん、PCのキーにもマウスにも、触らない…毎日、メーラーのチェックしろっつっただろうがよ。

俺「時間のある時にね、社用メーラーのトップ画面、あっちこっち、押して見てね。この会社の概要とか、組織系統とか、載ってるから。よくわかるよ」

皆「ガラマニさん、あたし、パソコンよくわかんないんですー」

俺「えっとね、ポインタ、この矢印ね、これが、軍手みたいな形、これ。これになる部分は、押すとなんか出るよ~っていう意味なの。ね、ここ、押してみて。」

…押さない、皆川さん。
「ふーん」と言ったっきり、右手には花柄ハンカチ、お口を拭き拭きしている。

・・・・・・・・・・・・・・・・


覚えるべき事は、日々山のようにあり、俺とて、まだまだこれからだ。毎日、新しい業務を習っている。

上司に、何か聞いたら、その場で、メモ用紙に書き、不明な点があれば、その場で質問する。そしてすぐ、自分のメモ帳に、書き直し、内容を反芻し、業務遂行後、時間があるときに、大学ノートにまとめている。

俺は、皆川さんに、こういうふうにしようね、と言ったが、彼女は、相変わらず、眉間にくしゃんとしわをよせ、首をかしげ、ウヒャッと笑うのみ。
皆川さん、言われたらまずメモを…こんなの、小学生に指導するレベルである…

ぁあ、なんで、なんで…俺の部下には、マトモなのが入らんのだ…

さて、俺の課、G課のメンバーを、ここで改めて紹介しよう。

・城毅 課長(通称ジョク・タケシ かちょう。40代)
・迫水真次郎 次長(さこみず しんじろう じちょう。40代)
・雪だるまさん(26さい。フクヨカで、何も考えていないが、温厚。顎だけバーン・バニングス。)
・ガラマニ
・皆川三等子さん

課長と次長のネーミング、俺が、呼びたい名前にしてみました。

城毅課長は、たいへん優しく、しかもさりげなく仕事が出来る方である。柔和に微笑みながら、大事なポイントは見逃さない。彼は、ガラマニが、自身多忙な中、天然バカ皆川さんの指導で、息せききっている様子を、見かねて下さったらしい。

皆川さんの指導役には、俺に代わり、迫水次長が指名された。

迫水真次郎次長は、温和な城課長と、何も考えていない雪だるまさんな、そんなウチの課の男性陣において、唯一、予科連が如き、厳しさを持つ人である。彼の指導は、理路整然、必要な事しか、話さない。当然である。本来、職場とは、必要な事だけ話せばよいのであるから。

(俺と、皆川さんとでは、同性同士なので馴れ合いなおしゃべりをしないと、社内関係が保てないという、現象が起こる。馴れ合いは、ビジネス最大の敵ではあるが、潤滑油として必要なものでもある。しかし行き過ぎは、ダメである。当然である。
城毅課長は、先代・川原洋子さんの、馴れ合いおしゃべりしかしない姿勢に、俺が辟易していたのを、黙ってちゃんと見抜いておられたのだ。)

迫水次長が、皆川さんに、業務命令をなされた。

迫「皆川さん。別室に、封筒が、200あります。これらの書類を、名称に従って、200の封筒に振り分けてもらいます。これが一覧表です。」

皆「はぁーい」

迫水次長は、エクセル表で書かれた一覧表を、赤ペンで指し示しながら、説明された。

迫「Aの封筒には、aとbとcを。Bには、aとcとeを。Cには(以下198種類続く)」

皆「うぅ?うぅ?」

彼女、次長が赤ペンで、ラインを引いて下さるのに、手ぶらのまま。相変わらず、首をかしげて、眉間にしわをよせるだけ。上司が書いて見せている、という事は「お前が書け」という意味なのだが、皆川さん…初見で解せられる内容のはず、ないのだが…皆川さん…

迫「以上です。よろしいですか。」

すると彼女、ウヒャッっと笑い、

皆「はぁーい。わかりましたー」

って、わかるわけねぇだろうがよおい!

ここで、ワンポイント社会人言葉遣い講座。

禁句「わかりました」←これ、ダメ、最悪。

わかった、わからないとは、個人の主観である。
業務命令とは、全体的客観で理解されなければ、ならないものである。
なぜなら、目標は<業務>であって、個人の<学習>ではないからだ。
迫水次長が、命令した内容を、おめーがワカッタとかワカラナイとかは、関係ねぇんである。

ここは職場であって、職場とは、おめーの学習のために動いてるんじゃねぇ、学校じゃねぇんだ。

 各人の学習のために動く<全体>が、学校。
 <全体>のために、各人が動くのが、職場。

業務遂行に必要な情報が、上司から部下へ<伝達完了されたか否か>を、答えるべきなのである。

正解「了解いたしました」「承知いたしました」または「かしこまりました」

社会人の言葉遣いとは、基本理念は、軍隊用語だと考えてよい。
必要な事のみを、迅速且つ簡潔に伝える事。そして、目上・目下の区別を明確にする事。挨拶を徹底する事、である。

しかもだ。皆川さん、わかりましたーと言っておきながら、案の定、封筒ルームから駆け戻り、封筒に入れるべき書類を手で振り振り、ウヒャッと笑いながら、

皆「これ、なんでしたっけー」

わかってねぇじゃねぇかよ!だったら、わかりましたーだなんて、すえ恐ろしい発言すんなっつーんだよ!

仕事に厳しい、迫水次長は、ひたすら皆川さんに、伝達しようとする。
一覧表に、何度も赤ペンを入れ、説明し続ける迫水!
手ぶらで、首をかしげ続ける、皆川!

迫「ですからね、Aには、ここの!この線より上に書いてある分!Bは下の段!」

皆「うぅ?うぅ?」

迫「出来ますか?これ、今日の夕方までに完了しないといけないんですよ。」

皆「はぁーい、わかりましたー」

封筒ルームへ行く皆川、そして駆け戻る皆川、

皆「これ、なんでしたっけー」

キレる迫水!と、見ている俺!
皆川、自分では絶対、一覧表に筆を入れない!メモもなぁんにもしない!とにかく書かない!文房具なんか、なんでもデスクに完備してあるのに!
我慢出来なくなった俺、自分の、多色ふせんとマーカー数本を差し出し、

俺「こ、これでね、皆川さん!入れる書類の方に、ふせん貼って、Aの段はピンクと決めて、ふせんがピンク、一覧表にピンクのマーカー引いて、A=ピンクだということにすれば!」

皆「うぅ?うぅ?」

皆川、それでも、絶対に、文房具に、手を出さない!手ぶら!つーか右手にはハンカチ!お口をハンカチで抑えながら、筆記用具はぜったい持ちません、メモ白紙です!

とうとう完全にキレた迫水!
白紙メモ用紙に、自らメモを書いて差し上げています!じ、次長が…皆川さん25さいに…

迫「だからね、Aが!これ、Bは、これで…(筆記中)いい?出来るの、出来ないの?!」

皆「はぁーい、わかりましたー」

っつって、封筒ルームへ行ってしまう皆川!
なんと、迫水次長が書いて下さったメモを、持たずにであります!!

…ハァ、ハァ…

…なん、なんで…なんでこんな…疲れるのだ…

こんな、こんな… バカのために!