新ガラマニ日誌

ガラリアさん好き好き病のサイトぬし、ガラマニです。

福井旅行記【前編】東尋坊、怖ぇえええええええー!

6月某日。ガラマニ、はじめての福井。

織田信長がネーミングしてくれた街、ガラマニ県ガラマニ市に住む俺。JRガラマニ駅から、福井までは、特急しらさぎで、たったの1時間47分で到着。なにしろ福井は、隣県だ。近い。

ワクワクしながら、JR福井駅に到着。おお、ここが福井か!

すごく…福井です…

福井の信号は、しゃべる。音楽で、「とうりゃんせ」を流しながら女性アナウンスが、

「信号が、青になりました。」などと言う。ガラマニ県では、せいぜい、ピッポピッポピッポだけだが、福井では、

♪と〜うりゃんせ、とうりゃんせ〜 「信号が、青になりました。」 こーこはどーこの福井県〜 「気をつけて、お渡りください。」

すごく…福井です…

福井駅に近い、某ホテルにチェックらインし、荷物を置き、軽装になり、えちぜん鉄道福井駅から、三国港駅へ行く電車に乗った。きれいな女性の車掌さんが同乗して下さっており、特に不安は、いまのところないが、安心だ。

終着駅、三国港駅(みくにみなとえき)に到着。

お天気は、くもり空だが、気温は快適。ここから徒歩で、福井が世界に誇る、自殺の名所、東尋坊へと向かう。地図として参考にしたのは、グーグルマップの航空写真だ。写真を、どこからどう見ても、俺の健脚ならば、軽く、かるぅ〜く、歩いて行ける、と、この時はまだ、ワクワクしていた。

おや、小奇麗なビーチだ。三国海水浴場だ。

お船も、釣り人も、いる。俺は、海なし県に住んでいるので、海を見るだけで、テンションが上がってしまう。ウワーイ!海だ!海だ!

白浜を通り過ぎ、車道を歩いていくと、おお、見えてきた!ヘンなタワーが!あそこが東尋坊か!

しかも、緑あざやかな林が、東尋坊タワーまで、連綿と続いているではないか。絶好の散策路ジャマイカ

と、その時。俺を、振り向かせる、強大なパワーを感じた。こ、これはッ?!

階段だー!

個人所有の別荘らしい。そのわきの階段が、崖の下の、海辺まで、続いている。おりてみたいという階段マニアの欲望をおさえつけ、俺は自殺名所・東尋坊へのルートを探した。

「荒磯遊歩道」という、看板を見つけたので、いそいそ荒磯と、その道へと踏み込んだ。「ありそゆうほどう」と読むそうだ。

ここからが本当の地獄だった。

写真では、のどかな風景に、見えることだろう。

駄菓子菓子!平日の午後。俺は、俺俺ゆーとるが、何度もゆーとる通り、実際の俺は、かよわくて、あまえんぼうで、おしゃれした、女性旅行者で、たった一人で、この道を歩き出したのだ…。さっきまで、オレンジ色の別荘の、階段を見ていた時は、一般車道にいるので、車も通るし、地元民さんも、いた。

だが、この、薄暗い林道に、俺はいま、たった一人!東尋坊タワーまで行けば、お店や、ほかの観光客もいるだろうが、ここには、俺のほか、人っ子ひとり、いないんである!

あ、ありのまま、感じたことを話すぜ!俺は、ここが自殺名所だからって、ユーレイに怯えているわけではないッ!俺が怖いのは、

こんな人気(ひとけ)のない場所で、にんげんに出会うことが怖ろしいのだぁあああああああ!頼む、誰も、誰も来ないでッ!俺の、前からも、後ろからも、誰も誰も、来ないでーッ!!と、全力で、駆け出した。荒磯遊歩道の入り口には、こういう注意書きが、あったのだ。

「危険なので、午後5時以降には入らないでください」

そりゃ危険だろーさ!色んな意味で!なつかしい、さっきの階段の方を、振り返ると、あっ、あれはなんだろう?

なんか、ケムリがモクモク出てる巨大施設があるんですけどッ!安心なさい、あれはただの火力発電所です!そんなことより俺よ、早く早く、この危険がデンジャラスな遊歩道を、走りぬけるのだ!

走った、走った。いかに健脚の俺でも、恐怖感にかられての、疾走だもんだから、いやな汗を、ダクダクにかいた。

色んな意味で怖い、荒磯遊歩道には、子供向けの案内板が、そこかしこにあり、「東尋坊にいる、鳥を観察してみよう!」だの、「東尋坊の、植物を観察してみよう!」だの、能天気なことがたくさん書いてあったが、♪花や木やー小鳥のー、こーとばをー、あなたにもー、教えてー、あーげたいー♪などという心持には、なれるはずもない。なにしろ、いま俺が怖いのは、人間なんだから!

ウワッ、こ、ここは!怖い!なにがって、柵が、サクがないんである!林間に見える灰色はぜんぶ海水なのだー!

海に、吸い込まれそうだ。そう、荒磯遊歩道の怖さは、がけっぷちギリギリの道が、そこ、それ、そこから落っこちたら、海に転げ落ちてしまうところに、あるからであるんである!恐怖のあまり、日本語がおかしいが、そんなことより俺を助けろ!

柵があっても、まだ怖い。とにかく早く、にぎやかな所に行きたい…

ようやく、人間性のカケラを感じられる場所まで、たどりついた。歌碑がある。展望タワーの下だ。ふう。

ようやく、東尋坊らしい風景になったぜ。でもまだ怖い

お花が咲いてる、けど、まだ怖い

ってゆーか、あんなところに、人がッ、人がいるぅうううう

ここで、はじめて、東尋坊で、普通の観光客さんおおぜいに出会い、俺の恐怖感は、少し、やわらいだ。

来てみて驚いたが、俺のほかの人々は、皆さん陽気で、誰も怖がっていないのだ。

ためしてガッテン」の、アブラアゲ特集で紹介されていた、観光客の食べ物をかっさらうことで有名な、トンビさんとカラスさんにも、出会うことができた。みんな、キャッキャウフフ笑いあい、楽しそうだ。

俺だけ、まだ恐怖感でガクブルで、ガクブルしながらも、東尋坊の、崖の下へと、おりて行った。岸壁と海の前、岩に腰かけて、一息ついた。

東尋坊まで来て、階段萌え。

これから呪う、いや乗ろうとしている遊覧船の、船着き場は、あの下だ。かなたに見える、雄島(おしま)まで、行けるお船だ。

お船に乗る前に、腹ごしらえ。甘えび丼!

食べてたら、海産物で栄養に満ち満ちている、東尋坊猫がよってきた!

以下は、遊覧船からの撮影。白波けって〜雄島へ、向かいまぁ〜す

お船から見た、別のお船東尋坊に行ったら、この遊覧船はおすすめです。

なぜって、さっきまで、怖くて怖くて、ふるえていた俺は、遊覧船の、ガイドのおにいさんの、愉快トークのちからで、すっかり、元気になれたからです!ありがとう、ガイドのおにいさん!

「あちらに見えてきましたのが、雄島です。」

オカルト系サイトで、「自殺者の死体が、うちよせられる島」とか、「日本最強の、マイナスパワースポット」とか、さんざんに怖がらせられている雄島だが、唯物論者の俺が見るに、たんに美しい、釣りのメッカ、そして、奇岩のメッカであった。

遊覧船は、丁寧に、東尋坊の奇岩の真下まで、船をよせて、ジックリ見せてくださる。下から見上げる東尋坊は、もう怖くない。

ありがとう、さようなら。でもやっぱ、怖かったよー、東尋坊

福井旅行記【後編】永平寺 につづく!